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2021.09.02
インサイドセールスをわかりやすく。導入メリット、デメリットを解説。

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こんにちは。「CallConnect」ライターチームです。

この記事では、なぜ今インサイドセールスに注目すべきなのか、また、導入を検討するにあたって、そのメリットやデメリット、インサイドセールスに向いている3つのタイプの会社について解説しています。

インサイドセールスとは?

インサイドセールスとは、メールや電話、Web会議ツールなどを活用しながら非対面で見込み顧客とコミュニケーションを取る営業手法です。

本来は、初期のアプローチ段階から、提案、アフターフォローまでのすべての営業プロセスをこの手法で行うことを意味します。つまり、一切対面で接触せずに契約まで行うということです。

しかし、日本ではもう一つの手法で実施するのが一般的になっています。それは、マーケティングと新規営業の中間で見込み顧客のふるい分けをしてから、対面でのクロージングを行う手法です。

日本では、見込み顧客の潜在的なニーズを刺激し、受注の可能性が高まるまで育てて見込み顧客を選別する部分と、アフターセールス部分を内勤で行うことを、インサイドセールスと呼ぶのが一般的です。

フィールドセールスと組み合わせることで、効率的な営業活動を実現することができます。

フィールドセールスとの違い

フィールドセールスは顧客を直接訪問する対面型の営業手法で、「外勤営業」とも言います。一方でインサイドセールスは非対面での営業手法で、「内勤営業」や「リモートセールス」とも言われます。

「米国では、2016年時点で既に全営業マンのうち47.2%がインサイドセールスに従事していて、今後も割合が大幅に増えることが予想されています。」

一方、2019年時点で、日本のインサイドセールス導入率は13.2%に留まっていて、まだまだ普及の余地が残されていると言えるでしょう。

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Googleトレンドで、インサイドセールスの過去5年間の検索ボリュームを確認すると、徐々に関心が高まり、特に2019年以降に上昇していることが分かります。

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インサイドセールスが注目されている理由

社会状況の変化と人材不足

社会的な状況の変化といえば、とりわけ人材不足を挙げることができるでしょう。人口減少が進んでいく中、優秀な人材の確保は益々困難になってきています。

そして、労働人口が減少している中、国内企業の成長が全体的に鈍化し、収益も低下傾向にあります。それに働き方改革も施行されました。

そうした環境の中で、少ない労力で成果を上げる、組織の生産性向上が求められています。

新型コロナウイルスの影響

新型コロナウィルス感染症の感染拡大により、対面での接触を避けざるを得なくなったのは、フィールドセールスにとっては致命的です。
それもあって、ここ数年で電話やLINE、メール、ビデオ会議システム等を用いた非対面の営業手法が日本国内でも注目を集めることになりました。

新型コロナウィルス感染症のマイナス影響の調査では、「29.5~44.9%の中小企業が、一部営業を自粛」していると回答。(調査時期:2020年6月~2021年4月の2か月毎に実施。)

Googleトレンドで調査した検索ボリュームも、新型コロナウイルス流行以降に、さらにインサイドセールスへの関心が高まっていることを示しています。

購入プロセスの変化

インターネットの普及に伴って、顧客が購入に至るまでの行動も変化し、検索や比較をすることで、下記のように慎重に判断するようになっています。

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このように買い手主導に変化した購入プロセスになっているため、顧客と良い関係を築きながら情報提供を行い、 受注に繋げていくインサイドセールスが必要なのです。

企業の複雑な決定プロセス

企業では個人の意思決定ではなく、BtoB営業特有の複雑な決定プロセスがあります。

決裁者であったとしても企業規模が大きくなれば承認のフローが複雑です。
さらに発案者と決裁者が異なる場合もあり、導入までのハードルは高い傾向にあります。

こちらも上記「3.購入プロセスの変化」と同様に、顧客の「知りたいけど売り込まれたくない」という心理に対して、アドバイザーのような立ち場で有益な情報提供を行いながら、関係を構築していくインサイドセールスが、非常に有効なアプローチになります。

新規アプローチの限界

施策もやり尽くしていくと、新規アプローチ先が徐々に減少していくという事態は避けられません。

インサイドセールスでは、新規アプローチだけでなく、失注や保留などの一度リリースした休眠顧客の掘り起こしも行います。

そして、その中でニーズや決裁権保有者、承認ルートといった情報を収集し、顧客との関係を築きながらアポイント獲得に繋げていくのです。

このようにコミュニケーションを重ねることで、顧客へ情報を提供し購買意欲を高め、ニーズが発生したタイミングを逃さず、フィールドセールスに見込みの高い顧客を引き継げるのです。

