こんにちは。「CallConnect」ライターチームです。
カスタマーサポートを行うインバウンドコールセンターは直接的に利益を上げるものではないため、運営にかかるコストばかりが目立ってきました。
しかし近年では、顧客ニーズが変化するスピードも早くなっており、顧客の声(VOC)を経営に活かすことの重要性が増しているため、顧客の声が集まるインバウンドコールセンターの価値が見直されてきています。
本記事では、コールセンターの種類やインバウンドコールセンターにおける顧客への提案の重要性について解説します。
- インバウンド/アウトバウンドのコールセンターの違い
- インバウンドコールセンターでアップセル・クロスセルを提案する際の5つのポイント
- 提案業務に力を入れる際に注意すべき3つのポイント
- インバウンドコールセンターが売上に貢献するために必要なこと
- まとめ
インバウンド/アウトバウンドのコールセンターの違い
コールセンターには、大きく分けてインバウンドとアウトバウンドの2種類があります。それぞれ簡単に確認してみましょう。
インバウンドコールセンターとは
インバウンドのコールセンターは、大まかに2つに分けられます。一つ目は、通販事業におけるコールセンターのような、受注するための重要な経路です。
2つ目は、通信サービスのコールセンターのような、カスタマーサービスです。主に既存顧客が快適にサービスを利用できるよう問い合わせに対応し、サポートをする重要な役割もあり、カスタマーサポートセンターとも呼ばれます。
アウトバウンドコールセンターとは
アウトバウンドコールセンターは、営業活動を目的として、インバウンドとは逆に、企業側から主に一般のお客様に電話をかけるコールセンターです。
関連記事:インバウンドとアウトバウンドの違いはある? コールセンターに向いている人の特徴とは。
インバウンドコールセンターでアップセル・クロスセルを提案する際の5つのポイント
アップセル・クロスセルを効果的に行うためには下記の5つのポイントを押さえておく必要があります。
①お客様の問い合わせに耳を傾けて要望に応える
②親切に付加的な情報を伝える
③他の商品・サービスへの潜在ニーズがないかを探る
④反応を見て、興味がありそうなら提案する
⑤費用に見合う利便性・メリットを具体的に説明する
①お客様の問い合わせに耳を傾けて要望に応える
提案をするためにも、まずはお客様の問い合わせを聞いて、要望に応えましょう。
お客様が電話をかけてきているからには目的があり、それに応えて初めてオペレーターの話を聞く気になれます。
②親切に付加的な情報を伝える
「親切に付加的な情報を伝える」というのはアップセル・クロスセル提案とあまり関係がないように思えるかもしれません。しかし、これがお客様に耳を傾けてもらう上で重要なフックになります。
お客様の問い合わせに答えるのは、オペレーターとして当たり前のことです。経験を積んでいくと、問い合わせに関連して、「後になって他にわからないことが出てきてお客様が困るかもしれない」と、予測できるケースが多々あります。
表面的な問い合わせだけでなく、本質的な問題が解決できたかを確認することで、お客様の信頼を勝ち得ることができます。
このように、付加的な情報や注意点まで親切心から伝えてあげると、お客様は「電話して良かった」と感じてくださり、オペレーターの提案にも耳を傾けてくれます。
③他の商品・サービスへの潜在ニーズがないかを探る
顧客の信頼を得たら即提案したくなるかもしれませんが、提案の精度を上げるためにはさらなるステップが必要です。
他の商品・サービスに興味や関心がないかストレートに聞くこともできますが、潜在ニーズを引き出すためには、小さな悩みや不便に感じていることから、顧客の中に潜んでいる興味・関心を引き出しましょう。
意外にもお客様は、自分にどんなサービスが適しているのか気付いていない場合があります。興味・関心までわかれば、あとは自社サービスへの幅広い知識から最適なサービスを提案すればよいのです。
④反応を見て、興味がありそうなら提案する
アップセルのために単に高いものを勧めるだけでは「押し売り」のように思われてしまい、拒否反応を引き起こしてしまいます。そのため、まずは情報を少しだけ伝えて反応を見て、興味がありそうだったら詳細を伝えましょう。
あくまでアップセルは、ニーズを満たす提案であるべきであり、不満を解消したり、より快適になったり、「お客様のためになることを伝えたい」という姿勢が大切です。
⑤費用に見合う利便性・メリットを具体的に説明する
