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2022.07.01
新卒社員に電話応対研修が推奨される理由と得られるメリット

こんにちは。「CallConnect」ライターチームです。

新卒社員向けの研修項目として実施される「電話応対研修」。現在では多くの企業が新卒者研修の項目として取り入れています。

これまでは、「社会人は電話対応ができて当たり前だ」という認識のもと、あまり注目されてこなかった電話対応スキル。

では、なぜ電話応対研修の受講が新卒社員に推奨されるほどになったのでしょうか?

今回は、電話応対研修が新卒社員研修の一環として推奨されるようになった背景と、受講により得られるメリットについて解説します。

新卒社員に電話応対研修が推奨される理由

電話応対研修が推奨されるようになった大きな理由として、「固定電話契約数の減少」「若者世代の電話離れ」があげられます。

≪固定電話契約数の減少≫

総務省が発表している「令和2年版情報通信白書」によると、2019年度の末時点における固定電話契約数は1,846万件となっており、2009年の4,334万件を大幅に下回っています。

その背景として考えられるのが、アップル社のiPhoneが2007年に米国で発売されたことを皮切りとしたスマートフォンの台頭です。

情報通信機器の世帯保有率をみてみると、2010年ではわずか9.7%だったスマートフォンの比率が、2019年には83.4%と飛躍的に向上しています。

そのことから、家庭に固定電話が設置されていない環境も珍しくなくなり、スマートフォンを含めた携帯電話が家庭の主な通信機器となっていきました。

これら時代的背景の影響で、固定電話に触れたことがない、使い方がわからないという若者が急増し、企業側も頭を悩ませています。

≪若者世代の電話離れ≫

SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の台頭による若者の電話離れも、電話応対研修が重視されるようになった理由のひとつです。

令和2年版情報通信白書」をみると、13~19歳でのSNS利用率が80.5%、20~29歳だと87.1%に達することがわかります。

●出典:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/pdf/index.html

SNSではその多くが会話による意思疎通を必要とせず、文章や画像によるコミュニケーションに重きが置かれているため、手軽に使えるツールとして近しい相手への連絡手段にもSNSが活用されています。

現在では通話機能のあるSNSも存在していますが、それら機能は家族や友人など、そのほとんどが親しい相手との間で活用するものであり、固定電話のように第三者とのやり取りが主となる利用はまれです。

そのことから、現代の若者が置かれている環境は、社会人として求められる第三者に対する電話マナーが育ちにくくなっている環境といえます。

電話応対研修の主な内容

電話応対研修とはどのようなカリキュラムになっているのでしょうか?

主催者によって内容は若干違いますが、おおむね以下のような流れです。

①電話対応の基礎(主に座学)

・電話対応の心構え ・印象の良い対応、悪い対応の違い

・第一声の重要性 ・正しい言葉遣いやマナー

・メモの活用法 など

②正しい架電・受電の仕方

・正しい電話のかけ方、受け方 ・不在時の対応 ・声の出し方 など

③ロールプレイング

・ペアを作り実際の電話対応さながらの実践的な練習を行う

④フィードバック

・ロールプレイングでわかった自身の改善点を話し合う

新卒社員向けの研修であれば、主にこのような基礎的な電話対応について学ぶ研修となります。

もちろん、入社した企業がコールセンターなど電話を主に使用する職種であった場合は、クレーム対応や応対品質を向上させるテクニックなど、さらに細かいレクチャーが追加されます。

関連記事:コールセンターの研修の進め方。 押さえるべきポイントは?

電話応対研修の受講によって得られるメリット

電話応対研修は受講者だけでなく、企業側にとってもメリットがあります。

具体的にどのようなメリットがあるのか、受講者と企業の視点でそれぞれみていきましょう。

コミュニケーション能力が向上する【受講者】

顔が見えない相手と声のみでやり取りをする電話対応では、実際に顔をあわせる以上に高いコミュニケーション能力が必要になります。

電話応対研修を受講することで、電話対応時の適切なコミュニケーションの取り方を習得できます。

社会人としての電話対応が身に付く【受講者】

社会人として身に付けておくべき電話対応の知識やスキルを習得できます。

例として、入電があった際に「もしもし」と言わない、社内の人物の名称をあげる際は「〇〇さんは~」や「〇〇課長は~」といわず苗字で伝える、などがあります。

新卒社員だけでなく既存社員においても、正しい言葉遣いやマナーを学ぶ機会として電話応対研修はとても有効です。

企業イメージがよくなる【企業】

電話対応は声のみで相手とコミュニケーションを取らなければならないため、応対者のスキルによって与える印象が大きく変わります。

電話対応者は企業の印象を左右する大切な存在です。また、電話先の相手にとって応対者が新人かどうかは関係ありません。そのため、電話応対研修を通して明るくハキハキと話せるよう練習する必要があります。

第一印象で「こんなに気持ちのよい企業なのか」と思ってもらえれば、企業に対するイメージも向上します。

トラブル発生時の対応がスムーズになる【企業】

何らかのトラブルが発生した場合、適切かつ丁寧な対応が求められます。

自社製品を利用している顧客からの問い合わせ(クレーム)などであれば、なおさら初動対応が重要です。

電話応対研修で丁寧な言葉遣いやマナーを身に付けることで、2次クレームの発生を防ぐ効果も期待できます。

電話応対研修は新卒社員の成長につながる

現代の新卒社員が過ごしてきた環境は、「電話対応なんてできて当たり前」という従来の価値観では補えないものとなっています。

それは時代の流れや技術の発達に伴うものであり、決して若者たちが悪いのではありません。

電話応対研修の導入は、新しい環境で成長しようと頑張っている若者たちを後押してくれることでしょう。

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(参考サイト・書籍)

・総務省「令和2年版情報通信白書」

https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/pdf/index.html

・「コールセンター白書2021」

月刊コールセンタージャパン編集部/株式会社リックテレコム/2021.10.26

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