こんにちは。「CallConnect」ライターチームです。
コールセンターで仕事をしていると、今後のキャリアを見据えてスキルアップを目指す時期が訪れます。その時、これまでの経験や知識はもちろんですが、資格は自分の能力の証明としてとても有効です。
そこで今回は、コールセンター業務で活用できる資格の種類や取得方法、どのような場面で活用できるのかを解説します。
出世したい管理者やスキルアップしたいオペレーターに役立つ資格を紹介しますので、ぜひ取得を検討してみてください。
資格取得のメリット
コールセンターで働く場合、一部の特殊な業務を担わないのであれば、資格取得は必須ではありません。
しかし、資格を取得することで得られるメリットもあります。
キャリアアップ
今後のキャリアアップを目指す際、実務能力も大切ですが、有用な資格を持ち合わせていることも昇進を後押しする武器になります。
例えば、能力や資質が似たふたりの人材がいた場合、業務に関する or 業務に活用できる資格を持っている人材を昇進させたいと思うのは、企業として当然のことです。
今後のキャリアプランをしっかりと見据えて昇進を目指すのであれば、資格は自身の能力をアピールする資料として最適といえます。
スキルアップ
業務効率の改善を目指すうえで、資格取得はとても有効です。
お客様に対して適切な方法で説明や回答ができるようになれば、応対時間の短縮や応対件数の増加など、自らのスキルアップを肌で感じられるようになるでしょう。
給与アップ
所属する企業や業務内容によりますが、資格を持っていることで、給与が上がりやすくなる可能性があります。
業務効率が極めて良い、特殊な専門知識がある、などのスキルを持ったオペレーターを企業側としても逃がしたくありません。そのため、離職防止の観点から給与アップを検討するわけです。
すべてのコールセンターで給与アップが望めるとはいえませんが、少なくとも、優れたオペレーターに対して給与アップを行う企業が多いのは間違いありません。
取得する資格を選ぶときの基準
取得する資格を選ぶ基準として、まずはコールセンター業務でオペレーターに求められているスキルと、コールセンターの設立目的を把握しておく必要があります。
「コールセンター白書2020」によると、コールセンター業務でオペレーターに求めたいスキルを聞いたアンケート結果は下記のようになっています。
参考:月刊コールセンタージャパン編集部/『コールセンター白書2020』/株式会社リックテレコム/東京/2020.10.16/P71この結果から、「対話マナー等のコミュニケーション(ホスピタリティ)」、「専門知識」、「問題解決力」が上位を占めていることがわかります。
また、コールセンターの設立目的を質問したアンケートも存在し、そちらでは以下の結果が出ています。
参考:月刊コールセンタージャパン編集部/『コールセンター白書2020』/株式会社リックテレコム/東京/2020.10.16/P51顧客満足度の向上や顧客サポート業務の効率化など、顧客とのコミュニケーションに関わる部分が上位を占めています。
これらのアンケート結果から、オペレーターに求めたいスキルとは、すなわちコールセンターの設立目的を達成するために必要不可欠な要素を指しています。
これらを踏まえたうえで、資格取得を検討する際は、コールセンター業務で必要となるスキルを養えるものから選ぶ必要があります。
おすすめの資格
コールセンター業務で活用できる資格をご紹介します。
現在の業務内容と照らし合わせ、必要な資格の取得を検討してみてください。
コンタクトセンター検定
コンタクトセンター検定は通称「コン検」と呼ばれ、コールセンター業界ではメジャーといえます。
コールセンターにおける応対スキルやマネジメントスキルなど、自らの能力を証明するために受験する方が多い資格です。
こちらの資格は、コールセンターで働きはじめたばかりのオペレーターからSVなどの管理職まで、さまざまなレベルに合わせて科目が設けられています。
「オペレーションレベル」「プロフェッショナルレベル」の大きく2つに大別され、そこからさらに細かく分類されます。
【オペレーションレベル】
エントリー資格(EN)
オペレーター資格(OP)
スーパーバイザー資格(SV)
【プロフェッショナルレベル】