顧客にとって一番大切な判断材料は「アップグレードによって、費用に見合う利便性・メリットが手に入るか」です。アップセルにおいて最も重要なこのポイントを念頭に置いて、具体的に説明すると効果的な訴求ができます。
インターネット回線を例に上げて考えてみましょう。
光回線は、ADSL回線よりも1,000~2,000円ほど基本料金が高いですが、大手三大キャリアが提供しているスマホとのセット割引が適応できるため、実はADSLでセット割引を受けなかった場合と比較して、料金が総合的に下がるのです。
料金が下がるうえに、通信速度が速くなるのであれば、利用しない手はありません。
このように費用に見合う利便性やメリットを伝えることで、快く上位プランや関連製品を使っていただくことができます。
関連記事:既存顧客に喜ばれるアウトバウンドコールとは?3つのポイントをご紹介。
提案業務に力を入れる際に注意すべき3つのポイント
提案業務に力を入れるにあたって、注意すべき3つのポイントがあります。
- オペレーターのモチベーションを保つための評価制度と研修
- 既存の従業員へ丁寧に説明し、新人募集の説明事項に加える
- 無茶なノルマを課さない
オペレーターのモチベーションを保つための評価制度と研修
オペレーターのモチベーションを保つためには、実績が給与に反映されることや、収益に貢献するべき理由をオペレーター自身が理解しておく必要があります。
なぜなら、「提案」への苦手意識を持っているオペレーターも少なからずいて、営業的な側面をもつ「提案」はオペレーターの負担を増やすからです。
インバウンドコールセンターはお客様からのさまざまな問い合わせに即座に答えるために、商品・サービスへの幅広い知識が求められます。そのため応対範囲・業務量・難易度・貢献度などに応じた評価制度がモチベーションを保つ鍵です。
関連記事:コールセンターでの人事評価の方法と重要ポイントとは?
既存の従業員へ丁寧に説明し、新人募集の説明事項に加える
既存の従業員は元々営業職として募集していたわけではないため、業務内容が少し変更されることになります。対価として実績が給与に反映されることを丁寧に説明する必要があるでしょう。
そして、新人募集の際には、簡単な提案も業務内容に含まれることを漏れなく伝え、入社後のギャップを作らない対策が必要です。
無茶なノルマを課さない
時間をかけてせっかく育て上げたオペレーターの離職率を上げないように、提案が得意ではないオペレーターに配慮して、高いノルマを課さないようにしましょう。
もちろん、全体的に高いノルマを達成できれば理想ではありますが、提案業務はカスタマーサポートのメイン業務ではなく、あくまで付加的な業務といえます。
インバウンドコールセンターが売上に貢献するために必要なこと
問い合わせ対応がメインのインバウンドコールセンターでは、オペレーターのヒアリング能力を真っ先に高めていく必要があります。
顧客の課題やニーズを正しくヒアリングすることができれば、適切に課題解決に導くことができます。また、顧客ニーズを把握した提案も自然とできるようになるでしょう。
応対品質を高く保てれば、顧客からの信頼を得ることもでき、結果として利用継続率アップが期待できます。
また、コールセンターで収集したお客様の声を商品・サービスの改善に活かし、ニーズを的確に捉えて売上アップを目指すには、以下のような取り組みを実行する必要があります。
- ニーズを引き出すためのアンケートを実施
- 顧客からの要望をデータベース化
- データを分析し、真のニーズを見分ける
- 現実的に実施可能な施策を実行する
このような取り組みは顧客満足度を向上させ、結果的には売上アップにつながっていきます。また、アンケートだけでなく、特に重要なお客様の声を選別して、オペレーターから報告してもらう仕組みづくりも必要です。
まとめ
アップセル・クロスセルを効果的に提案する5つのポイントについて解説しました。お客様から真のニーズを引き出せれば、さまざまな形でマーケティングに活かせます。また、インバウンドコールセンターでも、受け身の対応だけではなく、効果的にアップセル・クロスセル提案を行えば、売上アップを期待できます。
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参考文献:【調査結果】ADSL利用者9割がサービス終了を認識するも4割が乗り換え未検討|1~2カ月前に検討開始が4割 | @niftyIT小ネタ帳
参考文献:携帯電話の利用状況に関する 意識調査結果 - 総務省
参考文献:ブロードバンド回線事業者の加入件数調査(2020年9月末時点) ≪ プレスリリース | 株式会社MM総研