インサイドセールスに向いている3つのタイプの会社

会社によって利用場面は異なりますが、基本的には以下の3パターンです。

クロージング型の会社

クロージング型は、Web会議システムなどを用いてクロージングまで行うパターンです。
商材の単価が低く、何度も訪問すると赤字になる場合は、クロージング型が適しています。

また、商圏が全国に広がっている場合にも、オンラインでクロージングまで行うのが現実的です。

アポ獲得型の会社

「アポ獲得型」は、日本で最もスタンダードなインサイドセールスのタイプです。
アポ獲得型のインサイドセールスは、営業部の商談機会を作ることを目的としています。

既存アップセル型の会社

この中で唯一、新規ではなく既存の顧客に向けてのアプローチです。
「新規なのか、既存なのかで営業を分けていない」「営業部が少数精鋭のため見込み客を把握しきれない」といった場合に適しています。

実際に、営業担当が多数の案件を抱えて対応しきれない場合、インサイドセールス担当者が対応するケースもあります。

 

インサイドセールスの4つのメリット

より多くの見込み客にアプローチできる

1つ目のメリットは大幅な業務の効率化が見込めるという点です。
フィールドセールスでは、ひとりの営業担当者が訪問可能な顧客数が限られるだけでなく、アポを取って一日の間に効率よく訪問することが難しいのが現状です。

また、受注に繋がる可能性が高いものばかりとはいえないため、効率の悪さが問題点としてありました。

 しかし、そこにインサイドセールスを取り入れることで、優先度の高い顧客へ効率的にアプローチを行うことが可能になります。また、移動回数も減少するため移動時間や交通費の削減にも繋がるでしょう。

営業が商談に専念できる

2つ目は、営業担当者が本来行うべき提案から商談までの業務に集中できることです。

日中に顧客への連絡や商談を行い、帰社してから資料や見積書作成を行うなど、多忙を極める営業担当者が見込み顧客の発掘や管理まで行うとなると、提案の回数、品質、結果的には売上げが下がってしまいかねません。

しかし、インサイドセールス側で商談機会を創出すれば、営業担当者は本来の業務に集中でき、提案の回数、品質、クロージングの精度を向上させることができます。

このような体制を取ることで、営業担当者は、より一層クロージングのスペシャリストに近づけるでしょう。
また、残業時間の削減を見込むこともできます。

営業活動を標準化できる

3つ目は、営業活動の質が標準化されることで、個人が持つノウハウやスキルを共有することが可能になり、組織全体の営業力が底上げできることです。

顧客情報を共有して把握すれば、どの情報まで聞き出し、どのような方法で見込み顧客を獲得するのが最も効果的なのか、などが分かるようになり、全体の営業の質が向上します。

営業担当がファーストコンタクトからアフターフォローまですべてを請け負うと、顧客との関係は営業担当者に依存してしまうことになります。

そうすると、営業担当者の異動や転職をきっかけに、顧客離れに繋がるリスクが発生することになるでしょう。

しかし、インサイドセールスであれば、複数の担当者が顧客と関わることになるため、顧客とのより安定した関係を築くことができます。
関連記事:既存顧客に喜ばれるアウトバウンドコールとは?3つのポイントをご紹介。

効率化により、少人数でも成果を上げられる

4つ目は生産性の向上です。
インサイドセールスの担当はわずか数名いるだけで、数多くのリストの中から効率的に電話やメールでアプローチを行い、まだ商機が熟していない顧客をふるい分け、優先度の高い見込み顧客だけを営業担当へ引き継ぐことができます。

インサイドセールスであれば、見込み顧客を訪問することなくアプローチしていけるため、同時に複数の見込み顧客を一人で担当することが可能です。
これにより、少人数の場合でも高い成果を発揮できます。

インサイドセールスのデメリット

トスアップの際の情報連携の問題

1つ目に営業担当者とインサイドセールス担当者との情報連携の問題があります。
見込み客の発掘と、商談を分業でやっているわけですから、これは当然の課題です。

せっかく受注の可能性の高い顧客を引き継いでも、情報が不十分であったり、顧客が何に悩み、何を本当に望んでいるかが伝わっていなければ、的外れな提案をしてしまい、失注という結果になりかねません。

また、伝言ゲームのようにならないように、曖昧な表現を避け、誤解されないような言い回しで伝える意識も必要です。

トスアップの精度向上に繋げていくために、必要な情報を適切に共有できるツールや仕組みを用意しておく必要があります。

また、成約後のフォローはインサイドセールスの担当者が行っていくため、商談の場でのやり取りについての連携も不可欠です。

関連記事:エスカレーションを効率化するにはどうしたら良い?運用のポイン

顧客の反応が掴みにくく、サービスの魅力を伝えにくい

互いに表情が見えないため、顧客の反応に合わせて臨機応変に対応することが難しく、逆にインサイドセールスの担当者が説明する内容も顧客に伝わりづらくなります。
そのため、担当者の傾聴力や伝達力を向上させる必要があります。

