こんにちは。「CallConnect」ライターチームです。
コールセンター業務になくてはならないのが各種業務支援システムです。
そのなかでも、コールセンター業務において特に活用されているのが「CTI」と呼ばれるシステムです。
さまざまな問い合わせを受けるコールセンター業務において、CTIシステムはどのような役割を果たし、オペレーターや管理者の業務を支えているのでしょうか。
今回は、コールセンター運用に欠かすことのできないシステム「CTI」を導入するメリットやデメリットなどについて解説します。
CTIシステムの中身をしっかりと理解し、これまで以上にうまく活用ができるようになるためにも、ぜひ参考にしてください。
- CTIシステムの概要と現場への導入状況
- CTIには2つの種類がある
- CTIの導入で活用できる機能
- CTIの導入で得られるメリット
- CTIの導入によるデメリット
- CTIの活用で一歩先の運用を実現しましょう
CTIシステムの概要と現場への導入状況
CTIとはどのようなシステムのことでしょうか?また、コールセンターの現場へのCTIの導入状況はどうなっているのでしょうか?それぞれみていきましょう。
CTIシステムの概要
CTI(Computer Telephony Integration)は、パソコンと電話機の機能を融合するシステム、またはそれらの総称として用いられる呼称です。
単体で活用されることは少なく、CRM(顧客管理システム)など他システムと連携させることで、顧客情報の呼び出しや折衝記録の確認など、さまざまな運用が実現できます。
業務効率の改善や顧客満足度の向上などが期待できることから、コールセンターの現場ではなくてはならないシステムのひとつです。
CTIの導入状況
『コールセンター白書2020』によると、「CTI対応状況」を確認したアンケート結果はこのようになっています。
参考:月刊コールセンタージャパン編集部/『コールセンター白書2020』/株式会社リックテレコム/東京/2020.10.16/P89
これによると、76%の企業がCTIを「導入している」と回答しており、さらに10%の企業が「導入予定あり」としています。
また、2019年の調査結果では、「導入している」が60%であったことから、CTIシステムの導入数は1年間で大きく増加したといえます。
CTIの導入が進む背景にはさまざまな要因がありますが、そのなかでもコールセンター業務の在宅化(テレワーク化)に伴う需要の伸びは見逃せません。
コールセンター業務の在宅化の問題点として、「応対品質を保って対応ができるか」というものがあります。在宅勤務の場合、管理者や先輩オペレーターの支援を瞬時に受けるのは困難だからです。
そのため、CTIをはじめとするITソリューションを活用し、顧客対応の品質保持や業務効率の向上を図る企業が多いようです。
新型コロナウイルスの流行に伴って在宅勤務化が進んだことから、同感染症の動向によっては、さらにCTIの導入を検討する企業も増加するのではないでしょうか。
CTIには2つの種類がある
CTIシステムには大別すると、オンプレミス型とクラウド型の2種類があります。それぞれどのような違いがあるのかみていきましょう。
オンプレミス型
オンプレミス型は、社内に自前のサーバーを設置したうえでパソコンと電話機を接続する方法です。
自社の業務内容によって細かく設定の変更ができるほか、長期的な視野で考えれば、ランニングコストが継続して発生するクラウド型よりコストを抑えられるというメリットがあります。
しかし、サーバーを設置する場所の確保や運用者の選任、初期費用が高い、といったデメリットも挙げられます。
クラウド型
クラウド型は、サービス提供者が管理・運用するネットワーク上のCTIシステムを活用する方法です。
自社でサーバーを用意する必要がないため、初期費用を抑えられる、導入までの期間が短くて済むという特徴があります。
また、サービス提供者によってサーバーの管理・運用が実施されることから、細かい保守作業の手間を省けるというメリットも魅力のひとつです。
一方で、オンプレミス型のように自社運用ではないため、システムの仕様を柔軟に変更できないというデメリットがあります。
とはいえ、現在提供されているクラウド型CTIの多くは拡張性が豊富であるため、自社にあったシステムの仕様変更にも柔軟に対応できるようになってきています。
CTIの導入で活用できる機能
CTIの導入によってどのような機能が活用できるのでしょうか?
