こんにちは。「CallConnect」ライターチームです。
コールセンターにはさまざまな評価制度があります。社内で各部署の業績を評価する、部署でオペレーターのスキルを評価するなど、様々です
そのなかでも近年注目が集まっているのが、社外の専門機関による外部評価です。
ほとんどの企業が内部での評価に気を取られているなかで、外部評価の役割が大きくなっている理由はどこにあるのでしょうか。
そこで今回は、コールセンターに外部評価が必要とされる理由と、代表的な外部評価指標である「HDI格付けベンチマーク」について解説します。
外部評価の概要や得られるメリットを理解したうえで、外部評価を受けるかどうか検討してみてください。
- 外部評価がコールセンターに求められる理由
- コールセンターにおける代表的な外部評価「HDI格付けベンチマーク」とは?
- コールセンターが外部評価を受けるメリット
- 外部評価の活用はコールセンターの品位を向上させる
外部評価がコールセンターに求められる理由
はじめに、コールセンターへの外部評価が必要とさせる理由をまとめると以下の2つが挙げられます。
【コールセンターへの外部評価が必要な理由】
・自社、他社、業界全体の状況を確認できる
・外部調査の結果を基に現状の分析や改善に努められる
現代のコールセンターには、これまでのように顧客の問い合わせへただ返答するだけではなく、顧客満足度の向上やカスタマーエクスペリエンスの創出など、さまざまな役割が求められています。
そのことからも、競合他社との差別化や自社の強みを把握、成長させる手段として外部評価制度が広く用いられるようになったのです。
また、外部による客観的な評価は、自社のコールセンターが対外的に優れているかどうかの確認につながります。ゆえに、外部評価によって高スコアがつけられれば、それをアピールポイントのひとつとして宣伝活動にも利用できるという側面もあります。
コールセンターにおける代表的な外部評価「HDI格付けベンチマーク」とは?
コールセンターの外部評価にもさまざまな種類があります。そのなかでも代表的な外部評価指標といわれるのが「HDI格付けベンチマーク」です。
「HDI格付けベンチマーク」の概要
HDI格付けベンチマークは、2001年に日本で設立された世界最大のサポートサービス業界団体であるHDI-Japanが主催している外部評価指標です。映像配信や銀行、クレジットカードなど、さまざま商材を取り扱うコールセンターや問い合わせ窓口を客観的な視点から評価しています。
HDI-Japanは本部にあたるHDI(ヘルプデスク協会、本部:アメリカ)の日本支部として設立され、これまでに約1,800社の格付けを行った実績を持ちます。
また、HDI格付けベンチマークに用いられる評価指標は、HDIに加入する世界中の5万以上におよぶ企業や団体から得られた知見を基に作成された「HDI国際サポート基準」を採用。
このことから、HDI格付けベンチマークで高評価を得る=国際的に優れたサポートセンターであると認定された、と対外にアピールできます。さまざまな外部評価機関があるなかで選ばれ続けるのはこういった理由があるからです。
「HDI格付けベンチマーク」には2つの格付け方法がある
HDI格付けベンチマークの格付け方法には、「公開格付け調査」と「依頼格付け調査」があります。
- 公開格付け調査
HDI国際サポート基準に基づいて、Webサポートの有効性や企業の問い合わせ窓口を、顧客目線で三つ星~星なしの計4段階で格付けを実施。
1年に12業界を対象に調査が行われ、業界の選出は格付け実行委員会により毎年設定されます。
調査にはHDIの国際認定資格を持つ専門審査員だけでなく、一般のボランティア審査員も参加。専門家以外の意見を取り入れることで、客観性の高い顧客視点のサポート品質を調査できるよう担保しています。
- 依頼格付け調査
HDIに加入している企業からの依頼に基づいて行われる調査です。
評価基準は公開格付け調査と同じとなっており、依頼主の希望した時期に実施されます。
格付け調査の経験が豊富な専門審査員が調査を担当し、業界別格付け結果との比較分析(ベンチマーク)が可能です。
自社を外部評価により格付けしてほしいと希望するのであれば、HDIに加入したうえで依頼格付け調査を手配する流れがスムーズでしょう。
「HDI格付けベンチマーク」における評価対象は4種類ある
HDI格付けベンチマークには、評価対象となる項目が4種類存在します。
①Webサポート格付け
・Webサイトを5つの評価項目を用いて格付けを行う
②問合わせ窓口格付け