Web会議ツールなどを使うことで、その差をシステム的に埋める努力も必要になるかもしれません。

完全なインサイドセールスの場合、信頼されにくい

詐欺や消費者トラブルがニュースでも頻繁に取り上げられる中、消費者の警戒心はかつてなく高まっています。誠実な担当者であっても、最初のうちは、顧客は半信半疑の状態で話を聞くことになります。

一度も会ったことがない営業担当から何を勧められても、「断った方が安全」という心理が働いてしまい、電話であれば一方的に切ることも可能です。
それで、いかに信頼関係を築くか、ということが課題となります。

インサイドセールスを支援するコールセンターシステム

インサイドセールスを導入するのであれば、上記「トスアップの際の情報連携の問題」を解消するためにも、インサイドセールスに最適なコールセンターシステムなどを活用するのが望ましいでしょう。

基本機能

コールセンターシステムを利用すれば、現在利用しているPCで電話ができるようになります。通常の電話と同じように保留・内線・取り次ぎも可能ですし、通話内容の録音やメモをクラウドで共有することもできます。

クラウドサービスとの連携、情報の管理や共有

顧客管理システムと連携すれば、顧客情報の同期に加え、通話履歴が顧客管理システム側にも自動反映されます。情報を入力する手間を省き、電話対応に集中できます。

顧客管理

顧客リストを作成し、顧客ごとに通話内容を録音し、データやテキストメモで保存することが可能です。これまでの通話内容を把握した質の高い電話対応が実現できます。

例えば、アポを頂いた顧客から、担当者宛に電話がかかってきたとします。その時に、担当者が不在であることを伝えなければいけないとしても、このように伝えることができたらどうでしょうか?

「〇〇様ですね、お世話になっております。大変申し訳ないのですが、担当の△△は現在商談中でございます。▢▢の件でございますでしょうか?担当に私から伝言を伝えることもできますし、私が代わりにお伺いすることもできますがいかが致しましょうか?」

顧客からお名前以外の詳細を何も伺っていなくても、着信時点で顧客情報が表示されるため、このように担当者のスケジュールや商談の内容を把握し、さらに、自分で対応できるかどうかまで判断することも可能です。

もちろんプライベートな情報には配慮が必要ですが、顧客としても、しっかりとした社内連携や、組織力の高さを目の当たりにし、信頼感を抱くことでしょう。

また、通話中にヒアリングした内容をメモとして保存することもできます。
通話履歴のメモや顧客情報を検索し、必要な情報への素早いアクセスが可能です。

モニタリング

社員の通話が長引いていたり、クレーム対応をしている場合、上司としてフォローが必要かどうか見極めたいと思うことでしょう。社員と顧客の通話内容をリアルタイムでモニタリングすることができるので、エスカレーションの際もスムーズに対応できます。

関連記事:<コールセンターにおけるモニタリングとは?メリットと実施のポイント

関連記事:インサイドセールス部門の立ち上げ手順とは?注意すべきポイントを解説

コールセンターシステムのメリット

顧客満足度を向上させ、比較分析し、スキルアップに貢献

上述の通り顧客情報を確認しながら通話することで、スムーズに対応でき、顧客満足度が向上します。

録音データを聞き直したり、音声から自動変換されたテキストを分析することで、トークの改善点を見つけて、スキルアップすることもできます。品質向上や新人育成に役立てることもできるでしょう。

また、成功例を比較分析することによって、その秘訣やノウハウをマニュアル化することも可能です。

クラウド型のコールセンターシステムでは、面倒な回線工事や設置作業が必要のない製品が多いため、手軽に導入することが可能です。

関連記事:コールセンターシステムとは?主要機能や選び方を紹介

まとめ

社会情勢の変化やコロナ禍にあっても、インサイドセールスは効率的な営業手法だといえるでしょう。また、顧客との良好な関係を維持しながら、生産性の向上を見込める優れた営業プロセスでもあります。

しかしながら、日本での導入率は2019年時点で13.2%と低い水準にあるため、これからインサイドセールスの導入、それを支えるコールセンターシステムの導入を検討する企業も多くなるでしょう。

「CallConnect」は、サポートやインサイドセールスに最適なコールセンターシステムです。
顧客との通話を録音したり、リアルタイムでのモニタリングも可能です。
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参考文献:アイセールス株式会社【調査】インサイドセールス導入13.2%、マーケティングオートメーション導入では、わずか4.9%の結果に

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