こんにちは。「CallConnect 」ライターチームです。
近年、顧客体験(カスタマーエクスペリエンス、CX)の質を向上させる戦略のひとつとして注目されているオムニチャネル。顧客との接点であるコールセンターにも、その波は押し寄せています。しかし、オムニチャネルの内容や、具体的な方策がピンとこなくて困っている管理者の方も多いのではないでしょうか?
この記事では、コールセンターにおけるオムニチャネルの概念や導入の注意点等について解説します。お客様の期待値を超え、感動体験を実現するために、ぜひ最後までチェックしてください。
コールセンターにおけるオムニチャネル
オムニチャネルとは、一言でいうと「企業とユーザーの接点(チャネル)が連携し、総合的にユーザーにアプローチする戦略」です。
販売店においては、この「接点」が、リアル店舗やオンラインショップなどの販路を指しますが、コールセンターにおける「接点」は問い合わせ窓口です。下の図のように、電話、メール、チャット、LINEなど、多岐に渡る問い合わせ窓口で情報を統合し、どこから問い合わせても一貫性のある対応を提供できる体制を示しています。
「マルチチャネル」や「クロスチャネル」といった言葉と混合しがちですが、これらはユーザーに対して複数の窓口が用意されていることを意味しています(クロスチャネルは、顧客や在庫のデータのみ連携)。つまり、窓口同士で情報が共有されておらず、メールで問い合わせたことを電話窓口のオペレーターに話しても、内容を把握していないといった不便さがありました。
一方、オムニチャネルには、情報を共有して窓口の垣根を超えたシームレスな顧客体験を提供する、という点がプラスされています。マルチチャネルやクロスチャネルでの課題を解消する、進化系の戦略と言えるでしょう。
コールセンターがオムニチャネル化するメリット
情報通信技術の進化により、AIチャットボットや有人チャット、LINEの活用など、ユーザーがより手軽に使用できるチャネルが広がっています。そんな中、コールセンターでオムニチャネル化を推進するメリットは、主に以下の2点です。
- 顧客満足度の向上
- 業務の効率化
以下で詳しく説明します。
顧客満足度の向上
顧客体験の質を向上し、満足度を上げるのは、オムニチャネルの最大の目的です。
複数のチャネルに分かれていても、お客様にとって、問い合わせているのはひとつの企業。そして、その窓口を担っているのがコールセンターです。各チャネルの情報を統合し、お客様に最適なソリューションを提供することで、会社全体のイメージアップにつながります。
また、コールセンターのオムニチャネル化は、顧客ニーズを可視化する点でも有効です。各窓口がもっている情報を一元管理し、分析することで、お客様が求めているものが見えてきます。お客様の声を企業の取り組みに反映すれば、顧客ロイヤルティを向上させることも可能です。
カスタマーサポートの質は会社の印象を左右するため、コールセンターのオムニチャネル化が担う役割は大きいと言えます。
業務の効率化
オムニチャネル化で情報が一元管理されるようになると、オペレーター業務の効率もアップします。
チャネルごとに情報管理が独立していると、お客様と話がかみ合わなかったり、履歴の確認でお客様をお待たせしてしまったりと、スムーズに対応ができません。常に迅速で的確な回答が求められるコールセンターにとって、見逃せない問題です。
オムニチャネルによって複数チャネルから得たお客様の声や対応履歴を統合的に確認できれば、より短時間で解決に導くことができ、対応時間の短縮につながります。この点は、クレーム対応においても非常に重要です。温度感の上がっているお客様の場合、過去の経緯をしっかり把握して対応にあたる必要があります。
オムニチャネルが実現すれば、別のオペレーターと話した内容について、「それはさっき話しただろう!」と怒鳴られるといった事態を回避でき、対応者のストレスも減ります。また、お客様の情報を素早く理解し、寄り添った対応ができれば、会社のファンになってもらうことも可能なのです。
さらに、無人対応のチャネルの利便性が上がれば、オペレーターの業務負担軽減も期待できます。すでに多くのコールセンターにおいて、IVR(自動応答システム)やチャットボットが導入されています。
コールセンターのオムニチャネル化に伴う注意点
実際にコールセンターのオムニチャネル化を進めるにあたり、注意すべきポイントは以下の2点です。
- 導入コスト
- 各チャネルの最適化
以下で詳しく見ていきましょう。
導入コスト
オムニチャネル化には、金銭的にも時間的にもコストを要します。特に、すでに電話、メール、チャットといったチャネル別に独立したCRM(顧客関係管理)を使用しているコールセンターの場合、大規模なシステム変更が必要です。また、システムの構築だけではなく、データの移行や、オペレーターの研修なども行う必要があるので、繁忙期を避けたスケジュールを立てなければいけません。
そんなオムニチャネル化を成功させるために、以下のポイントを押さえて導入を進めましょう。
- 最終的に目指す体制の明確化
- 導入スケジュール
- 予算に合ったシステムの選択
- チャネル導線の全体設計
- 統合したデータの整理、活用方法
- オペレーターへの周知
CTI(Computer Telephony Integration)と呼ばれるコンピューターと電話の統合や、クラウド型のコールセンターシステムを使えば、導入の手間を削減することも可能です。積極的に活用しましょう。
各チャネルの最適化
チャネルそれぞれについて、必要なコンテンツが揃っているか、利便性はあるかといった視点で最適化を怠らないようにしましょう。いくら窓口で受け付けた情報を統合したとしても、チャットボットやFAQサイトなど、チャネル自体のコンテンツ力がなければお客様の課題は解決できません。
また、電話以外のチャネルが広がる一方で、そのチャネルでの対応の実態は、電話ほど成熟していないコールセンターが多いです。チャットボットのように自動化されたチャネルでも、場当たり的な対応に終始すれば、顧客満足度は下がってしまいます。どのチャネルにおいても、顧客体験に重きをおいたマネジメント体制を確立し、最適な対応を行いましょう。
参考:コールセンター運営をより豊かにする!チャネルごとのメリット・デメリット
まとめ
最後にこの記事の内容をまとめると、以下の通りです。
- オムニチャネルとは、「企業とユーザーの接点(チャネル)が連携し、総合的にユーザーにアプローチする戦略」
- 「マルチチャネル」や「クロスチャネル」との違いは、情報を共有して窓口の垣根を超えたシームレスな顧客体験を提供する点
- コールセンターがオムニチャネル化するメリットは、以下2点
・顧客満足度の向上
・業務の効率化 - オムニチャネル化を成功させるために、以下の6点を押さえる
・最終的に目指す体制の明確化
・導入スケジュール
・予算に合ったシステムの選択
・チャネル導線の全体設計
・統合したデータの整理、活用方法
・オペレーターへの周知 - コールセンターのオムニチャネル化に伴う注意点は、以下2点
・導入コスト
・各チャネルの最適化
オムニチャネル化を成功させ、ぜひ貴社のファンを増やしてください。
「CallConnect」は、クラウド型のコールセンターシステムです。
Zendesk などのメールサポートツールや、Salesforceなどの顧客管理ツールと情報を共有し、オムニチャネルでのコールセンター対応を可能にします。
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