こんにちは。「CallConnect」ライターチームです。
顧客と直接やりとりをするコールセンターは、まさに「会社の顔」。
コールセンターの対応が素晴らしいと、顧客の信頼を得ることができます。
そして、そのコールセンターの対応品質を担っているのが、オペレーターです。多くのコールセンターでは、新人オペレーターが実業務に入る前に研修を行います。
しかし、研修の担当になったSV(スーパーバイザー)の中には、
「どんな方法で研修すればいいの?」
「現状の研修内容がイマイチだが、どうしたらいいのか分からない」
といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
実際に、コールセンターの運営上の課題で最も多いのが「オペレーターの採用・育成」です。
図1 コールセンター運営上の課題(n=210、複数回答あり)
引用:株式会社リックテレコム コールセンタージャパン2019年9月号 <第2特集>
この記事では、研修の重要性と外せない内容、具体的な研修の流れについてご紹介します。
スキルの高い人材を育てるために、是非ご活用ください。
コールセンター研修が重要である理由
他の職種でも業務知識を得るために研修を行うことがありますが、特にコールセンターにおいては研修の重要性が高いです。
この章では、コールセンター研修の重要性について、3つの理由をご紹介します。
コールセンターは会社の顔
冒頭でもお伝えした通り、コールセンターは顧客に最も近い存在であり、会社のイメージを左右する「顔」です。
そのため、業務知識が不足していたり、言葉遣いが不適切だったりした場合に、ダイレクトにお客様に迷惑をかけ、会社全体のイメージダウンに繋がってしまうのです。
最低限の対応品質を担保できるよう、事前にオペレーターの育成を行うのはコールセンターの使命といえます。
オペレーターの不安を取り除く
コールセンターでは、未経験者を採用するケースが多くあります。
他の業種で培ったビジネスマナー等を業務に生かすことは充分に可能ですが、初めての仕事は誰でも不安なもの。
オペレーターの不安はお客様に伝わるので、「ベテランさんに代わって!」なんて言われてしまうことも…。
また、コールセンターは問い合わせのチャネルによって異なるツールを使用するため、慣れるまでに時間を要します。
新人オペレーターが落ち着いて業務に臨めるよう、適切な研修が必要です。
研修プログラムを確立すると、人の入れ替わりに対応できる
コールセンターは、人の入れ替わりが激しい傾向があります。
複数のSVが研修を行うケースがありますが、教える人によって異なる内容で研修を行うと、オペレーターの知識に差がでてしまい、対応品質が保てない場合があります。
センターとして統一の研修プログラムを確立すれば、対応品質を保てると同時に、研修の準備をするSVの工数も削減することができ、一石二鳥です。
押さえるべき内容
会社の理念・センターのミッションの共有
「オペレーターの業務に直接的に関わらないから」といって、会社の理念やセンター全体が担っているミッションについて説明を省いていませんか?
