こんにちは。「CallConnect」ライターチームです。
コールセンターを運営するにはさまざまなシステムを活用する必要があり、その中で最も重要なシステムがPBX(構内交換機)です。
しかし、コールセンターで働いていてもPBXが何なのかわからないという方も多いのではないでしょうか?
これからコールセンターでキャリアを積みたいと考えている方、または現役の管理者は、システムがどのように機能して運営を支えているのかしっかりと理解しなくてはなりません。
そこで今回は、PBXの概要や機能、主流となっているPBXの種類、導入するメリットなどを解説します。
PBXの特徴を掴み、自社の運営に役立てましょう。
PBX(構内交換機)とは?
PBX(Private Branch Exchange)は、構内交換機とよばれる電話回線の交換機です。
内線と外線を制御することができ、コールセンターをはじめとするオフィス業務で広く活用されています。
顧客からの電話に対応する「外線から内線」、社内から顧客に連絡する「内線から外線」、社内連絡網としての「内線から内線」など、電話業務を制御するシステムです。
現在のコールセンター運営において必要不可欠なシステムとなっており、『コールセンター白書2021』によると、「導入・検討したクラウドソリューション」について聞いたアンケート結果にも色濃く反映しています。
出典:月刊コールセンタージャパン編集部/『コールセンター白書2021』/株式会社リックテレコム/東京/2020.10.26/P95
コールセンター業界では、システムを「クラウド化」するニーズが高まっており、PBXなど運営の要となるシステムについて見直しが行われている最中です。
新型コロナウイルスの影響に端を発したテレワークの拡大や、チャットボットによる無人対応ニーズの拡がりを背景に、拡張性の高いクラウド型システムへの移行は今後も続くと予想されます。
PBXの機能
PBXは電話回線の交換機としての役割を持っており、具体的には以下のような機能があります。
外線電話の発着信
外線からかかってきた電話は、一度PBXを通して電話機へつながります。
代表番号への着信であれば、受信できるように設定した電話機すべてで着信が可能です。これによって顧客からの電話を取りこぼすことが少なくなるため、機会の損失を防げます。
また、外線へかける際はPBXを経由することにより、代表番号を相手に表示することが可能です。
見知らぬ番号からの着信は取らないという顧客も多いため、窓口の代表番号を表示させることは、顧客とのスムーズなやり取りを実現するうえでとても重要です。
内線同士の発着信
PBXでつないだ電話機同士であれば、内線電話を簡単に行うことができます。
PBXを経由しない内線電話は外線扱いとなってしまうため、かければかけるほど通話料金がかかりますが、PBXを介していれば通話料金は発生しません。
全国に拠点を置いているような企業の場合、PBXを活用していなければ連絡を取り合うだけで莫大なコストになってしまいます。
本社とは別に複数の拠点を展開しているコールセンターも多いことから、拠点間をつなぐ連絡網として重宝する機能です。
転送・保留機能
PBXには転送や保留などの電話対応に欠かすことのできない機能も備わっています。
コールセンターでは、外線からの着信を別の担当者に内線で転送するというケースが多々ありますが、これもPBXによって電話機が紐づけられているからできることです。
また、保留中の通話を着信した電話機以外でも呼び出すことができるパーク保留という機能もあります。
つまり、電話機Aで着信し保留した通話を、電話機Bで保留解除できるということです。これにより、離れた場所にいても通話可能となるため、業務効率の改善が見込めます。
PBXの種類
現在主流となっているPBXには、「オンプレミス型」と「クラウド型」があります。
それぞれどのような特徴があるのか見ていきましょう。
オンプレミス型PBX
オンプレミス型は、自社でPBXサーバーを購入し、保有・管理・運用していく形式のものです。
自社内でサーバーを設置、管理できるため、事業内容にあわせた柔軟なカスタムが可能です。
サーバーを自社で保有することから、席数に応じたラインセス利用料を支払う必要がなく、月々のランニングコストを抑えられます。
しかし、専用サーバーの購入や設置などに数百万円~数千万円の初期コストが必要となる、サーバーを管理できる人材を確保しなければならない、などの課題もあります。
クラウド型PBX
クラウド型PBXは、PBXの機能をクラウド上で活用する形式のものです。
インターネット回線さえあればすぐにサービスを利用でき、その利便性の高さから多くの企業で導入が進んでいます。
クラウド型PBXのサービスを提供する事業者がサーバーの保守点検やアップデートをしてくれるため、特別な知識がなくても安心して利用できます。
しかし、席数ごとにライセンスを購入する必要がある、インターネット回線の状況によっては音質が下がる恐れがある、などの点が導入における課題です。
とはいえ、席数の急な変更や機能の追加などにも柔軟に対応でき、初期コストも数十万円ほどに抑えられることから、オンプレミス型よりも注目度が高くなっています。
クラウド型PBXを導入するメリット
クラウド型PBXには多くのメリットがあります。
これからPBXを導入しようと検討している担当者の方はぜひ参考にしてください。
導入コストを抑えられる
クラウド型はオンプレミス型のようにサーバーを独自で購入する必要がないため、導入にかかるコストを抑えられます。
特にコールセンターを新規で立ち上げる際は、PBXなどのシステム面だけでなく、パソコンや電話機をはじめとする備品、オペレーターを採用するための人件費が必要です。
初期投資の失敗はのちの運営を左右するため、リスクヘッジの観点からも有用だといえます。
導入までの期間が短い
クラウド型PBXはインターネット回線とパソコン、電話機さえあればすぐに導入できます。
オンプレミス型の場合、サーバーの設計や検証に多大なる時間を必要とするため、導入するまでの期間が長くなりがちです。場合によっては、導入までに数カ月以上かかることもあります。
導入までの期間を短くし工数を減らすことで、ほかの業務に注力できるのは嬉しいポイントです。
テレワークの促進に有効
クラウド型PBXはインターネット回線とパソコンなどの備品があればすぐに利用できるため、テレワーク環境にも柔軟に対応できます。
もちろん、個人情報の取り扱いやエスカレーション対応時のフローなど、整備しなければならない課題は山積みです。しかし、近年の働き方における多様化も相まって、テレワーク需要は今後も継続して伸びていくと予想されています。
コールセンターにおける新しい働き方への道筋として、クラウド型サービスの活用は大きな意味を持っています。
参考:進むコールセンターの在宅勤務。オペレーターケアのポイントは?
BCP対策になる
BCP対策とは、災害などが発生した際に企業が被る損害を抑え、事業の継続・復旧をはかることです。
東日本大震災以降、BCP対策の重要性がささやかれるようになり、近年ではコールセンターだけでなく、多くの企業で取り組みを進めています。
クラウド型PBXの活用により、重要なデータはすべてクラウド上に保管できるため消失しません。また、テレワーク化が進んでいれば、オフィスが被災した場合でも事業継続できます。
事業の継続は企業にとって最重要事項ですから、BCP対策をまだ実施していないのであれば、クラウド型のサービスを検討してみてはいかがでしょうか。
おわりに
PBXはコールセンターの運営を支える屋台骨ともいえるシステムです。
コールセンターの立ち上げや設備の変更を検討している方は、サービスごとの違いをしっかりと確認し、自社の業務にふさわしい製品を導入できるよう検討してみてください。
「CallConnect」は、クラウドPBXの機能を持ったコールセンターシステムです。
テレワークに対応し、1ライセンス2,400円からと導入のコストを抑えることができます。
「クラウドPBXを手軽に導入したい」という方は、無料トライアルをお試しください。
(参考文献)
- 「コールセンター白書2021」
月刊コールセンタージャパン編集部/株式会社リックテレコム/2021.10.26