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2022.01.27
コールセンターの質が上がる傾聴力とは?高め方のコツを解説

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こんにちは。「CallConnect」ライターチームです。

コールセンターのオペレーターにとって、ヒアリングスキルは電話応対の基本中の基本です。単に聞いていれば良いのではなく、会話のキャッチボールをしながら、お客様のご要望やお困りごとの内容を正確に聞き取る必要があります。聞き取った内容を元に、的確かつ迅速に解決へと導くためには、聴く力を高める努力が欠かせません。

今回は、コールセンターの応対品質を向上させる「傾聴力」をテーマにします。

そもそも傾聴力とは何なのか、傾聴力を高めるメリット、傾聴力の3つの段階、傾聴力の高め方のコツについて、基礎から応用まで具体例を挙げながらわかりやすく解説します。

傾聴力とは

傾聴力とは、心理学用語で、相手の話を注意深く集中して「聴く」スキルのことです。
「聞く」は、耳から音が聞こえる状態のときに使われますが、「聴く」は音を集中して聴く際に使われることが多く、「聴」の漢字には、「耳」「目」「心」が入っているように、耳と目と心で聴くという意味があります。
つまり、相手の気持ちに心を寄り添わせながら、じっくりと耳を傾けて話を聴くスキルが傾聴力だということです。

もともとは、カウンセリングや医療・福祉・介護の現場などで用いられるコミュニケーションスキルのひとつでしたが、近年ではコールセンターをはじめとしたビジネスシーンでも積極的に使われています。

傾聴力を高めるメリット

コールセンターの応対品質を向上させるために、傾聴力を高めると大きなメリットがあります。

お客様の状況を正確に把握できる

傾聴力を高めると、言葉の表面的な情報だけではなく、お客様がどのような状況で何にお困りか、背景や立場といったところまでイメージしながらお話を聴くことができるようになります。耳だけで聴くのではなく、情景を思い浮かべながら「目で聴く」の実践が可能になるのです。

お客様と良好な信頼関係を築ける

傾聴力が高まると、お客様からの信頼を得やすくなります。「この人は、自分の話を遮らず最後まできちんと聴いてくれて、意図や気持ちをよく理解してくれる」と思ってもらえたら、お客様との良好な信頼関係が築けます。

傾聴には3つの段階がある

ひと口に傾聴と言っても、コールセンターで受電したお電話の内容やプロセスによって、押さえるべきポイントやコツが異なります。傾聴には、大きく分けて次の3つの段階があります。

<第1段階>
 受動的な傾聴…相手の話をひたすら聴く

まず、第1段階は受動的な傾聴です。コールセンターにお電話が繋がってすぐの第一声は、明るい声で挨拶からスタート。
繋がるまでに長らくお待たせした場合は、「大変お待たせいたしました」など心を込めたお詫びの一言を添えて会話を始めましょう。表情は見えず、ジェスチャーを使うこともできませんが、お辞儀をしながら話している真摯な姿勢は、電話越しにも伝わるものです。
受動的な傾聴では、お客様の話を途中で遮らず最後まで聴くのがポイントとなります。

ただし、コールセンターにお電話をかけてこられるお客様は、ご自分からお困りの状況やご要望を的確に順序だてて説明できる方ばかりではありません。「わからないことがわからない」といった状態の方もいらっしゃいます。そのような場合には、じっと待っているだけでは話が進みません。「本日は、いかがされましたか?」といったお声かけをしながら、お客様の話を上手に引き出しましょう。

<第2段階>
 反射的な傾聴…聴いた内容を相手に伝え返す

次に、第2段階は反射的な傾聴です。お客様にお話しいただき、一通りのことをヒアリングできたら、お聴きした内容を相手に伝え返すのがポイントとなります。

例えば、パソコンの操作トラブルでお困りのお客様が「パソコンの画面が真っ黒になって動かなくなって…」と話されたら、「画面が真っ黒になってしまったんですね」といったように、重要なキーワードをそのままオウム返ししたり、要約して復唱したりします。会話を続ける中で、「それはお困りですね」などお客様の気持ちに寄り添う言葉を添えるのも効果的です。
「あなたの話をしっかり聴いていますよ」とお客様に伝えるのです。そうすることでお客様は安心し、オペレーターへの信頼度が高まります。

