近年、営業手法のひとつとして注目されている「インサイドセールス」。
しかし、経験者がまだまだ少なく手探りで運用しているため、新人のトレーニング方法に迷っているという管理者の方も多いはずです。
2019年8月にMtameが行った調査によると、インサイドセールス導入時に発生した課題として最も多かった回答は、「人材の確保、教育」でした。
<インサイドセールスを導入したときに起こった課題はなんですか?>
出典:インサイドセールス導入率は7.8% 導入後いちばんの課題は「人材の確保・教育」[Mtame調査]|SalesZine(セールスジン)
そこでこの記事では、インサイドセールスのトレーニング方法について解説します。
トレーニングを成功させるために大切なポイントもご紹介するので、ぜひ最後までチェックしてください。
インサイドセールスのトレーニングの流れ
インサイドセールスのトレーニングは、以下の流れで行うのが一般的です。
2.基礎知識を得る
3.ロープレを行う
4.実践とモニタリングを行う
5.さらなるレベルアップを狙う
1.インサイドセールスの役割を理解する
まずは座学を中心に、インサイドセールスの役割について説明します。
インサイドセールスは、「リモート営業」と言えるほどメールや電話、Web会議など非対面のツールを活用する業務です。在宅勤務も多いので、組織としての連帯感を維持しづらい一面があります。
そのため、最初の段階でインサイドセールスのあるべき姿をはっきりと示し、組織の中での立ち位置を理解することが重要。
特に、アポイントの獲得が目的の「テレアポ」と混同しがちなので、以下のポイントはしっかり押さえておきましょう。
- 目的
インサイドセールス:見込み客の育成(ナーチャリング)
テレアポ :アポイントの獲得 - 指標
インサイドセールス:商談化数、受注数、受注額など
テレアポ :商談化数、架電数など - アプローチ方法
インサイドセールス:同じ顧客に複数回アプローチして関係性を構築
テレアポ :一度断られたら連絡しない - 他部署との連携
インサイドセールス:フィールドセールスやマーケティングとの連携
テレアポ :独立した営業組織であるケースが多い
インサイドセールスの指標については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
▶インサイドセールスで重要な指標とは?具体的な指標設定方法も解説 - CallCenter Times(コールセンタータイムズ)
2.基礎知識を得る
引き続き座学でインサイドセールスに必要な基礎知識について学びます。
内容は企業によって異なりますが、よく扱われるトピックは以下の通りです。
- 自社の製品やサービスについて
- どんなクライアントがいるか
- 展示会やWebサイトなど見込み顧客の獲得方法・獲得元
- 基本的な業務の流れ
- CRMやCTIなど営業に使用するツールの設定・操作方法
- 架電時のトークスクリプト
- メール送信時に使用するテンプレート
インサイドセールスには幅広い知識が求められるので、聞くだけの座学だとなかなか記憶に残りません。
そのため、ツールの操作やトークスクリプトの音読のように、手や口を動かして実践する機会を積極的に取り入れるようにしましょう。
最終的に知識の定着を確認するために、小テストを行うのもおすすめです。
3.ロープレを行う
座学が終わったら、営業活動にスムーズに移行するためにロープレを行いましょう。
ロープレの際にも、ベテランや商談化率の高いオペレーターの営業内容を参考にした「トークスクリプト」や「メールテンプレート」を使用します。定型文を用いることで、初心者でも一定のレベルで営業活動が行えるからです。
また、ロープレを行う中で、インプットするだけでは気付かなかった知識の”穴”が見えてきます。その際は座学に戻って解説を行い、スキルギャップを埋めていきましょう。
4.実践とモニタリングを行う
ロープレがスムーズに進行するようになったら、いよいよ実践に入ります。
OJTで顧客への架電を行い、実業務をこなしながら知識や技術を定着させていきましょう。
インサイドセールスの架電のコツは以下の7点です。
- リード発生から初回架電までの時間を短くする
- 繋がらなかったリードへの再架電を徹底する
- 顧客に信頼される話し方をする
- 「ソリューション営業」を目指す
- 顧客の課題を具体的にヒアリングする
-
BANTCH情報(予算、決裁者、ニーズ、検討時期、競合、人員体制)を
確認する - 次のアクションを握る
より詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてください。
▶インサイドセールスの架電のコツは?商談獲得率を上げるポイント7つを解説 - CallCenter Times(コールセンタータイムズ)
また、オペレーターの習熟度を確認するには、営業内容のモニタリングが欠かせません。育成担当者やSVが顧客との会話ログをチェックし、OJTを終えて一人立ちできるかどうかを判断するのです。
モニタリングを実施する際のポイントは、以下の記事で解説しています。
▶コールセンターにおけるモニタリングとは?メリットと実施のポイント - CallCenter Times(コールセンタータイムズ)
5.さらなるレベルアップを狙う
ここまでのステップで新人向けの研修は一旦完了しますが、インサイドセールスの商談化率を上げていくには、その後も継続的なトレーニングが必要です。
さらなるレベルアップを実現するためにおすすめのトピックには、以下のようなものがあります。
- 新製品の情報
- クライアントの声
- 成功した会話例
- 会話の裏付けとなるデータ
- グッドケース/バッドケースの共有と改善方法
- フィールドセールスやマーケティング部門からの情報共有
継続的なトレーニングやサポートは、ビジネスにおけるPDCAとも言えます。
例えば、研修を通して成功した会話例を共有し全オペレーターに定着させた場合、商談化率に変化は出るのか?といった検証と改善の繰り返しにより、営業活動の質が向上していくのです。
インサイドセールスのトレーニングを成功させるポイント
インサイドセールスのトレーニングを成功させるために押さえるべきポイントは、以下の3点です。
- 定量的な目標設定
- オペレーションの統一
- ナレッジの蓄積・共有
定量的な目標設定
トレーニングを開始する際には、組織としての目標に対し、育成対象をどれくらいのスキルレベルに育てるかという定量的な目標値が必要です。
最終目標であるKGIから逆算し、達成するために必要な中間目標(KPI)を明確に提示しましょう。
例)KGI:1か月で20件の商談を獲得 KPI:1か月で架電63件
インサイドセールスの指標設定の流れは、以下の記事をご参照ください。
▶インサイドセールスで重要な指標とは?具体的な指標設定方法も解説 - CallCenter Times(コールセンタータイムズ)
オペレーションの統一
スキルにばらつきのある育成対象者の営業力を早期に一定レベルまで引き上げるには、インサイドセールスのオペレーションを統一・標準化する必要があります。
架電~クロージングまでのプロセスやトークスクリプト、提案資料などが統一されると、「伝えるべき情報」「ヒアリングすべき情報」の抜けもなくなり、営業活動の効率化に繋がります。
ナレッジの蓄積・共有
トレーニング中はもちろん、一人立ち後の業務効率にも関わるのがナレッジの有無です。
インサイドセールスや電話営業を行っている企業の営業管理職に「ナレッジが共有されないために生じる問題」を聞いた調査によると、多く挙げられたのは以下の3点でした。
・営業力にばらつきが出る
・人材育成や引継ぎに時間がかかる
・成果が出ていない社員のモチベーションが低下する
「研修で教えたから」と言って明文化することを怠らず、育成対象者たちがいつでも立ち返れるようにナレッジの蓄積・共有を徹底しましょう。
まとめ
インサイドセールスのトレーニングについて、具体的なイメージがわいたでしょうか?
インサイドセールスの導入により商談数の増加を実感している企業が多いため、今後も導入の規模は拡大していくでしょう。
この記事をきっかけに、新たな人材の受け入れ体制がより充実することを願っています。
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