代表的なものをいくつかみていきましょう。
顧客情報のポップアップ
顧客から着信があった際、オペレーターの業務画面に顧客情報をポップアップ表示させる機能です。
顧客情報の検索時間が削減できるため、対応時間の短縮や対応の長時間化によって顧客にかかるストレスを軽減できます。
また、オペレーターの業務画面上にポップアップとして顧客情報が表示されるため、着信を取り損ねる心配もなくなります。
クリックコール
クリックコールは、顧客リストに保存された電話番号をマウスでクリックするだけで、すぐに架電が開始される機能です。
電話番号を直接入力する手間が省略されるため、入力時間の短縮や入力時の番号間違いなどが発生しません。
大量の架電が必要とされるアウトバウンド業務はもちろん、折り返し対応が多くなりがちなインバウンド業務においても有効な機能です。
通話内容の録音・再生
顧客とのやり取りを録音・再生する機能は、コールセンターで発生するトラブルを防止する上で欠かせません。
クレームが発生した際、前回のやり取りに不備がなかったか確認が取れるため、今後の顧客対応をどのように進めていくかの方向性を決めるときに活用できます。
また、録音した内容を事後に確認することで、改善点の洗い出しやオペレーターへのフィードバックが可能となり、応対品質の向上も期待できます。
IVR(自動応答電話)
IVRとは、着信時に自動音声によるガイダンスを顧客側に流し、選択した用件に該当する担当者へ着信先を自動で振り分ける機能です。
例えば、コールセンターへ電話をした際に、「○○の方は1を、○○の方は2を…」というガイダンスを耳にしたことがあると思います。
これがIVRによる自動音声ガイダンスです。
IVRの導入によって、顧客の用件に詳しいオペレーターが対応できるため、迅速な課題解決による顧客満足度の向上が期待できます。
CTIの導入で得られるメリット
CTIの導入によって得られるメリットをご紹介します。
業務効率の改善
顧客情報のポップアップやクリックコール機能などの活用により、オペレーターの顧客対応業務を効率化できます。
また、CTIシステムにはレポート機能も搭載されているため、日々の運用状況をデータとして抽出し、業務効率化に向けた参考資料としても活用が可能です。
業務効率の改善は応対品質の向上や応対時間の短縮などにも大きく関わってくるため、CTIシステムによる支援はコールセンター運用に欠かせないものとなっています。
人材育成に役立てられる
CTIシステムに含まれている顧客対応時の音声を保存・再生する機能は、オペレーターや管理者の対応が適切であったかを第三者の目で確認できます。
これにより、対応に不適切なところがあれば的確な指摘ができ、より精度の高い人材育成につながります。
また、録音した音声はオペレーターの人事評価時にも活用できることから、管理業務の面から見ても重要な指標のひとつです。
顧客満足度の向上
CTIシステムの活用により、迅速かつ適切な顧客対応が実現できるため、それに伴った顧客満足度の向上も期待できます。
コールセンターに電話をかけてくる顧客は、「オペレーターなんだから回答できて当たり前だ」という前提で電話をしてきます。
しかし、オペレーターの知識不足や技量不足で対応が不十分になってしまうと、対応時間の長期化や別担当への転送が多くなり、最悪の場合、大きなクレームにつながるかもしれません。
そのため、専門の担当者へ自動で振り分けてくれるIVRなどの機能を活用しながら、効率的かつ迅速に課題解決できる仕組みづくりが必要となるわけです。
CTIの導入によるデメリット
CTIの導入によって発生するデメリットは以下の2つです。
導入コストがかかる
CTIシステムを導入するためには導入コストが必要です。
サーバーを自前で用意する必要のあるオンプレミス型であれば、設備の導入に伴う初期費用が高額になりやすい反面、継続的に発生するランニングコストを抑えられます。
クラウド型は初期費用を少なく抑えることができますが、ランニングコストがオンプレミス型より長期的には高くなる可能性があります。
それぞれ一長一短があるため、見積もりを取るなどして、性能とコスト面を満たしたサービスを見つけるようにしましょう。
導入までに時間がかかる
オンプレミス型とクラウド型によって異なりますが、CTIシステムの導入までには時間がかかります。
一般的には、サーバーを自前で準備しなければならないオンプレミス型のほうが、導入までの期間が長くなります。
クラウド型はインターネット環境・パソコン・電話機 or PCがあればすぐに導入できるため、すぐにでもCTIシステムを活用したい場合はクラウド型がおすすめです。
CTIの活用で一歩先の運用を実現しましょう
CTIシステムはコールセンターの運用を手助けする大切な役割を持っています。
自社で抱えている問題を洗い出し、CTIシステムの導入によって改善できるものがあるか一度検討してみてください。
そうすることで、いまよりも一歩先のコールセンター運用が実現できるようになるでしょう。
「CallConnect」は、クラウド型のCTIシステムです。
顧客情報のポップアップやクリックコール、通話内容の録音・再生などを提供しており、最短即日でCTIシステムを導入することができます。「CTIを導入して業務効率を改善したい」という方は、無料トライアルをお試しください。
(参考書籍)
「コールセンター白書2020」
月刊コールセンタージャパン編集部/株式会社リックテレコム/2020.10.16