こんにちは。「CallConnect」ライターチームです。
近年耳にするようになった「コンタクトセンター」とは、メールやチャット、SNSなどマルチな窓口を設け、顧客のニーズに幅広く対応する部署のことです。
業界内では浸透しつつある言葉ですが、まだ一般的とは言えないため、「コールセンターとの違いが分からない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では
- コンタクトセンターの意味
- コンタクトセンターとコールセンターの違い
- コンタクトセンターが注目された背景
- コンタクトセンターの運営に必要なシステム
について解説します。
”これからはコンタクトセンターの時代”と言われているため、コールセンターの運営に関わる方は、ぜひ最後までチェックしてください。
コンタクトセンターとは
冒頭でもお伝えした通り、コンタクトセンターとは、メールやチャット、SNSなどマルチな窓口で顧客対応を行う部署のことです。
コンタクトセンターは、主に以下3つの役割を担っています。
- 各窓口で連携し、シームレスな顧客対応
- 各窓口で蓄積したデータの活用
- 顧客満足度やロイヤリティの向上
多様な窓口を持ちつつ、垣根を超えて最適なソリューションを提供することで、会社全体のイメージアップにつながります。
また、各窓口が持っている情報を一元管理し、分析することで、新たな顧客ニーズを見出すことも可能です。見込み客にアウトコールしたり、マーケティング部と連携したりすれば、収益の増加も期待できます。
このように、コンタクトセンターは顧客体験の価値を高め、自社のファンを獲得することに重きを置いています。
「コンタクトセンター」と「コールセンター」の違い
コンタクトセンターもコールセンターも、企業の顔となって顧客からの問い合わせに対応するという役割は同じです。違いがあるのは、顧客との接点です。
「コールセンター」とは、顧客からの問い合わせを主に電話で対応する部署のことです。
一方、「コンタクトセンター」とは、電話以外にもメールやチャット、チャットボット、Webページ、SNS、FAXなど、複数のチャネルで問い合わせの対応をする部署を指します。
つまり、コンタクトセンターとコールセンターの違いは、”オムニチャネル化しているか否か”と言えます。「オムニチャネル」について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
コールセンターにおけるオムニチャネルとは?メリットや導入の注意点を解説 - CallConnect BLOG
しかし、企業における部署名や部門名では、明確に使い分けされていないのが実状です。コールセンターでもメールやFAXといった複数チャネルで顧客対応を行っているケースもあります。
一方、運営業界ではすでにコンタクトセンターの概念が浸透しています。コンタクトセンターの場合は、従来のコールセンターが担っていた役割に加えて、先述の通り以下3つのポイントが期待されています。
- 各窓口で連携し、シームレスな顧客対応
- 各窓口で蓄積したデータの活用
- 顧客満足度やロイヤリティの向上
コンタクトセンターの運営がうまくいけば、企業のブランドイメージを高め、顧客ロイヤリティを獲得できるため、事業戦略の中でも重要なポジションとなっています。
コンタクトセンターが注目された背景
コンタクトセンターという言葉が生まれ、注目されるようになった背景には、以下2つの理由があります。
- 通信手段の多様化
- 顧客体験の重視
以下で詳しく説明していきます。
通信手段の多様化
時代が進むにつれてメールやSNSなど通信手段が多様化し、顧客も電話以外のツールを使用する頻度が増えています。下表は、20~60代の男女300名に対してメールやメッセージアプリを使用することで、電話の使用頻度が変化したかを聞いたアンケート結果です。電話の回数が減ったと答えた人は、全体の半数以上でした。
出典:電話恐怖症に関する意識調査、セゾン自動車火災保険株式会社、2020年3月こうした通信手段の多様化を受け、従来電話中心だった企業の窓口にも、各ツールを上手く活用して顧客のライフスタイルに適応することが求められています。結果的に、「コール」に限定せず、広く「コンタクト」できる窓口という意味で、「コンタクトセンター」という言葉が生まれました。
顧客や問い合わせ内容によって選択する通信手段は変わるため、間口を広げシームレスな対応をする「オムニチャネル化」によって顧客の満足度を上げることができるのです。
顧客体験の重視
コンタクトセンターが注目される背景には、従来の”問い合わせに答える”という部分的な対応だけではなく、顧客と企業の接点全体に価値を見出す”顧客体験”が重要視されている近年の傾向があります。
顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)とは、顧客が企業の商品やサービスに関心を持った時点から始まり、情報収集や検討を経て購入、利用、アフターフォローまでの一連の体験を意味します。
ある企業では、HP上で実店舗と同じ接客ができるようにチャットボットを導入。問い合わせ内容にマッチしたきめ細やかな回答を実装し、オンライン上の顧客体験の価値を向上しました。結果として、企業の売上も増加しています。
このように、顧客体験が企業のイメージを大きく左右し、売上にも影響します。そのため、顧客の声をダイレクトに受け取るコンタクトセンターは、顧客体験に貢献する主力部署として注目を集めているのです。
コンタクトセンターの運営に必要なシステム
複数の窓口を設けるコンタクトセンターにおいて、以下3つの役割を効率的に果たすには、ITシステムの導入が欠かせません。
- 各窓口で連携し、シームレスな顧客対応
- 各窓口で蓄積したデータの活用
- 顧客満足度やロイヤリティの向上
コンタクトセンターの運営に必要なシステムは、以下の6つです。
- CTI
- CRMシステム
- PBX
- IVR(+ACD)
- SMS
- チャットボット
以下で詳しくご紹介します。
CTI
