こんにちは。「CallConnect」ライターチームです。
コールセンターで働くオペレーターが常に気にしている顧客への接し方。自分では適切な対応をしているつもりでも、顧客からみれば高圧的な印象を持たれることがあります。
では、なぜ顧客はオペレーターの対応を高圧的に感じてしまうのでしょうか?
そこで今回は、オペレーターの案内を顧客が高圧的に感じてしまう理由や、話し方のポイントについて解説します。
自身の対応を客観的な視点で見直し、顧客からより親しまれるオペレーターになるためのヒントにしてください。
顧客がオペレーターの対応を高圧的に感じる理由
そもそも高圧的とはどういった意味を持つ言葉でしょうか?辞書で調べると、「権力に物を言わせて人を押さえつけようとするさま」と記載されています。
●参考:goo辞書(高圧的の意味)
このことから、顧客がコールセンターのオペレーターから感じる“高圧的”の意味合いとしては、対応が傲慢・話を聞いてくれない・自らの意見を絶対に曲げない、などが考えられます。
もちろん、オペレーター自身はみずからの対応が高圧的な印象を与えているとは微塵も思っていないでしょう。しかし、対応時の言葉遣いやマナーから、高圧的な印象を持つ顧客も少なくないのです。
『コールセンター白書2021』によると、コールセンターに対して不満を感じた理由を聞いたアンケート結果は以下の通りです。
●出典:月刊コールセンタージャパン編集部/『コールセンター白書2021』/株式会社リックテレコム/東京/2020.10.26/P120
「オペレータの言葉遣いやマナーが悪い」という回答は全体からみると最も低い数値となっています。しかしながら、電話対応のプロとして業務を担っているコールセンターのオペレーターが、言葉遣いやマナーの点を指摘されている事実は間違いないことです。
ひとりのオペレーターの対応がコールセンター全体の印象につながります。そのため、アンケートで指摘する声が少ないからといって軽く考えてはいけません。
顧客が高圧的に感じるオペレーターの対応とは
前章で少し触れましたが、この章では顧客が高圧的に感じるオペレーターの代表的な対応例をいくつかご紹介します。
これからご紹介する対応法を普段から取っているようであれば、この機会に見直しましょう。
話を聞かない
顧客の話を聞かず勝手に案内を進めるオペレーターに対して、顧客は高圧的な印象を受けます。
正確な案内を行うためには、顧客からの聞き取りがとても重要です。しかし、少し話を聞いただけですべてを理解したように案内を進めるオペレーターも存在します。
コールセンター業務で重要なのは、相手の話を詳細に聞き取ることのできる傾聴力です。
ベテランになるほど、自身の実力を過信するあまり、話を聞かず流れ作業のような案内をしがちです。
傾聴の姿勢はコールセンターの基礎といえます。再度、みずからの対応が流れ作業になっていないか振り返ってみてください。
参考:コールセンターの質が上がる傾聴力とは?高め方のコツを解説 - CallConnect BLOG
断定的に話す
顧客の意見や問いに対しなんでも断定的に話してしまうと、高圧的な印象を与えてしまいます。
誤解しないでほしいのは、商品の説明や改善方法など、明確な答えがある場合には断定的に話を進めても問題ありません。
ただ、成否が曖昧または顧客の話を理解していないにもかかわらず断定的に話をするのは、顧客を困惑させるだけでなく、高圧的な態度によるイメージ低下を招く恐れがあります。
このようなオペレーターに対し顧客は、「この人は自分が絶対的に正しいと思っているんだ…」と不快な気持ちを抱くことでしょう。
不明瞭な状態での断定的な発言は大きなクレームにつながる恐れもあります。マニュアルやFAQに記載がある、または管理者から指示を受けた場合などを除いて、断定的な回答をする際はより慎重な姿勢で臨みましょう。
言葉遣いが荒い
コールセンターでは敬語をはじめとするさまざまな言葉遣いの研修を受けます。しかし、それでも普段の言葉遣いが顧客対応時に出てしまうオペレーターも少なくありません。
それだけではなく、顧客からの問い合わせ内容にヒートアップしてしまい、自分では気付かないうちに高圧的な言葉を発している場面もあるでしょう。
