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2023.11.22
目指せマルチスキル化!コールセンターにおけるマルチタスク能力の伸ばし方

コールセンター内でオペレーターの評価をするにあたり、マルチタスクができるか否かは重要なポイントです。一方で、「どうすればマルチタスク能力を伸ばせるのか分からない……」と悩んでいる管理者の方も少なくないでしょう。
そこで本記事では、コールセンターにおけるマルチタスクの概念や成功させるポイントについてご説明します。

コールセンターにおける「マルチタスク」と「マルチスキル」の違い

まずは、類似した言葉である「マルチタスク」と「マルチスキル」の違いについてご説明しましょう。
いずれもコールセンターに求められるスキルであり、概念が交わることもあります。

マルチタスクとは

マルチタスクとは、複数の作業を同時並行で進めたり、短時間で業務を切り替えながら処理したりするスキルのことです。
コールセンターの仕事は、ヘッドセットを装着して電話で話しながらパソコンに入力し、資料を確認しつつ解決策を考えるといったマルチタスクの連続です。同時に複数の問い合わせに対応するケースもあるため、高い情報処理能力が求められます。

マルチスキルとは

マルチスキルとは、一人で複数の業務を担当すること、または担当できる能力を備えた状態のことを言います。
コールセンターではオペレーターを育成するにあたり、顧客のコールリーズンに合わせたスキルセット学習を行うのが一般的です。そのため、オペレーターの「マルチスキル化」とは、複数のコールリーズンに対応し、スキルセットを増やしていくことを指しています。

マルチスキル化が進めば、オペレーターが一人で対応できる範囲が広がるため、「問題解決までに対応者が何人も変わる」「問題解決までに時間がかかる」といったクレームが減り、顧客満足度が向上します。
また、オペレーターの生産性の向上により、結果的に「マルチタスク」につながるケースが多いです。

コールセンターでマルチタスクが求められる理由

コールセンターでマルチタスクが求められる理由は、主に以下の3点です。

コールセンターでマルチタスクが求められる3つの理由
  • 多岐にわたる問い合わせに回答するため
  • 同時多発的な問い合わせにスピーディーに対応するため
  • 複数の問い合わせチャネルを管理するため

多岐にわたる問い合わせに回答するため

顧客からの問い合わせの内容は、製品に関する質問、技術的な問題、請求書に関する問題など多岐にわたります。その上、解決策に辿り着くために必要な情報も様々です。
例えば「購入したパソコンが起動しない」という問い合わせがあった場合、オペレーターは以下のような可能性の中から原因を探り当てなければなりません。

・電源ケーブルが正しく接続されているか
・主電源がオンになっているか
・OSやソフトウェアに問題がないか
・モニターが故障していないか
・パソコンの帯電していないか etc…

原因を素早く見極めるには、電話でお客様と話しながらメモを取り、マニュアルを確認しつつ次の質問を考えるといったマルチタスクが求められます。

同時多発的な問い合わせにスピーディーに対応するため

コールセンターでは、複数の顧客から同時に問い合わせが発生することがよくあります。マルチタスクが求められるのは、これらの問い合わせに迅速かつ効率的に対応するためです。
システム障害や商品不良のクレームといった緊急性の高い問題が発生すれば、途中まで進めていた問い合わせ対応を中断して対処に当たる必要もあるでしょう。
また、チャットの対応においては、限りある人数で対応するため、2~5つの会話を同時進行するのも一般的です。

複数の問い合わせチャネルを管理するため

近年では、電話、メール、チャット、ソーシャルメディアなど様々なコミュニケーションチャネルを利用した顧客対応が求められています。これらの異なるチャネルで同時に対応にあたる場合、マルチタスクが不可欠です。
チャネルをまたいで対応にあたるオペレーターには、電話が鳴らない間にメールやチャットの返信をするといった柔軟な対応が求められています。

コールセンターでマルチタスクを成功させるポイント

コールセンターでマルチタスクを成功させるには、以下の3つのポイントを押さえましょう。

コールセンターでマルチタスクを成功させる3つのポイント
  • タスクを見える化して優先順位をつける
  • 所要時間の予測と実際を比較する
  • 「無意識にできる」ほど業務に慣れる

タスクを見える化して優先順位をつける

マルチタスクを成功させる上で最も重要なのは、やるべきタスクとその優先順位を見える化することです。
というのも、そもそも人間の脳はマルチタスクが苦手です。「A・B・Cのタスクを同時に進行」するよりも、「一点集中×3」の方が効率が良いことが明らかになっています。

また、アメリカの心理学教師であるジェラルド・ワインバーグ氏によると、ある作業から別の作業に移るには15分程度の回復時間が必要であり、タスクの数が増えるほど移行には時間と労力がかかると言います。

参考:Multitasking Gets You There Later

こうした移行時間や労力を減らすには、ToDoリストの作成が効果的です。タスクを書き出す際には作業をできるだけ細分化し、以下の例のように優先順位をつけましょう。

例:①A様へコールバック
  ②A様へ資料発送
  ③B様の問い合わせについて技術部に確認
  ④B様へメール返信……

すべての業務をシングルタスク化しておけば、途中で別の問い合わせが入って作業が中断しても、終わり次第再開することが可能です。タスクの移行時に「次は何に着手すべきか?」と考える負担が軽減されます。

所要時間の予測と実際を比較する

見える化されたタスクに取り組む際には、所要時間の予測を立て、実際にかかった時間と比較する癖をつけましょう。比較を続けることで、自分の処理能力が明確になっていきます。
タスクに要する時間感覚が曖昧だと、ギリギリになって間に合わないことが発覚し、お客様との約束や業務の期日に遅れてしまう可能性があるため、危険です。

また、スピードを求められるコールセンター業務においては、完璧を目指すよりも予測した所要時間内に終わらせることを優先する意識も重要ですマルチタスクを成功させるために、完璧主義になり過ぎないようにしましょう。

「無意識にできる」ほど業務に慣れる

脳に負担がかかると言われているマルチタスクですが、片方の作業が無意識に出来るほど定着したものなら、注意力に余力ができます。
例えば、しばらくコールセンターで働いたオペレーターなら、受電の最初に「お問合せいただきありがとうございます」「本日はどのようなお問い合わせでしょうか?」と話しながらCRM(顧客管理システム)を開いたり、顧客情報をざっと見る行為に負担は感じないのではないでしょうか?

このようによく使うトークスクリプトやシステムの操作に慣れ切っておけば、毎回内容が変わるタスクに優先して注意力を割くことが可能です。
マルチタスクに苦手意識がある方は、隙間時間にトークスクリプトを繰り返し音読する、システムのマニュアルを読みながら操作を確認するなど、慣れるための工夫をすると良いでしょう。

まとめ

コールセンターにおけるマルチタスクについて、理解が深まったでしょうか?
マルチタスク能力が伸びれば、迅速な顧客対応ができるようになったり柔軟性が身についたりと、メリットが大きいです。

しかし、マルチタスク能力の強化、ひいてはマルチスキル化には、人材の育成が不可欠です。定着するまでにはどうしても時間がかかります。
管理者の立場からは、オペレーターがやる気をもって取り組めるよう、適正な人事評価制度をもってサポートしましょう。

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