非対面で営業活動を行うインサイドセールスでは、確度の高い顧客を見極め、的確なアプローチを重ねて受注へつなげなければなりません。そのため、数多くの見込み客の情報を横断的に管理・分析したいと考えている管理者の方は多いでしょう。
そこで本記事では、顧客情報の管理や商談に役立つツールについてご紹介していきます。
インサイドセールスについておさらいしたい方は、ぜひ以下の記事も参考にしてくださいね。
▶インサイドセールスをわかりやすく。導入メリット、デメリットを解説。 - CallCenter Times(コールセンタータイムズ)
インサイドセールスツールの種類
インサイドセールスに活用されるツールは、主に以下4種類に分類されます。
・SFA/CRMツール
・ABMツール
・オンライン商談ツール
MAツール
MA(Marketing Automation)ツールとは、新規顧客の獲得における一連のマーケティング施策を自動化するツールの総称です。
MAツールの主な機能
MAツールには、以下のような機能が備わっています。
- 見込み顧客情報(資料請求、HPの訪問履歴、名刺、過去の取引履歴など)の一元管理
- 見込み顧客の属性や状況に合わせたメールの作成・配信
- スコアリング(例:メールを開封したら1点、資料請求したら5点)
- シナリオの作成(顧客の行動に合わせて、自社が次に取るべきアクションを設定し、自動化する)
- LP(ランディングページ)や連絡フォームの作成
- Webアクセスやユーザーアクションの分析
- レポートの作成
- SFAやCRMとのシステム連携
ご覧の通り多機能なMAツールは、顧客のニーズに合わせたきめ細やかな施策を実施するのに適しています。
そのため、よりパーソナライズした施策で成果を出したい企業におすすめのツールです。
SFA/CRMツール
SFA(Sales Force Automation)ツールとは、営業活動を強化するためのシステムです。日本語では、「営業支援システム」と呼ばれます。
対してCRM(Customer Relationship Management)ツールは、顧客と良好な関係を構築することを目的としたシステムです。日本語では「顧客関係管理」と呼ばれます。
SFAとCRMは役割が似ている、もしくは重複している部分があるため、2つを統合したツールも存在します。
SFAツールの主な機能
SFAツールには、以下のような機能が備わっています。
- 顧客情報の管理(顧客の基本情報、購入履歴など)
- 営業活動の管理(コール数、アポイント数、訪問数、提案した商材数、受注数など)
- 商談の進捗管理(商談の内容、競合の状況、契約額の目安など)
- 名刺管理
- 予定表の管理
- Todoリスト
- ファイルの共有
- 申請・承認のワークフロー
- 分析・レポート
SFAツールは、営業活動に入った後の情報や進捗の管理に有効です。
また、営業活動が可視化されるため、”最適な営業プロセス”を見いだしナレッジとして横展開するのにも役立ちます。
CRMツールの主な機能
CRMツールには、以下のような機能が備わっています。
- 顧客情報の管理(顧客の基本情報、購入履歴など)
- 顧客の分析(デシル分析、LTV分析、RFM分析など)
- 営業活動の管理(コール数、アポイント数、訪問数、提案した商材数、受注数など)
- 商談の進捗管理(商談の内容、競合の状況、契約額の目安など)
- 問い合わせの管理(問い合わせの履歴、類似Q&Aの参照、回答のテンプレート作成など)
- メールの配信
- ファイルの共有
- 申請・承認のワークフロー
- 分析・レポート
CRMは、顧客化した後の顧客管理やコミュニケーションツールとして役立ちます。
問い合わせの管理や回答にも使えるため、多くのコールセンターに導入されているシステムです。
ABMツール
ABM(Account Based Marketing)ツールとは、BtoBの営業活動において、情報収集や顧客の選定をサポートするシステムです。
ABMツールの主な機能
ABMツールの主な機能は以下の通りです。
- 企業情報(企業固有情報、外部評価、資本系列、本社・事業所関係など)の収集
- 名寄せ機能(データベース上で企業名や住所、電話番号などが一致するデータを統合して一元管理する)
- 未接点企業を可視化して見込み顧客を発掘
- 成約確度の高い企業の選定
- MA/SFAツールとの連携
ABMツールでは、「企業」単位のターゲティングや施策立案を行います。そのため、扱う商材の単価が高額で、購入の意思決定に関わるステークホルダーが多い場合に効果を発揮します。
逆に、商材の単価が安価で、意思決定に関わるステークホルダーが少ない場合には、ターゲットに対して広範囲にアプローチする必要がないため、ABMツールには適しません。
オンライン商談ツール
オンライン商談ツールとは、オンライン上で顧客との商談を可能にするシステムです。
オンライン商談ツールの主な機能
オンライン商談ツールには、以下のような機能が備わっています。
- 画面共有
- ファイルの送信・受信
- 名刺交換
- トークスクリプトの登録・表示
- ログの管理(商談回数、商談内容、時間など)
- 先方が商談に参加するのに、ログインやアプリのインストールは不要
ZoomやMicrosoft Teamsに代表されるような汎用的Web会議ツールが大人数の会議を想定しているのに対し、オンライン商談ツールは、少人数での商談に特化した機能が充実しています。
また、音声は電話回線を使用したまま、ファイルの共有などをオンライン上で行うため、音声が乱れにくいのも特徴です。
インサイドセールスツールを選ぶポイント
インサイドセールスツールを選ぶ際に注意すべきポイントは、以下の3点です。
・コストは予算内か
・フィールドセールスと情報共有しやすいか
・現場で使いこなせるか
課題や目的に合っているか
前章でご紹介した4種類のツールを、営業活動のどのステップで使用するかを図にすると、以下の通りです。
(商談獲得後はフィールドセールスに引き継ぐケースもありますが、ここでは受注までインサイドセールスで行う場合を想定しています)
上図を参考に、「どのステップにどんな課題があるのか」、「どんな目的をもって導入するのか」を整理しておきましょう。
課題や目的をハッキリさせておくと、複数のツールを比較検討する際にも、何を重視すべきかの判断がつくようになります。
コストは予算内か
ツールを選ぶ際に、導入や運用にかかるコストは重要なポイントです。
インサイドセールスツールの多くはクラウドで提供され、毎月の利用料が発生します。その分、初期費用は抑えられますが、長期的に見ても予算に収まるかどうか、事前に試算しておきましょう。
フィールドセールスと情報共有しやすいか
インサイドセールスによっては、見込み顧客との関係性ができた後、商談や受注をフィールドセールスに引き継ぎます。その際、顧客情報や提案内容などを漏れなく、タイムリーにフィールドセールスへ共有することは、商談をスムーズに進める上で非常に重要です。
また、商談を終えたフィールドセールスから、商談の結果や事前情報の有用性についてフィードバックを受けることは、インサイドセールスの業務改善につながります。
ツールを選ぶ際には、このような相互の情報共有が円滑にできるか否かを必ず確認しましょう。
現場で使いこなせるか
システムごとに様々な機能がありますが、現場で活用できなければ課題の解決にはつながりません。
無料トライアル期間などを利用し、現場の担当者が使いやすいか、不明点やトラブルがあった際のサポートは充実しているかを確認しましょう。
まとめ
本記事では、インサイドセールスの効率化や商談化率・成約率の向上に役立つツールをご紹介しました。
もし「電話のアクション数を増やしたい!」とお考えの方は、以下の記事も参考にしてくださいね。
架電数アップ!インサイドセールスに役立つ『プレディクティブコール』とは
https://www.callconnect.jp/blog/209
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