コールセンターのオペレーターは言葉遣いや電話対応マナーのプロとしてみられています。荒い言葉遣いは顧客を委縮させるだけでなく、周りで業務をしているオペレーターにも不快感を与える要因となり、負の連鎖が大きくなってしまいます。
自身の対応した音声データを確認し、言葉遣いが荒くなっている部分がないかチェックしてみるとよいでしょう。
声のボリュームが過剰
極端に声のボリュームが大きいと顧客が高圧的に感じてしまいます。例えば、普段の生活でも大きな声で急に話をされると、びっくりして黙り込んでしまうことはありませんか?これはコールセンターのオペレーターと顧客との間でも同じです。
もちろん、高齢や病気などが理由で、耳が遠い顧客の対応をする際に声のボリュームを少し上げるのは適切な案内をするうえで必要不可欠なことです。
とはいえ、必要以上に大きい声は顧客を委縮させることにつながり、より良いコミュニケーションを阻害します。
一流のオペレーターは顧客の特性(年齢など)によって声のボリュームを調整しています。顧客とのやり取りをスムーズに進めるうえで、声のボリュームが持つ重要性を理解しておきましょう。
これで解決!顧客が高圧的に感じない話し方のポイント
顧客が高圧的な印象を感じないよう、オペレーターにできることはなんでしょうか?
今回は案内の際に気をつけたい話し方のポイントを解説します。
相手に合わせた話し方を心がける
高圧的な印象を顧客に与えない方法として、相手に合わせた話し方を意識するというものがあります。
例えば、高齢者には少し声量を大きくし話すスピードを抑える、専門用語を使わず相手が理解しやすい言葉に言い換える、などがあげられます。
筆者はコールセンターで管理者をしていましたが、多くのオペレーターがこの点をあまり意識していませんでした。
コールセンター業務は相手の顔が見えないからなのか、残念ながらどうしても対応が流れ作業になりやすいです。
「目の前に顧客がいる」という意識を持ち、常に相手に合った話し方を考え実践していく必要があります。
正しい姿勢で対応する
背筋を伸ばした正しい姿勢で電話対応に臨むと、発声がしやすくなり、ハキハキとした明るいトーンで顧客対応ができます。
また、オペレーターの姿勢や表情は電話先の相手に雰囲気で伝わってしまいます。例えば、足を組んで背もたれに寄りかかっているような場合だと、正しい姿勢のときと比べ声の印象が暗く感じられるものです。
暗い印象はそれだけで顧客が抱くオペレーターへのイメージを悪くします。そこに言葉遣いやマナーなどの悪い点が付与され、「高圧的で対応がひどい」と評価されてしまうのです。
「顔や姿が見えないから姿勢を崩しても問題ないだろう」と考えるのではなく、姿勢や表情などの態度は電話口の顧客にも伝わっているということを意識しましょう。
相手の話を遮らない
顧客がオペレーターの対応を高圧的に感じる一番のポイントは、自分が話をしているのを無理やり遮られたときです。
通常コールセンターでは、顧客が話している間は傾聴に努めるよう教育されます。
しかしながら、早く対応を終わらせたい、顧客の話が長すぎるなどの理由から、話を途中で遮ってしまいがちです。
話を遮られた顧客からすれば、「なんて傲慢な対応なんだ」と怒りを覚えても無理はありません。
そのため、どうしてもオペレーターから話をしたい場合は、「〇〇についてもう少し詳しくお話をしてもよろしいでしょうか?」などの声掛けをしたうえで、説明を始めるよう心がけましょう。
一流のオペレーターは個々の顧客にあった対応ができる
一流のオペレーターは個々の顧客にあった対応が瞬時にできます。もちろん、経験や知識に裏打ちされている部分も大きいですが、顧客の目線に立って考えられるかどうかが一般的なオペレーターとの大きな違いです。
顧客が気持ちよく利用できるコールセンターを実現するためにも、寄り添いの気持ちを持ち続けてください。
そうすることで、これまで以上に素敵なオペレーターになれることでしょう。
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入社後のスタッフ教育にお役立てください。
(参考書籍)
●「コールセンター白書2021」
月刊コールセンタージャパン編集部/株式会社リックテレコム/2021.10.26