こんにちは。「CallConnect」ライターチームです。
コールセンターを運営する上で欠かせないのが電話番号です。立ち上げの際はもちろん、運営コスト削減のために電話番号の取得・変更を検討中の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、コールセンターでよく使用される以下4タイプの電話番号について、概要や取得方法、メリット・デメリットを解説します。
- 市外局番からはじまる固定電話
- 「050」からはじまるIP電話
- 「0120」からはじまるフリーダイヤル
- 「0570」からはじまるナビダイヤル
各電話番号の特徴を理解した上で、自社のコールセンターに合った電話番号を利用しましょう。
市外局番からはじまる固定電話
東京23区の市外局番「03」などから始まる電話番号は、固定電話(NTT加入電話)や光回線、ケーブルテレビなどの電話に使用されています。
市外局番から始まる電話番号の構成には、以下のルールがあります。
- 「0A – BCDE – FGHJ」という順序で構成
- 先頭の「0」は、国内通話であることを表す
- 「0A – BCDE」で市外局番・市内局番を表す
(市外局番と市内局番は、原則合わせて5桁まで。市外局番の数字は、北から南に離れるにつれ大きくなる) - 「FGHJ」は、電話会社によって割り振られる加入者番号を表す
こうした構成ルールから、市外局番で始まる電話番号を「0AB-J番号」と呼びます。「Hの次はIでは?」と思うかもしれませんが、「I」は数字の「1」と混同する恐れがあるため排除された背景があります。
市外局番からはじまる固定電話番号の取得方法
市外局番からはじまる固定電話番号の取得方法は、主に以下5つです。
- NTT加入電話に申し込む
- 光IP電話に申し込む
- クラウドPBXを利用する
- 03転送電話サービスを利用する
- 電話代行サービスを利用する
以下で詳しく説明します。
NTT加入電話に申し込む
「NTT加入電話」とは、NTT東日本とNTT西日本が提供している、有線電話サービスです。
電話、またはWebサイトから申し込むことができます。
回線には、アナログとデジタルの2種類があります。
アナログ回線は、1本の電話回線で同時に通話できるのは1件のみ。家庭用の電話回線として、広く普及しています。一方、デジタル回線は、1本の電話回線で同時に2通話まで利用可能。電話とFAXを別々の番号で利用できるため、ビジネスにも適しています。
いずれの場合も、電柱や交換機などの設備を設置するための費用が発生し、初期費用が4万円ほどかかります。
初期費用を抑えたい場合は、月々の料金だけで利用できる「ライトプラン」を利用することも可能ですが、使用料金は少し割高に設定されています。
より詳しく知りたい方は、以下のサイトを参考にしてください。
光IP電話に申し込む
光IP電話とは、回線に光ファイバーを利用した、IP電話の一種です。「0AB-J IP電話」とも呼ばれ、電話番号は市外局番から始まります。
電話、またはWebサイトから申し込むことができます。
NTT加入電話と比べると、基本料や通話料は安価です。また、アナログ回線から光IP電話に切り替える場合でも、電話番号をそのまま引き継げるというメリットもあります。
一方、光IP電話を利用するには、光回線の契約が必須なので、以下のような点に注意が必要です。
・光回線の工事に1か月~2か月ほど要する
・物件によっては工事のために壁に穴を開ける必要があるため、利用できない場合がある
・光回線の利用に必要なルーターのレンタル費用が発生する
・エリアによってはサービス対象外の可能性がある
クラウドPBXを利用する
クラウドPBXとは、インターネット回線を経由して内線・外線・転送などビジネスフォンの機能を利用できるサービスです。
電話、またはクラウドPBXを提供しているベンダーのサイトから申し込むことができます。
従来、ビジネスフォンを利用するには、自社にPBX(電話交換機)を設置する必要がありました。しかし、クラウドPBXであれば、ネットに接続することで利用できるため、設備を設置するコストがかかりません。
ただし、事業者によっては、050番号しか使えないところもあるので注意が必要です。
光IP電話と同じように、光ファイバー網を利用した通信事業者を選べば、市外局番から始まる電話番号を取得できます。
03転送電話サービスを利用する
03転送電話サービスとは、市外局番からはじまる電話番号を借りたり、03からはじまる電話番号にかかってきた電話を、指定の携帯電話や固定電話などに自動転送したりするサービスです。
電話、またはサービスを提供しているベンダーのサイトから申し込むことができます。
月額料金も数千円と低コストのため、起業したばかりの人に向いているでしょう。
ただし、転送サービスの悪用が増えたことにより、2018年に総務省がルールを厳格化しています。サービスの内容や申込者の本人確認方法などは、申し込み前にベンダーのサイト上でよく確認するようにしましょう。
電話代行サービスを利用する
電話代行サービスとは、電話のやり取りを代行してくれるサービスです。業者によっては、電話番号を持っていない企業でも代行ができるよう、電話番号の貸出を行っています。
電話、またはサービスを提供している業者のサイトから申し込むことが可能です。