<第3段階>
 積極的な傾聴…一歩踏み込んで掘り下げる

最後に、第3段階は積極的な傾聴です。オペレーターから質問を投げかけながら、さらに詳しく掘り下げてヒアリングし、解決へと導きます。
第1段階でしっかり最後までお話を聴き、第2段階で内容を伝え返して確認ができていれば、お客様はオペレーターの話を聴く態勢ができているはずです。

例えば、トラブルが発生した時系列やエラーメッセージの番号など、お問い合わせ内容に回答するための手掛かりや解決のヒントとなる情報を追加でヒアリングする、といった一歩踏み込んだ質問力も必要となります。

 

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傾聴の3段階

傾聴力を高めるコツ

【傾聴の基礎】初級編

①最後まで聴く

「受動的な傾聴」の項目でも触れましたが、お客様の話を途中で遮らず最後まで聴くのが、傾聴の基本であり、重要なポイントです。

オペレーターにとっては聞き慣れた、よくある問い合わせ事例で回答がすぐに浮かんでいたとしても、話を最後まで聴かないうちから「そのような場合は…」などと、いきなり回答しようとするのはNGです。話を遮った挙句、早合点で誤った案内をしてしまい二次クレームに発展する、などのリスクもあり得ますので気をつけましょう。

②相槌を打つ

お客様の話をいくら真剣にお聴きしていても、無言で頷いているだけでは伝わりません。また、相槌として「はい」を繰り返すだけでは、「この人、私の話を本当に聞いてくれているのかな?」「ちゃんと伝わってるのかしら?」とお客様を不安にさせてしまいます。

「さようでございましたか」「なるほど」といった相槌のバリエーションを増やすことで、単調にならない工夫が大切です。

③復唱する

「反射的な傾聴」の項目でお伝えした内容と重なりますが、お客様の話の中で重要なキーワードをオウム返しや要約で伝え返すことで、しっかり聴いている姿勢が自然と伝わります。復唱する際には、お急ぎのお客様にダラダラと全部復唱してイライラさせるといったことがないよう、要点を整理してポイントのみ復唱するなど、お客様に応じた臨機応変な対応に努めましょう。

【傾聴の応用①】中級編

傾聴力を高めるには、復唱する際の効果的な表現を身につけるのが近道です。
良くない復唱例と良い復唱例を挙げながら解説します。

効果的な復唱で傾聴力UP

*良くない復唱例

「つまり、▲▲ということでしょうか?」

この表現は、一見お客様の言葉を復唱しているようで、実は「聞き返し」になってしまっています。「だから、さっきからずっとそう言ってるでしょ!」と、お客様がお怒りになるケースも考えられます。しっかりと受け止めて聴いている姿勢を伝えるには、疑問のニュアンスが含まれるような表現は避けるのが無難です。

*良い復唱例

「▲▲ということでございますね?」

ちょっとした語尾の違いですが、こちらの方が「ちゃんとわかってもらえている」という印象が強まるため、意識して使いこなせるようにしておくことをおすすめします。

【傾聴の応用②】上級編

傾聴力をさらに高めるには、復唱だけではなく質問のスキルも大切なポイントとなります。効果的な質問例を紹介します。

質問力を駆使して傾聴力UP

「カタログの表紙の右下に書かれている、4桁の数字を教えていただけますか?」
「何月頃に届いたメールでしょうか?」
「何色のボタンを押されましたか?」

など、お客様の問い合わせ内容を絞り込む際に必要な情報を得るために、お客様が答えやすいような質問をするのがポイントとなります。
また、「黄色ですか? 青色ですか?」など、あらかじめ回答の選択肢をこちらで用意して質問するのも効果的です。

関連記事:真の解約理由を聞き出す方法とは?

まとめ

今回は、「傾聴力」をテーマに、傾聴力の3つの段階、傾聴力の高め方のコツについてお伝えしました。傾聴力はコールセンター業務において基本中の基本ですが、たいへん奥の深いスキルでもあります。
オペレーターの傾聴力が高まると、コールセンター全体の応対品質の向上に繋がります。
より良いコールセンター運営の参考にしてください。

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