こんにちは。「CallConnect」ライターチームです。
コールセンターには、毎日顧客から多種多様な問い合わせが舞い込み、その中には、オペレーターが回答できない、またはわからない質問がくることもあります。
今回は、顧客の質問に回答できない・わからないときの対応方法について解説します。
- オペレーターの対応に少なからず不満を感じている顧客たち
- 「回答できない・わからない」などの状態が生まれる理由
- 質問への返答が難しいときの対応方法
- オペレーターの「わからない」は顧客に不安を与えてしまう
オペレーターの対応に少なからず不満を感じている顧客たち
顧客の質問に対してオペレーターが回答できない・わからない状態は顧客満足度の低下につながります。
『コールセンター白書2021』において、「直近でコールセンターに電話を掛けた際、センターに対して不満を感じた理由」を聞いたアンケートからそれがわかります。
アンケートの回答をいくつか挙げると、「用件が完了するまでの時間がかかりすぎた」「オペレータの知識不足」「問題が解決しなかった」「違う窓口にかけ直しを求められた」など、オペレーターの対応力に不満を感じている顧客が多いようです。
また、コールセンターの設立目的で最も重要とされるのは、顧客満足度の向上です。
- 出典:月刊コールセンタージャパン編集部/『コールセンター白書2021』/株式会社リックテレコム/東京/2020.10.26/P59
このことからも、質問に対して回答できない・わからないという状態は、顧客満足度の低下につながる恐れがあるため、コールセンターを運営するうえで絶対に避ける必要があります。
「回答できない・わからない」などの状態が生まれる理由
顧客からの問い合わせに対し、回答できない・わからないという事態が発生するのはなぜでしょうか?
オペレーターがこのような状態に陥る要因をいくつかご紹介します。
経験不足
オペレーターの業務スキルが足りていないと、顧客からの問い合わせに十分な対応ができません。
例を挙げると、入ったばかりの新人と5年勤務しているオペレーターでは、業務スキルに大きな違いがあります。
とくに傾聴力はその最たる例です。
業務経験が長いオペレーターは、話の流れや内容を聞きながら、次にくる質問やその返答を事前に想定し、顧客の課題解決に向けた道筋を考えています。
しかし、経験が乏しいオペレーターは話を聞くのに精いっぱいで、課題解決へのプロセスを考える余裕がありません。
そのため、顧客からの質問を先読みできず、回答に詰まる・回答できない・わからない、などの状況が発生するのです。
参考:コールセンターの質が上がる傾聴力とは?高め方のコツを解説
知識不足
業務経験の蓄積とともに知識も増えていきます。
しかし、取り扱っている商品・サービスの内容は少しずつ変化していくものです。
いくら経験豊富なオペレーターであっても、日々知識を吸収しようと貪欲でなければ、知識不足が原因となる返答の遅延や誤案内につながる恐れがあります。
クレーム
顧客からのクレーム電話も、オペレーターが回答できない・わからないという状態を作り出す要因のひとつです。
クレームの大半は、「そちらの製品を使って〇〇になった!どうしてくれるんだ!」というように、商品やサービスの使用後に発生した不具合に対するものです。
このようなケースだと、コールセンターは顧客の受けた損害への対応策を返答する必要があります。
ところが、クレーム案件のほとんどが本来の業務では行われない対応(イレギュラー対応)の対象になります。
イレギュラー対応は管理者やクライアント企業のOKがなければ実現できません。そのことから、オペレーターが単独で解決への道筋を決められないのです。
これらの事情を考えれば、クレーム案件に関して、すぐに回答できない・対応方法がわからないという事態が発生しやすいのもうなずけます。
マニュアルやFAQの整備が不十分
オペレーター向けのマニュアルやFAQが整備されていない、または内容が不十分だと、顧客への返答が困難です。
『コールセンター白書2021』において、オペレーター向けのマニュアルやFAQの用意・更新状況を聞いたアンケートはそれぞれ以下の通りです。
- 出典:月刊コールセンタージャパン編集部/『コールセンター白書2021』/株式会社リックテレコム/東京/2020.10.26/P77
- 出典:月刊コールセンタージャパン編集部/『コールセンター白書2021』/株式会社リックテレコム/東京/2020.10.26/P77
この結果から、ともに高い水準で用意・更新されていることがわかります。
しかし、マニュアルやFAQの作成・更新をSVが兼務しているコールセンターも多いため、適切な頻度で見直しができているかについては、この結果だけでは不透明だといえるでしょう。
質問への返答が難しいときの対応方法
顧客からの質問に対し返答が難しい場合はどうしたらいいのでしょうか?
コールセンターの現場でよく活用される方法を3つご紹介します。
エスカレーション対応
オペレーター単独での対応が困難な場合に最も活用されるのが、管理者へのエスカレーション対応です。
エスカレーション対応のフローはコールセンターごとに違いがあり、手を上げて管理者を呼ぶ、オペレーターの使用端末にエスカレーション依頼ボタンがあるなど、さまざまです。
あまりにも顧客がヒートアップしている場合やオペレーターの権限を超える要求されているときは、管理者へエスカレーションしてください。
管理者はオペレーターより業務における権限を多く持っています。そのため、オペレーターが数時間粘っても解決できない案件も、管理者が対応を代わるだけですぐに終話できるケースもあります。
オペレーターはひとりで対応しようとせず、管理者の力を借りることが大切です。
折り返し対応
顧客の質問がすぐに返答できない内容だった場合、折り返し対応がよく利用されます。
ここで留意すべき点として、折り返し対応は顧客を待たせることになるため、くれぐれも失礼のないように伝える必要があります。
まずは折り返し対応による返答でよいか顧客に確認します。クレームなどでヒートアップしているケースを除けば、大抵問題なく了承してくれるでしょう。
了承をもらったあとは、顧客の都合がよい日時を確認し、その時間帯に連絡する約束をします。
しかし、問い合わせ内容によっては、顧客の望む期間内に確実な返答が難しい場合もあります。その際は、「進捗状況の報告をするため〇日の〇時に一度ご連絡します」と案内しましょう。
“折り返し対応が漏れていた”という事態が発生しないよう、顧客と約束する際は、管理者に折り返し日時と問い合わせ内容の共有を忘れず行いましょう。
業務マニュアル・FAQの確認
イレギュラー対応を除いた問い合わせの多くは、業務マニュアルやFAQを確認することで解決できます。
そのため、現場のオペレーターは日ごろからマニュアルやFAQなどのナレッジを見るクセ付けが大切です。
もしマニュアルやFAQに該当の項目がない場合は、対応終了後に管理者へその旨を報告し、内容の追加や変更を要請しましょう。
オペレーターの「わからない」は顧客に不安を与えてしまう
コールセンターに電話を掛けてくる顧客は、自身の抱える課題を解決したいと思っています。
それなのにもかかわらず、オペレーターから「わからない」といわれると不安を感じますし、顧客満足度も低下します。
もちろん、多種多様な問い合わせが舞い込むコールセンターにおいて、すべての案件がすぐに解決できるものでないのは当然です。
しかし、折り返し対応やエスカレーションを活用し、回答できない・わからないという事態を少しでも減らせるよう、コールセンター側にも工夫や努力が必要だといえるでしょう。
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