企業規模が小さく、電話対応が原因で本業に専念できない場合は、電話番号の取得と電話対応をまとめて依頼してしまったほうが効率的なケースもあります。
対応する電話の件数によって料金プランが設定されていることが多いので、問い合わせの量を把握した上で費用対効果を検討しましょう。
参考:コールセンター代行を活用するメリット・デメリットを徹底解説
市外局番からはじまる固定電話のメリット・デメリット
市外局番からはじまる固定電話(主にNTT加入電話)には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
デメリットである「初期費用の高さ」や「遠距離通話料の高さ」については、クラウドPBXなどを利用することで克服できます。ただし、ベンダーによっては、110や119などの緊急通報ができないことや、会社の住所に該当する市外局番を提供していない場合もあるので注意が必要です。
「050」からはじまるIP電話
「050」から始まる電話番号は、インターネット回線を使用しているIP電話です。
インターネット接続を行うプロバイダーから提供されており、IP電話機、IP電話アプリをダウンロードしたスマートフォンなどで利用します。
総務省により、2025年1月までにアナログ電話を廃止し、IP電話網に完全移行することが発表されました。IP電話は、今後のビジネス用電話の主流となっていくでしょう。
IP電話番号の取得方法
IP電話番号を取得するには、サービスを提供する業者に電話やネット経由で申し込みを行います。NTT加入電話や光IP電話のように物理的な設備は不要なので、手続きの手間が少なく、短期間で導入できるのが特徴です。
近年では、様々な業者が提供しているため、自社に合ったサービスを選択するようにしましょう。
IP電話のメリット・デメリット
「050」からはじまるIP電話には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
参考:IP電話とは?アナログ/クラウド電話との違いや、メリット・デメリットを解説
「0120」からはじまるフリーダイヤル
「0120」から始まる電話番号は、「フリーダイヤル」や「フリーコール」と呼ばれる電話です。ちなみに、「0120」以外にも「0800」からはじまるフリーダイヤルもあります。
このような番号に電話をかけた場合、通話料金は着信側が負担します。そのため運営側にとってコストが大きい電話番号ですが、BtoCサービスを展開している企業など、多くの着信を集めたい場合に利用されています。
フリーダイヤルの取得方法
フリーダイヤルを取得するには、電話回線を取得する必要があります。なぜなら、すでに設置されている電話回線にフリーダイヤルの回線を紐付ける形で運用されているからです。そのため、申し込み前には、NTTコミュニケーションズやKDDIといった着信課金電話サービスを提供する業者サイトの「契約条件」で、電話回線に関する詳細情報を確認しましょう。
申し込みは、電話やネット経由で行います。
申し込み後、システムの設定工事が行われ、その数日後に利用可能になるため、導入には約1週間ほどかかります。
なお、先述のクラウドPBXでも「0120」の番号を取得できる場合があります。
フリーダイヤルのメリット・デメリット
フリーダイヤルには、以下のようなメリット・デメリットがあります。
「0570」からはじまるナビダイヤル
「0570」から始まる電話番号は、「ナビダイヤル」という NTT コミュニケーションズが提供する電話の付加サービスです。
「0570」に電話をかけると、「ナビダイヤルでおつなぎします」「〇秒ごとに△円でご利用いただけます」というガイダンスが流れる通り、発信者に通話料がかかります。
「ナビダイヤル・インテリジェントサービス」では、IVR(自動音声応答システム)の機能を備えているため、効率的な電話対応が可能になります。
より詳しく知りたい方は、以下のサイトを参考にしてください。
>ナビダイヤル 0570【公式】 | NTTコミュニケーションズ 法人のお客さま
ナビダイヤルの取得方法
ナビダイヤルを取得するには、フリーダイヤル同様に、電話回線を取得する必要があります。事前にNTTコミュニケーションズのサイト上で「契約条件」を確認しておきましょう。
申し込みの際には、NTTコミュニケーションズへ電話、またはネット上で連絡を行います。通常、申し込みから1週間程度で開通します。
ナビダイヤルのメリット・デメリット
ナビダイヤルには、以下のようなメリット・デメリットがあります。
最後に
普段何気なく使っている電話番号ですが、番号の最初の部分を見るだけでどんな特徴の番号なのか分かるようになったのではないでしょうか。
新型コロナウイルスの影響による在宅勤務の広がりにより、近年ではクラウドPBXや「050」のIP電話など、ネット環境があれば使用できる電話サービスが注目されています。この機会に、コールセンターの働き方と共に、自社の電話番号についても見直してみてはいかがでしょうか。
「CallConnect」は、クラウドPBX機能を含んだコールセンターシステムです。
050番号や0120などのフリーダイヤル、機器を設置することで0AB-J番号の利用が可能です。
「電話窓口の立ち上げをスピーディに行いたい」という方は、無料トライアルをお試しください。