実は、この理念やミッションこそ一番最初に説明すべきなのです。
なぜなら、会社の方針やセンターの使命を理解することで、業務が単純作業ではなくなるからです。
人は、業務の手順のみを教わると、それを単なる作業だと認識してしまいます。
作業の繰り返しでも当面の対応には困らないかもしれませんが、それ以上の成長は望めません。また、そういった心構えは、ふとしたタイミングでお客様に伝わってしまうものです。
本来、どの業務にも会社の方針に沿った意味があります。
顧客に直接接するオペレーターこそ、組織の行動指針と業務の関連性を理解し、誠意ある対応ができるようにしていくといいでしょう。
また、理念やミッションが浸透することで、オペレーターのモチベーションが向上し、離職を防げると同時に、SV候補になるようなスキルの高い人材が育ちやすくなります。
オペレーターのモチベーションを保つ
覚えることが多かったり、長時間クレームを受けたりすると、オペレーターが精神的に疲弊してしまう場面もあるでしょう。
そのため、モチベーションを維持するための工夫が必要です。
以下に行動例をいくつか挙げます。オペレーターの状況に合わせてアレンジしながら取り入れてみてください。
例)・「何のための業務か」を明確にする
・日誌やミーティング等を通じ、コミュニケーションをとる
・研修担当者以外の先輩の仕事ぶりを近くで見てもらう
・定期的に面談の場を設け、悩みや意見をヒアリング
参考:コールセンターでオペレーターのモチベーションを向上させる方法
研修中も顧客対応の品質は落とさない
研修中のオペレーターだからといって、お客様に対する対応に不備があっては会社の信用に関わります。
以下3つのポイントから、対応品質を保てる研修になっているか、確認してみてください。
- 最低限クリアしておくべき対応レベルをチェック項目等で明確にしておき、合格者のみ顧客対応にあたらせる。
- オペレーターの習熟度に合わせ、研修担当者がサポートする度合を決めておく。
- オペレーターが自己解決できない場合、どうするかを明確にしておく。(確認して折り返す、研修担当者に対応を代わってもらう、エスカレーションを上げる等)
研修の流れ
この章では、効果的な研修の流れと、具体的な内容についてご説明します。
1.座学
以下のような内容を座学で説明しましょう。
人間は、体験や感情に基づく記憶(エピソード記憶)を覚えやすい特徴があるため、講師が一方的に話すのではなく、対話やディスカッションを交えると効果的です。
- 会社の理念・センターのミッションの共有
- オペレーターの具体的な目標値
- 研修の全体スケジュール
- 商品やサービスに関する知識
- 使用するシステムの知識
- よくある問い合わせの内容と回答
- 個人情報の扱い等、注意事項
-
正しい言葉遣いや応対姿勢(傾聴する姿勢、クッション言葉、正しい敬語、
専門用語等)
2.座学の内容の理解度チェック
座学で教えた内容を理解しているか、確認するためのテストを行いましょう。
オペレーター自身も「何が分からないのか分からない」状態に陥りやすいので、理解度を見える化し、知識の定着に繋げます。
3.ロールプレイング
座学で教えた「よくある問い合わせの内容と回答」をトークスクリプトに落とし込み、2人1組で実務演習をします。
可能であれば、実務に使用する端末を使って行うのがベストです。
教える側は最初から最後まで演習を見守り、良かった点と改善点をフィードバックしましょう。
また、この段階でクレーム対応の方法についても練習しておくと、オペレーターが安心して実務に臨むことができます。
4.OJT
OJT(On-the-Job Training)とは、実際の業務の中で教育する手法です。
コールセンターの場合、影響範囲が社外に及ぶので「研修中も顧客対応の品質は落とさない」のセクションで説明したポイントに留意してください。
また、OJTの間、まずは分からないことは全て質問して数をこなすフェーズから始まり、次は分からないことは自分で調べて対応するフェーズに移る、というように段階を踏むと効果的です。
研修後のフォローアップ
晴れて研修を終え、オペレーターが一人立ちすると感慨無量になります。
しかし、研修が終わったからといって放任してはいけません。
業種によっては季節性のお問い合わせもあり、コールセンター業務に慣れるまで1年以上の時間を要するケースもあります。
引用:コールセンターで一人前になれたと感じる時期は? | CC PLUS 2019/03/25時点
研修を通してオペレーターの特徴が見えてくるはずですので、それに合わせたフォローアップを行いましょう。
先輩から見て問題ないように思えるオペレーターでも、本人は悩みを抱えている場合も多いです。普段から声をかけコミュニケーションをとったり、定期的に思いを打ち明けられる場をつくったりと、工夫しましょう。
まとめ
本記事では、
- コールセンターの研修の重要性
- 研修で押さえるべきポイント
- 研修の具体的な進行方法
についてご説明しました。
コールセンターは「会社の顔」と繰り返し申し上げましたが、お客様から直接お褒めの言葉をいただけるのも、この仕事の特権です。
オペレーターの方々がやりがいをもって仕事に取り組めるよう、教える側も最大限サポートしましょう!
また、研修は、教える側のSVも普段当たり前だと思っていた業務を見直し、成長できるチャンスです。気付きを元に業務や研修プログラムをブラッシュアップするなど、研修の機会を最大限に活用してください。
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