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2023.01.11
コールセンターの「声のトーン」とは?顧客対応で意識すべきポイントを解説

電話を中心に顧客対応を行うコールセンターでは、オペレーターの声や話し方がお客様に与える印象の大部分を決定します。そのため、「声のトーンで好印象を与えるコツを知りたい!」と思う方も多いでしょう。

この記事では、コールセンターにおいて声のトーンが重視される理由や、声のトーンによる印象の変化、顧客対応で意識すべきポイントなどについて解説します。

最後まで読めば、きっと自社の電話応対をレベルアップさせる手がかりになるはずです。

コールセンターで「声のトーン」が重要な理由

コールセンターで「声のトーン」が重視される理由は、主に以下の2点です。

コールセンターで「声のトーン」が重視される2つの理由
・声のトーンが印象を大きく左右する
・声のトーンは、意識さえすれば短期的に改善できる

 

声のトーンが印象を大きく左右する

コールセンターが「声のトーン」を重視する最大の理由は、顧客に与える印象を大きく左右するからです。

THE SUIT COMPANYが30歳代~50歳代の社会人を対象に行ったアンケートによると、ビジネスの場で第一印象を決める要素として最も多いのは「話し方」でした。

出典:<THE SUIT COMPANY>「ビジネスにおける社会人の第一印象」に関する調査を実施|PR TIMES

相手の顔が見える状況でも「話し方」が重視されるのですから、「声だけ」で対応する電話では一層注目されるのは言うまでもありません。

声のトーンを決めるのは、以下のような要素です。

声のトーンを決める要素
・声の高低
・声量
・話すテンポ
・声の抑揚

聞き手は無意識のうちにこうした聴覚情報から、電話の先にいるオペレーターの表情や業務に取り組む姿勢を読み取るのです。

例えば、電話越しの声が「早口で冷たい口調」であれば、顧客はすぐにでも電話を切りたくなるでしょう。その結果、コールセンターのみならず企業全体に悪い印象を持ち、競合他社に乗り換える原因となりかねません。

このように「会社の顔」として電話を受けるコールセンターでは、適切な声のトーンを使い分け、顧客に好印象を与える話し方を意識する必要があるのです。

声のトーンは、意識さえすれば短期的に改善できる

電話応対における「声のトーン」は、ポイントを意識さえすれば短期的に改善できます。

コールセンターのオペレーターが時間をかけて養う「正しい言葉遣い」「傾聴力」「課題解決力」などの”スキル”に対し、「声のトーン」は実践しやすく、効果が出やすい”テクニック”と言えるでしょう。

だからこそ、次章から解説する声のトーンに関するポイントは、新人研修などを通して早い段階でオペレーターに共有しましょう。

高いトーンが与える印象

声のトーンが高い場合、顧客に与える印象は以下のとおりです。

高いトーンが与える印象
・明るさ
・若々しさ
・元気さ
・親しみやすさ
・(必要以上に高いと)騒々しく、落ち着きがない印象

高いトーンは明るく朗らかな印象を与えるため、顧客に対する「最初の挨拶」「商品説明」「アポイントの獲得」といったシーンに適しています。

ただし、高過ぎると耳障りになるので要注意です。一般的に、「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」の「ソ」の音が最適と言われています。

低いトーンが与える印象

声のトーンが低い場合に、顧客に与える印象は以下のとおりです。

低いトーンが与える印象
・落ち着き
・慎重さ
・大人らしさ
・(必要以上に低いと)元気・やる気のない印象

低いトーンは落ち着きや慎重さを演出するため、「謝罪の言葉」や「会議での発言」に適しています。

ただし、低過ぎると覇気がないと受け取られたり、聞き取りづらかったりするので注意が必要です。声のトーンを抑える際には、高いトーンで話す時以上にハキハキと話す意識をもつと良いでしょう。

声のトーンで意識すべきポイント

その他にも、声のトーンで意識すべきポイントには、以下の4点があります。

声のトーンで意識すべきポイント
・第一声は「笑声(えごえ)」
・正しい姿勢で話す
・抑揚をつける
・状況に合わせて声のトーンを調整する

第一声は「笑声(えごえ)」

「笑声(えごえ)」とは、 顧客にオペレーターの笑顔を想像させるような、明るい声を指す言葉です。顧客に好印象を与える声の出し方としてコールセンターに浸透している笑声ですが、第一印象を決める第一声では、特に意識して使いましょう。