・クオリティ、パフォーマンスそれぞれを5つの評価項目を用いて格付けを行う
※電話対応だけでなく、チャットサポート、Eメールサポート、マルチチャネルサポートにも対応
③クオリティ格付け(センター評価)
・主に顧客がどう感じているのかを念頭に、電話対応、チャットサポート、Eメールサポート、マルチチャネルサポートについて、クオリティの5項目で格付けをする
④クオリティ格付け(個人評価)
・顧客の視点から対応者(オペレーター)の改善ポイントを明らかにする
※優秀者には個人に対して三つ星の認定が受けられる
過去に「HDI格付けベンチマーク」の三つ星を獲得した企業例
過去にHDI格付けベンチマークで最高評価である三つ星を獲得した企業例は以下のとおりです。
≪2022年受賞企業≫
◇問合せ窓口格付け
・アマゾンジャパン合同会社(映像配信)
・イオンクレジットサービス株式会社(クレジットカード)
・KDDI株式会社(生命保険:依頼)
・株式会社ロジクール(PC周辺機器) など
◇Webサポート格付け
・ダイソン株式会社(ラグジュアリ家電)
・株式会社バッファロー(PC周辺機器)
・株式会社イオン銀行(銀行)
・ENEOS株式会社(電力・ガス小売り:依頼) など
◇クオリティ格付け
・株式会社セゾン情報システムズ(情報処理サービス:依頼メール)
・株式会社QTnet(QTモバイル)(モバイル通信:依頼)
・au自分銀行(お客さまセンター、ローンセンター、住宅ローンセンター)(銀行:依頼)
・サイボウズ株式会社(グループウェア:依頼) など
このように、HDI格付けベンチマークで最高評価である三つ星を獲得する企業の多くは、知名度の高い企業が大半を占めています。これは各企業が顧客サポートに対して力を入れていることを表しており、まさに有名企業の名に恥じないものです。
コールセンターが外部評価を受けるメリット
コールセンターが外部評価を受けることで得られるメリットを4つご紹介します。
客観的な評価による改善点の洗い出し
外部評価の最も有効な活用法として、客観的な立場から自社の改善点を洗い出せることです。
内部で行われる評価は社内における問題点を把握するのには適していますが、客観的な視点で自社をみるという面においてはあまり機能しません。
その点外部評価による指摘は、企業が自力では気付くことのできない事項に着目する機会となり、それは自社の改善点を洗い出すきっかけにつながります。
サービスレベル(品質)の向上
外部評価により洗い出された改善点を克服することで、これまで以上にコールセンターのサービスレベルが向上します。
また、これまで内部で行われてきた評価では見えていなかった部分にも目を配ばることができるため、顧客への新たなアプローチなどにも挑戦できます。
とはいえ、外部評価の内容にばかり左右されていては自社の特色がなくなってしまうため、内部評価の内容とセットにしたうえで、自社にあった品質向上に向けた取り組みが必要です。
競合他社との差別化
外部評価の活用により、競合他社と自社との差別化を図れます。
HDI格付けベンチマークを例としてあげると、依頼格付け調査による外部評価を受けることで、業界別格付け結果との比較分析が可能です。
業界別格付け結果は、各業界でも認知度が高い有名企業が調査対象として多数選出されています。それらの企業と自社の結果を比較することにより、競合他社との差別化を有利に進められます。
対外向けのアピールポイントになる
外部評価機関から高評価を受けられれば、自社のサービスが優れていることを対外に向けてアピール際の材料となります。
これまでコールセンターのアピールポイントは、「応答率〇%達成」「放棄呼率を〇%改善」など、社内に向けたものばかりでした。
しかし、外部評価という客観的な評価によって、大々的に対外に向けアピールできるポイントが生まれました。
外部評価による実績のアピールは新たなクライアント獲得などにもつながるため、アウトソースが中心のコールセンターには経営面でのメリットも大きいといえるでしょう。
外部評価の活用はコールセンターの品位を向上させる
今回解説したように、コールセンターをよりレベルアップさせるためには外部評価が必要です。
特に近年のコールセンターに求められる役割を考えれば、内部評価だけでは見えてこない自社の弱点が必ずあるはずです。
外部評価をうまく活用し、自社の強みと弱みを正確に理解したうえで、より品質の高いコールセンターとして生まれ変わるきっかけにしましょう。
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≪参考サイト≫
- HDI-Japan