こんにちは。「CallConnect」ライターチームです。
突然ですが、コールセンター業界が抱える課題と聞いて何を思い浮かべますか?
教育面、人材面など、コールセンター業界が解決しなければならない課題は多くあり、それらは時代とともに少しずつ変化しています。
そこで今回は、「コールセンター業界が抱える課題とその解決方法」について解説します。
日々現場で指揮を執っている管理者はもちろん、現在コールセンターで働いているオペレーター、これから働こうと考えている方なども、業界の課題について理解を深めておきましょう。
コールセンター業界が抱える課題
コールセンター業界が抱える課題にはどのようなものがあるのでしょうか?
昔から課題になっていること、近年になり課題になったこと、それぞれの内容を理解しておきましょう。
人材の確保
コールセンター業界で最も大きな課題として挙げられるのが、「人材の確保」です。コールセンター業界は、クレーム対応への不安やストレスなどを原因として離職する人が多く、人材の入れ替わりが激しいことから、必要な人員を確保するのが困難な業界です。
『コールセンター白書2020』によると、「オペレータの採用状況について」を聞いたアンケート結果は以下のようになっています。
参考:月刊コールセンタージャパン編集部/『コールセンター白書2020』/株式会社リックテレコム/東京/2020.10.16/P61このアンケートを見ると、2020年は2019年とくらべ、採用状況が改善していることがわかります。
採用状況が改善の兆しをみせている理由は、新型コロナウイルスの影響を受けた観光業や飲食業から人材が流入しているためだと考えられ、この改善傾向はしばらく続くと予想されます。
しかしながら、採用状況には地域差があるようで、「拠点によってはかなり厳しい」との回答が37.1%に及んでいます。
このことから、コールセンター業界全体として十分な人材が確保できているとはいえず、課題解決には至っていません。
参考:コールセンターは採用難?求職者が魅力を感じるコールセンターの求人募集とは
24時間対応ができない
コールセンターの多くは営業時間が決まっており、24時間対応を行っているところは少ないです。本来であれば、顧客が困ったときすぐに対応できるよう、24時間対応が望ましいのはいうまでもなく、迅速な対応によって顧客満足度の向上も期待できます。
しかし、深夜帯は入電数が少ないことも相まって、人件費や光熱費の負担が増える・人材が足りないなどの理由から、深夜対応をしていない企業が多いのです。
また、新型コロナウイルスの影響もあり、深夜対応を休止したり、体制を縮小したりするコールセンターが増えたのも要因となっています。
顧客満足度の向上を優先するか、事業としての生産性を優先するか、コールセンターを運営する企業は常にこの課題を抱えているのです。
テレワーク体制へのシフト
近年コールセンター業界の課題として挙がってきたのが、「テレワーク体制へのシフト」です。新型コロナウイルスの影響もあり、世界的にテレワーク推進の動きが進んでいます。それはコールセンター業界も例外ではなく、3密を回避しづらい職場環境であることから、感染防止の観点でテレワーク化を進める企業も増えています。
しかし、『コールセンター白書2020』によると、「個人情報の保護ができない」「ITソリューションの導入ができなかった」「エスカレーション対応ができない、難しいから」といった理由で、テレワーク化が進んでいない企業も多くあるようです。
BCP対策の観点からもテレワーク化は重要な意味を持っているため、セキュリティやシステムの導入、品質管理などへの不安が解消できれば、テレワーク体制へシフトする企業も増えていくでしょう。
参考:在宅コールセンターの問題点とマネジメントのポイントを解説
コールセンター業界の課題を解決する方法
コールセンター業界の課題を解決する方法をご紹介します。
自社の抱える課題を解決するひとつの考え方としてご覧ください。
CTIなどのITソリューションを導入する
CTIをはじめとするITソリューションの導入は、コールセンターを運営するうえで欠かすことのできない機能です。
例として、CTIで利用できる機能をいくつかご紹介します。
・着信時のデスクトップ通知
・クリックコール
・通話内容の録音や再生
・自動応答電話(IVR)
・着信呼自動分配装置(ACD) など
このような機能の活用によって、業務効率の改善や対応時間の短縮ができ、空いた時間や人材を有効活用できます。
