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2023.06.30
CTIから見るコールセンターの歴史。CTIの最新機能もご紹介

今や、コールセンター業務になくてはならない「CTI」。

コールセンタージャパンの調べによると、2020年の段階で約9割のコールセンターがCTIを導入済み、あるいは導入予定だと回答しています。

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参考:月刊コールセンタージャパン編集部/『コールセンター白書2020』/株式会社リックテレコム/東京/2020.10.16/P89

CTIが普及するまでには、どんな歴史があったのでしょう?

この記事では、CTIの誕生と発展の経緯をご紹介します。コールセンターの運用の変遷を知るためにも、ぜひチェックしてください。

CTIとは

まずは、CTIとは何かを簡単におさらいしておきましょう。

CTI(Computer Telephony Integration)とは、電話・FAXとコンピューターを統合するシステムや技術の総称です。

コールセンターでは、CTIとPBX(Private Branch eXchange・構内交換機)を連携させることで、以下のような機能を実現しています。

<CTIとPBXの連携で使える機能>
・顧客情報のポップアップ
・クリックコール
・通話内容の録音、再生
・IVR(自動音声応答機能)

CTIについてより詳しく知りたい方は、以下の記事をご一読ください。

CTIから見るコールセンターの歴史

ここからは、CTIに関連するコールセンターの歴史を見ていきましょう。

大まかな流れは以下のとおりです。

CTIから見るコールセンターの歴史
【1970年代】電話機・コンピューターの普及
【1980年代】デジタルPBXとコールセンターの登場
【1990年代】CTIが誕生
【2000年代】IP-PBXの誕生とCTIの低価格化
【2010年代】PBX・CTIのクラウド型が登場

【1970年代】電話機・コンピューターの普及

日本初の電話サービスが開始されてからおよそ80年。

1970年代には電話機の普及が進み、家庭用電話機の導入が50%を超えました。

それに伴い、ビジネスの場でもコミュニケーションツールとして電話機の役割が大きくなっていきます。

また、コンピューターが一般企業で活用されるようになったのも1970年代です。

大型の汎用コンピューターに始まり、事務処理用のオフィスコンピューター、インターネットが使えるパソコンと主流を変化させながら、コンピューターがより身近な存在になっていきます。

【1980年代】デジタルPBXとコールセンターの登場

1982年、デジタル方式のPBX(構内交換機)が誕生。

スイッチを使用したアナログ方式のPBXよりも内線の交換がスムーズになり、音声品質も格段に向上しました。

さらに顧客からの入電件数の増加を受け、問い合わせ先を一本化した電話窓口、つまり「コールセンター」を設置する企業が現れます。

諸説ありますが、1985年にNTTが開設した電話案内の総合窓口がコールセンターの元祖だという説が有力です。

【1990年代】CTIが誕生

1990年代、電話での顧客対応を支援するシステムとしてCTIが誕生します。

CTIの登場でコールセンターの業務スタイルは一変。

これまで受話器を片手にメモをとりながら仕事をしていたのが、ヘッドセットとパソコンで対応するようになったのです。

また、コンピューターと接続したことで、通話履歴をより詳細に記録できます。

コンピューター上で使用できるCRM(Customer Relationship Management・顧客関係管理)システムも登場し、顧客の属性(性別、年齢、住所、電話番号など)、購買履歴、問い合わせ内容を把握した上で、よりスピーディーできめ細やかな対応が求められるようになりました。

【2000年代】IP-PBXの誕生とCTIの低価格化

2000年代、インターネットが大きな潮流となり、既存の低速回線を高速回線に切り替えるブロードバンド化が進みます。

ここで誕生したのが、インターネット回線を利用したIP-PBXです。

従来のPBXが固定電話回線を利用していたのに対し、IP-PBXはLANケーブルなどのインターネット回線を利用。インターネットを経由して会話するIP電話が普及していきます。

さらに、ソフトウェアタイプのIP-PBXが登場したことでPBXとCTIの導入コストが軽減。

CTIの低価格化が進みました。

【2010年代】PBX・CTIのクラウド型が登場

2010年代には、インターネットを経由することで場所にとらわれずに利用できるクラウドが普及。

PBXとCTIにもクラウド型が登場し、以下のようなメリットが生まれました。

・設置費用やメンテナンス費用の削減
・利用規模を自由に変更可能
・自宅勤務などワークスタイルの変革

2023年現在でも、コールセンターシステムの主流はクラウド型です。

CTIの最新機能

最後に、最新のCTIに付随している以下の機能をご紹介しましょう。

CTIの最新機能
  • 通話内容の文字起こし
  • 通話内容の自動要約
  • 通話内容のスコアリング
  • プレディクティブコール
  • 社内ツールとの連携

通話内容の文字起こし

AIが音声を解析し、全ての通話内容をテキストに書き起こします。

そのため人の手で対応履歴を書き残す手間がなくなり、後処理時間が短縮。

引継ぎの漏れも防げます。

通話内容の自動要約

ChatGPTとの連携により、AIが通話内容を自動で要約します。

上でご紹介した「通話内容の文字起こし」の機能では通話内容すべてを文字に残すため、オペレーターが内容を把握するのに時間を要するケースがありました。

一方、自動要約では通話内容が短い文章にまとまっているため、スピーディーに要点を把握でき、大幅な業務効率の改善につながります。

CTIによっては、通話内容の文字起こしと自動要約の両方の機能を提供しているため、用途によって使い分けることが可能です。

通話内容のスコアリング

AIが以下のような要素をチェックし、オペレーターの話し方を評価します。

<通話内容のチェック項目>
・オペレーターの話す速度
・顧客とのラリー回数
・顧客が話している途中でオペレーターが話し始める「被せ」の有無 など

従来の人によるスコアリングは評価に時間がかかると同時に、正確性にも不安が残るものでした。

対してAIのスコアリングでは評価者の手間が削減されるだけでなく、定量的で正確な数値が算出。

そのため、フィードバックや自己学習の機会をこれまで以上に頻繁につくることができ、オペレーターのスキルアップに役立ちます。

また、スコアリングのルールをカスタマイズできるCTIを選べば、より組織にマッチした運用が可能です。

プレディクティブコール

登録された電話番号に一斉に架電する機能で、特にアウトバウンド業務に活用されています。

つながった電話のみを空いているオペレーターに自動接続し、不在の相手については記録を残して後ほど自動で再コールするため、架電業務が大幅に効率化します。

社内ツールとの連携

Slackのような社内用のコミュニケーションツールと連携することも可能です。

電話の着信、通話に関する情報、特定のキーワードが出現したタイミングなどをSlackに自動投稿することで、部署内にタイムリーに周知されます。

まとめ

コールセンターの働き方を大きく変えたCTI。

その変遷を辿ると、問い合わせやクレームの窓口として始まったコールセンターが、顧客との結びつきを強化するための企業戦略へと発展していった歴史が分かります。

AIの台頭により、現在もCTIは進化を続けています。

まだ導入していない、あるいは現状のCTIに不便さを感じている方は、自社の課題を解決するCTIがないか一度チェックしてみてはいかがでしょうか?

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