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2021.10.05
組織全体で行うべきコールセンターのカスタマーハラスメント対策とは?

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こんにちは。「CallConnect」ライターチームです。

過度な要求で電話口のオペレーターを疲弊させるクレーマー。最近では、顧客による迷惑行為をカスタマーハラスメントと呼び、コールセンターの運営者が見過ごすことのできない問題とされています。

今回は、どういった状況がカスタマーハラスメントに該当するのか、その対処法について紹介します。

どういったことがカスハラなのか

コールセンターでは、クレームは業務の改善につながる貴重な意見だとされています。一方、顧客の言い分が不当な内容であれば、傾聴すべきではありませんが、どこからがカスタマーハラスメントなのか線引きが難しいとされています。


カスタマーハラスメントは、下記のような特徴を持っています。

・金品や商品などの要求

・脅迫や罵声を浴びせる

・複数回にわたる謝罪の要求

・長時間の拘束

・SNSなどでの嫌がらせ


ここでは、カスタマーハラスメントの具体的な内容をご紹介します。

 

「誠意を示せ」など精神的な要求を何度もされる

コールセンターで自分の要求が通らなくて憤りを感じた顧客が使うのが「誠意を見せろ」というフレーズです。誠意とは、物事に向き合う真摯な心を指します。一般的な苦情だと、たとえ相手が憤慨していても心から謝罪すれば、受け入れてもらえますが、カスタマーハラスメントの場合は、繰り返し誠意を示すことを要求します。


悪質なケースだと金品の要求を示している可能性があります。「料金をタダにしろ」というと恐喝になることを知っていて、あえて「誠意を示せ」という言葉を使っているのです。

そんな時は「お客様が納得していただける誠意とはどのようなものでしょうか」と聞いてみてください。金品や商品の要求をしてくる場合があるので、あらかじめコールセンター内で対応を考えておくと良いでしょう。

 

話し相手になってほしいが故に何度も電話をかけてくる

コールセンターに電話をくださる方の中には、ただ話し相手になってほしい方がいます。始めはサービスや商品に関しての問い合わせだった顧客が、だんだんと関係のない話に逸れていってしまう場合もあります。


話し相手を求めて電話をする方は、悪気のないお年寄りが多いですが、コールセンターの業務内容に関係のない話が長引くと、他の顧客を待たせてしまうことになります。最近では、ナンバーディスプレイサービスで誰からかかってきたか分かるようになっているので、こういった方に対しては、貫禄を感じさせる男性などが毎回対応するようになると電話が長引かない可能性があります。


自分の話し相手になってもらえず、憤慨して「対応が悪い」「サービスが悪い」などとクレームを言われる可能性がありますが、冷静に対処しましょう。そうしたことを繰り返す場合、威力業務妨害罪に該当する可能性もありますので、通話内容を記録しておくことをオススメします。

 

組織としてカスハラに対処する5つの方法

カスタマーハラスメントはどのコールセンターでも起こる可能性があるため、オペレーターに対応を一任するのではなく、組織として対応しなければなりません。

ここでは、組織としての対処法を5つの段階別にご紹介します。

 

【STEP1】初期対応はメールやSMSを使う

「料金未納」「審査不適合」などといったネガティブな案内を電話で伝えると顧客が憤慨し、対応に苦戦することが多くあります。

これらの対応をメールやSMSに変えることで、運営コストの削減にもつながります。ただ、それでもインバウンドセンターへの苦情は一定数あることを事前に考慮しておかなくてはいけません。

【STEP2】カスハラのタイプ別に対応フローを決めておく

相手が悪質なカスタマーハラスメントをしてくる場合、対応方法が明確に決まっていないとオペレーターはどのように対応すれば良いか分からず混乱してしまいます。その結果、通話時間が無駄に長くなったり、顧客を逆上させたりする恐れがあります。

 

また、暴言を聞き続けることによって、オペレーターが疲弊してしまい、最悪の場合、退職する可能性もあります。そうなる前に組織として「意見として傾聴するクレーマー」と、カスタマーハラスメントの境界線を引き、具体的にどのように対応するべきか決めておくことが重要となります。

 

 

【STEP3】苦情が来たら、管理者に伝えてモニタリングする

最も理想的なのは、管理者が過度な苦情を受けているオペレーターの異変にいち早く気付き、フォローすることです。モニタリングでの監視に加えて、フロアを巡回している管理者がいると、オペレーターの変化に早く気づけるでしょう。いつも管理者が席に座って忙しそうにしていると、オペレーターは「質問するのは申し訳ない」と躊躇してしまうこともあります。

 

【STEP4】カスハラ対応のマニュアルを作成

コールセンターに電話して苦情を言う顧客の中には、自分の不満に対して過度に説明を求める方がいます。通常であれば、オペレーターが丁寧に説明をすれば納得して許してくれます。しかし、カスタマーハラスメントの場合、「説明が足りない」と何度も繰り返して訴えるケースが見られます。


何度も説明して理解を得られなかった場合、「何をどこまで説明するべきか」相手に確認してみましょう。そうすると、「そんなことよりも説明責任を果たせ」とさらに激怒するかもしれません。


そうした場合、自分たちが説明できることは、全て話したことを伝えて、責任を受け入れるのは顧客次第であり、オペレーターが何か言える立場ではないと淡々と説明すると効果的です。

必要以上の苦情を言う方に対しての対応方法をマニュアル化して、コールセンター全体で共有しておくと、自分がするべきことが明確になっているため、迷わず案内できるでしょう。

【STEP5】それでもダメなら会社や顧問弁護士に対応を代わる

理不尽なカスタマーハラスメントへの対応は、納得を目指すのではなく、要求を諦めさせることがゴールになります。カスタマーハラスメントの要望を受け入れるのではなく、その要求が法律上通らないことを説明して、ハッキリと断ることが重要です。

相手は要望が通らないと激怒しますが、怯まずに同じ説明を繰り返します。それが原因で執拗な嫌がらせがある場合、会社や顧問弁護士から文書を出して要求を断る手段があります。

最近では、コールセンターでも弁護士と連携した対応をするケースも増えています。現場のスタッフだけでは解決できない問題が生じる時に備えて、弁護士を探しておくのも一つの方法です。過度な苦情を言う方は自分の要望が法律上通らないと理解している場合も多く、裁判をしても勝てないことを知っています。そのため、「法的処置を取る」といった時点で諦める可能性が高いでしょう。

悪質なクレーマーには組織全体で対応を

カスタマーハラスメントは、コールセンター内で取り扱っているサービスや商品に過失がないのに不当な要求をしたり、オペレーターに高圧的な態度を取ったりする人のことを指します。

コールセンターで勤務していると誰もがカスタマーハラスメントを受ける可能性があります。カスタマーハラスメントに対して組織全体として対応策を考えておかないと、対応したオペレーターが責任を感じて離職してしまうかもしれません。企業の上層部と連携を取り、カスタマーハラスメント対策に取り組みましょう。

参考:新人オペレーターの離職率を下げる5つの指導法とは?

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参考:「コールセンター ジャパン」2019年10月号

「図解でわかる コンタクトセンターの作り方・運用の仕方」
(著)有山裕孝・仲江洋美・市瀬眞/株式会社日本実業出版

合同会社selfree selfreeは「愛される企業を増やす」を企業理念に、取引先やパートナー、社員に対して真摯誠実な会社を増やすことを目標に日々行動しています。
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