また、テレワーク体制へシフトするにあたっては、クラウド型コールセンターシステムを導入することで、自宅にいても会社と同じようにCTI機能を活用できます。
実際に『コールセンター白書2020』によると、「コールセンターのIT機能で強化する優先度の高いソリューション」について聞いたアンケート結果は以下のとおりです。
参考:月刊コールセンタージャパン編集部/『コールセンター白書2020』/株式会社リックテレコム/東京/2020.10.16/P95アンケート上位となっている、「FAQなどのナレッジ構築ソリューション」「在宅コールセンターを構築・運用するソリューション」は、テレワーク体制の構築に必要なシステムの導入を各社が急いでいることを表しています。
「テレワーク体制へのシフト」という新しい課題への解決策として、ITソリューションの導入はさらに加速していくでしょう。
参考:在宅コールセンターの問題点とマネジメントのポイントを解説
教育体制の再構築
人材育成がうまくいっていないのであれば、教育体制の再構築は必須です。
例として、教育体制の再構築に向けて以下の項目を見直してみるとよいでしょう。
・研修期間の長さ
・研修カリキュラムの内容
・研修担当者のスキル
・業務マニュアルやスクリプトの更新状況
・オペレーターのメンタルケア方法
・オペレーターのスキル確認
・スキル付与のタイミング など
人材育成における最大のポイントは、「現場のオペレーターから意見を聞く」ことです。実際のところ、管理者の視点だけでは、研修や教育体制の良し悪しは判断できません。そのため、現場のオペレーターからアドバイスをもらい、より適切な教育体制の構築を目指す必要があるのです。
人材育成に困っているコールセンター担当者は、上記の項目について、オペレーターの意見を取り入れてみてください。そうすることで、今より充実した教育体制が出来上がることでしょう。
参考:コールセンターの研修の進め方。 押さえるべきポイントは?
離職防止策の見直し
離職防止策の見直しによって、人材の流出を防ぐ必要があります。
『コールセンター白書2020』によると、各企業は以下のような対策を講じているようです。
参考:月刊コールセンタージャパン編集部/『コールセンター白書2020』/株式会社リックテレコム/東京/2020.10.16/P64この結果から、企業側も工夫しながら離職防止に向けた取り組みをしていることが見受けられます。離職する理由は人によって違うため、離職防止策に絶対的な正解はありません。そのため、離職予定者に話を聞くなどして、離職防止策のさらなる改善が必要となるのです。
人材確保はコールセンター業界の最も大きな課題とされてきました。
時代や状況にあわせた離職防止策を講じることが、企業側に求められているのでしょう。
参考:コールセンターAHT短縮で離職を減らす方とは? 〜スキル向上と環境整備がポイント〜
チャットボットなどを活用した無人対応の強化
人材不足や人材の適切配置が難しいという問題は、チャットボットなどのAIシステムの導入によって改善が見込めます。チャットボットとは、顧客がチャットで質問したことをAIが認識し、自動で応答・回答してくれるシステムです。システムが自動で対応してくれるため、24時間対応が可能となり、無人であることから人件費もかかりません。
そのため、人材不足による適正配置が難しいなどの課題を持つコールセンターにとって、心強い味方となってくれるシステムだといえます。
とはいえ、まだまだチャットボットの性能は高いとはいえず、人間による案内が必要な場面も多いことから、導入の際は使用するシーンの見極めが必要となるでしょう。
参考:カスタマーサポートにチャット導入が進む背景とチャネル選定時の注意点とは
コールセンター業界が抱える課題は新たな局面を迎えている
コールセンター業界が抱える課題について解説してきました。
人材確保が難しいといった従来の課題以外にも、「テレワーク体制へのシフト」といった新しい課題も見えてきました。それぞれの課題に適した対策を講じられるよう、時代の変化や流れを理解したうえで、日々検討を重ねる必要があるでしょう。
「CallConnect」は、テレワークに対応したコールセンターシステムです。在宅でも会社にいるのと同じように顧客対応することができます。
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参考:「コールセンター白書2020」
月刊コールセンタージャパン編集部/株式会社リックテレコム/2020.10.16