出し方のポイントは、「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」の「ソ」の音を意識することです。自分が楽に出せる「ソ」の音に、明るさを加えて話すイメージをもって話すとスムーズです。

また、電話応対における第一声は、「挨拶」「社名の名乗り」「用件の確認」なので、トークスクリプトが決まっているはずです。そのトークスクリプトを笑声で練習しておくことで、明るい第一声が身に付くようにしましょう。

正しい姿勢で話す

適切な声のトーンを保つには、正しい姿勢で話す必要があります。

「電話越しなら、こちらの姿勢まで分からないでしょ?」と思うかもしれません。しかし、以下のとおり姿勢と声のトーンには密接な関係性があるのです。

<姿勢と声のトーンの関係性>
正しい姿勢をとることで腹式呼吸がしやすくなる
⇒腹式呼吸だと音量や音域が広がり、聞き取りやすくなる。
 特に、トーンを下げると声がこもりやすく聞き取りづらくなるため、
 お腹から通りやすい声を出す必要がある

座っている時の正しい姿勢は、肩の力を抜き、浅めに腰かけて背筋を伸ばした状態です。つい手元に集中しがちですが、目線をまっすぐ前に向けると、声の通りがさらに良くなります。

「腹式呼吸のやり方がいまいち分からない…」という方は、以下のような動画も参考にしてみてください。

抑揚をつける

声のトーンにおいて、抑揚をつけることも重要です。

声の高低に関わらず、抑揚のない平坦な話し方は、自動音声やAIのような冷たい印象を与えてしまうからです。

例えば、コールセンターでよく使う「さようでございますか」「かしこまりました」といった相槌の言葉も、抑揚がないと「本当に分かっているのか…?」という不安感を顧客に抱かせてしまいます。反対に、適切な抑揚がついていると、「誠実さ」や「顧客に寄り添う気持ち」を伝えることができ、好印象です。

表情が見えない電話だからこそ、こちらの感情を伝える手段として抑揚をつけて話しましょう。

状況に合わせて声のトーンを調整する

声のトーンは、状況に合わせて調整する必要があります。

先述のとおり、第一声は明るい「笑声」で対応しますが、その後は顧客が電話をかけてきた用件によってトーンを使い分けましょう。

というのも、コールセンターでは、顧客からクレームや厳しい意見をいただく場面が少なくありません。この場合、明るいトーンのままでは顧客の怒りを買うことは想像に難くないでしょう。

顧客の第一声を聞き、不満を抱いていることを察知したら、次の発話から少しずつ声のトーンを落とします。お客さまの心理状態に合わせ、声のトーンを調整していくイメージです。

低いトーンは「誠実さ」や「真剣に耳を傾けている印象」を与えるため、お客様に不便をおかけした謝罪や今後の対応に関する説明をする際にも、落ち着いた声を保つようにしましょう。ただし、低いトーンは声がこもり、聞き取りづらくなる欠点があるので、腹式呼吸を使ってハキハキ話すことを心がけてください。

声のトーンは研修で上達する

第1章で「声のトーンは意識さえすれば短期的に改善できる」とお伝えしましたが、新人オペレーターの中には自分の話し方に自信がない方もいるでしょう。

そこで、本格的に実務に入る前に、ロールプレイング研修などを実施して声のトーン調整を練習し、自信をつけられるようにしましょう。

練習する際に重要なのは、「電話越しの声のトーン」を意識する点です。電話越しの声を確認するには、実際の電話応対を録音するのが最も有効ですが、難しければスマホなどを使用して録音してもOKです。客観的に自分の話し方が確認でき、課題が見つかるはずです。

また、声のトーン調整が上手なオペレーターの応対を聞くのも効果的です。SVは普段モニタリングしている中に良い事例があれば、積極的に他のオペレーターにも共有しましょう。もし身近に例がなければ、以下のリンクから視聴できる「電話応対コンクール」入賞者の映像を参考にすることをおすすめします。

電話応対コンクールの過去の映像一覧 | JTUA本部サイト

まとめ

コールセンターで重視すべき「声のトーン」について、理解が深まったでしょうか?

「声のトーンで意識すべきポイント」の章でもお伝えしたとおり、声のトーンを上手く調整するには、発声方法に留意する必要があります。

ぜひ以下の記事も参考にして、より良い声でお客様との円滑なコミュニケーションを実現してください。

コールセンターにおける発声練習の重要性とは?練習方法を解説 - CallCenter Times(コールセンタータイムズ)

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