CTI(Computer Telephony Integration)とは、コンピューターと電話機、PBX(電話交換機)、FAX、モデムなどの電話系装置を統合するシステムです。「コンピューター電話統合」とも呼ばれます。
CTIを導入することで、以下のような対応が可能になります。
- ヘッドセットを接続したPCで、電話の発信・受信
- 電話番号に基づいて顧客データを蓄積・検索
- 通話内容の録音
後述する「CRMシステム」と連携させれば、問い合わせの度に顧客情報を確認したり、以前の問い合わせ内容をヒアリングしたりする工数をカットすることも可能です。
CTIには、クラウドサーバーを利用するクラウド型と、自社サーバーを利用するオンプレミス型の2種類があります。
導入コストを抑えたい場合には、自社で新たにサーバーを設置したりシステムを開発したりする必要のないクラウド型CTIがおすすめです。逆に、コストがかかっても、自社に特化した機能をカスタマイズしたい場合は、オンプレミス型CTIを選択すると良いでしょう。
CRMシステム
CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客情報や顧客の応対履歴をデータとして蓄積・管理することを言います。そのために使われるシステムを「CRMシステム」と言い、「顧客管理システム」とも呼ばれます。
CRMシステムを導入すれば、顧客にまつわる情報を一元管理できるので、複数窓口を持つコンタクトセンターでもチャネルを超えてシームレスな対応が可能になります。また、蓄積された顧客データは、営業活動やマーケティング戦略にも生かすことができます。
PBX
PBX(Private Branch eXchange)とは、電話の外線と内線、内線同士を接続させるための交換機のことです。「電話交換機」とも呼ばれます。
PBXを導入することで、以下のような対応が可能になります。
- 電話回線数以上の外線に対応
- 受信した通話をルールに則って内線につなぐ
例:代表番号にかかってきた電話は、特定の部署につなぐ
- 内線同士をつなぐ
後述する「IVR」と連携すれば、顧客に選択肢番号をダイヤルしてもらうことで、次の音声ガイダンスや対応部署への取次をスムーズに行うことができます。
近年では、オフィスにPBX本体を設置する必要がないクラウドPBXも登場し、手軽に導入できるようになりました。
参考:PBX(構内交換機)とは?種類や導入によるメリットを徹底解説!
IVR(+ACD)
IVR(Interactive Voice Response)とは、顧客が選択肢番号を入力することで入電を振り分けたり、事前に用意した自動音声ガイダンスがオペレーターに変わって一次対応をしてくれたりする機能です。「自動音声応答機能」とも呼ばれます。
IVRを導入することで以下のような対応が可能になり、オペレーター人手不足や業務の効率化に有効です。
- 自動音声による24時間対応
- 顧客が入力した番号(会員番号や入電理由など)の記録
- 各窓口への取次
また、IVRの事前設定をする際には、「ACD(Automatic Call Distributor)」を利用するケースが多いです。ACDは「着信呼自動分配装置」と呼ばれ、事前設定したルールに則って着信を管理・運用するシステムです。
ACDの設定により、待ち呼が多い時に「電話が大変込み合っています。お急ぎの方はWebでもお手続きが可能です」といったアナウンスを流したり、待機時間が長いオペレーターへ優先して入電させたりできます。
参考:コールセンターにIVRは必要?導入のメリットやポイントをご紹介
SMS
SMS(Short Message Service)とは、携帯電話の番号に対してテキストメッセージを送る機能です。1回に送信できる文字数は少ないですが、その分低コストで運用できるというメリットがあります。
複数の窓口を持つコンタクトセンターでも問い合わせが電話に集中する場合には、SMSで他のチャネルへ誘導したり、解決方法をメッセージとして送信したりすることで、混雑状況を解消できます。
チャットボット
チャットボットとは、Webサービスの中で自動的に会話を行うチャットプログラムのことです。よくある問い合わせとその回答を事前に組み込んでおくことで、ロボットによる24時間の顧客対応が可能になります。
複雑な問い合わせの場合には、チャットボットから有人チャットに接続して、オペレーターが直接対応することも可能です。
近年では、以下のように電話に苦手意識を持つ人も増えているため、チャットボットやチャットのように、テキストベースで迅速なやり取りができるシステムは不可欠となっています。
出典:電話恐怖症に関する意識調査、セゾン自動車火災保険株式会社、2020年3月参考:カスタマーサポートにチャット導入が進む背景とチャネル選定時の注意点とは
まとめ
時代と共に変化するコミュニケーションの形に合わせて、企業の窓口もコールセンターからコンタクトセンターへ変遷しつつあることがお分かりいただけたかと思います。
最後にこの記事の内容をまとめます。
- コンタクトセンターとは、多様な窓口を設け、顧客のニーズに幅広く対応する部署
- コンタクトセンターとコールセンターの違いは、”オムニチャネル化しているか否か”
- コンタクトセンターの役割は以下3つ
・各窓口で連携し、シームレスな顧客対応
・各窓口で蓄積したデータの活用
・顧客満足度やロイヤリティの向上 - コンタクトセンターが注目された理由は以下2つ
・通信手段の多様化
・顧客体験の重視 - コンタクトセンターの運営に必要なシステムは以下6つ
1.CTI
2.CRMシステム
3.PBX
4.IVR(+ACD)
5.SMS
6.チャットボット
ぜひコンタクトセンターの運営を成功させ、顧客との良い関係性を構築してください。
「CallConnect」は、クラウド型のコールセンターシステムです。
CTI やCRM、PBX、IVRといった機能が一つのシステムに統合されています。また、他のCRMやチャットツールとの連携も可能で、手軽にコンタクトセンターの体制を構築できます。
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