オペレーションマネジメント資格(OMP)
コンタクトセンターアーキテクチャ資格(CAP)
各科目の受験にあたって実務経験などは不問となっておりますが、プロフェッショナルレベルになるとコールセンターの実務経験が5年以上ある人を対象としていることから、合格には徹底した試験勉強が必要です。
コールセンターでスキルを磨く、キャリアアップを目指す、などの目標がある場合は、受験しておきたい資格だといえるでしょう。
CSスペシャリスト検定
CSスペシャリスト検定は、CS(Customer Satisfaction:顧客満足度)の実現を目的に、CS理論やCS実務の修得度を測る資格です。
顧客対応レベルを確かめるのに有効な資格とされており、営業や接客業で活用できるスキルを学べることから、コールセンター以外の職種の受験者も多いのが特徴です。
ベーシック、プロフェッショナル、スペシャリストという3つのレベル体系があり、それぞれのレベルを受験する際の実務経験などによる制限は設けられていません。
自分のCSスキルがどの程度なのか知りたいという方は、ぜひ受験してみるとよいでしょう。
電話応対技能検定
電話応対技能検定は、「もしもし検定」とも呼ばれており、電話対応の基礎や管理者などの指導者育成を目的とした資格です。
電話対応の知識だけでなく、一般的なコミュニケーションに必要なスキルやビジネスマナーもあわせて勉強できるため、社会人経験の乏しい方にもおすすめです。
1級の取得かつ指導者歴が5年以上必要となる指導者育成講座を除けば、1級がもっとも難易度が高く、4級までのレベルが設けられています。
電話対応をはじめて学ぶ人にピッタリな資格ですから、スキルアップの最初の一歩として受験してみるとよいでしょう。
タイピング技能検定
タイピング技能検定は、タイピング練習サイトを展開している、イータイピング株式会社が実施する検定試験です。
コールセンター業務では、お客様と通話しながらパソコンへ情報を入力する必要があるため、タイピングスキルは身に付けておく必要があります。
タイピングはすべての職位で用いるスキルであることから、管理者・オペレーター問わず取得を検討してほしい資格のひとつです。
MOS検定
MOS検定は、マイクロソフトオフィススペシャリストの略であり、マイクロソフトが提供するWordやExcelといったソフトの理解度を測る資格です。
特にWordを用いた文書作成やExcelによる数値管理を業務とする管理者におすすめで、資格取得により得た知識から、業務効率の改善も期待できます。
TOEIC
TOEICは英語力を測る定番の試験です。
コールセンターでは、英語対応が必須となる業務もあることから、面接時にTOEICのスコアを聞かれることがあります。
通常の業務においても電話を掛けてくる相手が日本人だけとは限らないため、自己研鑽の意味からも勉強しておくとよいでしょう。
ITパスポート
ITパスポート試験は、主にテクニカル窓口で業務を行うオペレーターや管理者に取得してほしい資格です。
IT知識の基礎を押さえた試験のため、専門用語を聞き取りやすくなる、商品やサービスの知識を理解しやすくなる、などのメリットがあります。
合格率の平均が50%となっていることから、きちんと勉強していれば取得が難しい資格ではありません。
テクニカル窓口で業務をしている方は、ぜひ資格取得を検討してみてください。
資格取得で仕事の幅が広がる
英語対応など特殊な業務を除いて、コールセンターで必須となる資格は特にありません。
しかし、スキルやキャリア、給与アップを目指すのであれば、業務内容に合致した資格を取得するのもよいでしょう。
資格は自身の能力を示す武器となってくれます。
仕事の幅を広げるためにも、ぜひ資格取得にチャレンジしてみましょう。
参考書籍:
「コールセンター白書2020」
月刊コールセンタージャパン編集部/株式会社リックテレコム/2020.10.16
参考サイト:
・一般社団法人日本コンタクトセンター教育検定協会
・CSスペシャリスト検定協会
・公共財団法人日本電信電話ユーザー協会
・e-typing master
・Microsoft Office Specialist
・一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会
・ITパスポート試験