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2022.05.12
コールセンターの目標設定について。目標を立てる手順やKPIを解説

こんにちは。「CallConnect」ライターチームです。

会社を成長させるために目標設定は欠かせません。具体的に目指すものがなければ、業務の指針がわからず、業績は停滞してしまうでしょう。

しかし、いざコールセンターの目標を立てるとなると「どうやればいいのかわからない…」と悩む方も多いのではないでしょうか?

この記事では、コールセンターでの目標設定の手順や代表的なKPIについて解説します。目標を立てる際に必ず押さえておくべきポイントも紹介しますので、ぜひ最後までチェックしてください。

目標設定の手順

目標を設定する手順は以下のとおりです。

目標設定の手順
①最終目標(KGI)を決める
②最終目標から逆算し、必要な要素(KSF)を洗い出す
③洗い出したKSFを業務レベルに細分化し、KPIを設定する
④KPIの数値目標を立てる
⑤KPI達成のためのタスクを洗い出し、PDCAを回す

以下で詳しくご説明します。

①最終目標(KGI)を決める

まずは最終目標(KGI)の設定が必要です。

KGIとは
「Key Goal Indicators」の略で「重要目標達成指標」と訳されます。
ビジネスの最終目標を数値化し、達成度合いを計測・評価するための指標。最終目標なので、「売上を前年比10%アップ」というように自社の収益に関する内容を設定します。

問い合わせ対応がメインのインバウンドコールセンターは、直接的に商品・サービスの販売に関わらないため、KGIが曖昧になりがちです。

しかし、コールセンターが「コストセンター」から脱却し「プロフィットセンター」になるには、会社の収益につながる具体的なKGIが欠かせません。お客様と直接会話できる部署として売上向上に貢献できる方法を探り、定量的なKGIを設定しましょう。
コールセンターにおけるKGIの例は以下のとおりです。

・顧客満足度を前年比○○%アップ
・顧客ロイヤルティを高めるためにNPS(ネットプロモータースコア)〇点以上にする
・商品のリピート率を前年比○%アップ
・アップセル/クロスセル率を前年比○%アップ
・業務効率化により運営コストを前年比○%カット

②最終目標から逆算し、必要な要素(KSF)を洗い出す

次に、最終目標から逆算し、達成のために必要な要素(KSF)を洗い出します。

KSFとは
「Key Success Factor」の略で「重要成功要因」と訳されます。
最終目標であるKGIの達成のために必要な要素であり、”目標達成の鍵”です。
例えばKGIが「ECサイトの売上を前年比〇〇%アップ」の時に考えられるKSFには、「品揃え」、「広告宣伝」、「SEO対策」などがあります。
あくまで「要素」なので、KSFは数値化しなくてOKです。

KSFを定めることで、目標達成への方向性が明確になります。

例えばKGIが「顧客満足度を前年比○○%アップ」のコールセンターの場合、KSFとして以下のような要素が考えられるでしょう。

・電話のつながりやすさ
・応対品質
・好みのチャネルを利用できる
・受付時間

③洗い出したKSFを業務レベルに細分化し、KPIを設定する

出揃ったKSFを業務として具体的に実行できるレベルまで細分化し、数値で測れるようにKPIを設定します。

KPIとは
「Key Performance Indicators」の略で「重要業績評価指標」と訳されます。
最終目標であるKGIを達成するための中間指標なので、誰もが同じように達成度や進捗状況を把握できるよう、必ず数値化できる基準を設定します。

例えばKSFが「電話のつながりやすさ」なら、KPIには以下のような指標が設定されます。

・応答率
・SL(サービスレベル)
・ASA(平均応答速度)
・CPH(1時間当たりの対応件数)

④KPIの数値目標を立てる

KGIを達成するための中間指標として、KPIの数値目標を立てます。

例えば、
・KGI:顧客満足度を前年比○○%アップ
・KSF:電話のつながりやすさ
・KPI:応答率
という条件なら、以下の目安を参考に、顧客満足度が上がる「応答率90%以上」を目標にするイメージです。

応答率 状況
90%以上 お客様がストレスを感じないレベル。
たまの取りこぼしを除き、ほとんどの着信に対応できている状態。
80~89% オペレーターにつながるまで時間がかかり、待たされたお客様からクレームが出始めるレベル。
50~79% 電話がつながらないため、同じお客様が何回もかけ直すことが増える状態。
50%以下 半数以上の電話がつながらないため、多くのお客様が不満をもつ状態。競合他社に乗り換える可能性が高まる。

⑤KPI達成のためのタスクを洗い出し、PDCAを回す

目標設定をした後は、KPI達成のために必要なタスクを洗い出し、PDCA(Plan:計画→ Do:実行→ Check:確認→ Act:改善)のサイクルを回します。

当たり前ですが、KPIは設定するだけでは意味がありません。目標達成のためにタスクを実行し、数値の推移を確認した上で、内容をブラッシュアップする必要があるのです。

例えばKPIが応答率なら、「今の応答率が低いのはなぜか」を考え、以下のようなタスクを洗い出します。

・通話時間が長い
 ⇒トークスクリプトを用意し、通話時間を短縮
・後処理時間が長い
 ⇒切電後のログを簡素化し、後処理時間を短縮
・オペレーターの数が足りない
  ⇒人員配置の変更

これらのタスクを実践した後には、応答率がどう推移したのかを調べ、効果を検証します。結果によっては、KPI自体を見直す必要が出てくるかもしれません。

軌道修正を続けながら、最終目標の達成を目指しましょう。

コールセンターにおけるKPIの例

コールセンター業務には、様々なKPIが存在します。

本章では、以下の3つの観点から代表的なKPIの例をご紹介します。

  • 応対/接続品質
  • 生産性
  • 顧客満足度

以下で詳しくご説明します。

応対/接続品質を測るKPI

応対/接続品質を測るの代表的なKPIは以下のとおりです。

応答率
かかってきた電話に対し、どれだけ応答できたかを示す指標。
応答率(%)= 応答数 ÷ 入電数 × 100 で算出される。

SL(サービスレベル)
着信から一定の時間内に応答できた割合を示す指標。
SL(%)= 目標時間内に応答できた件数 ÷ 入電数 × 100 で算出される。

ASA(平均応答速度)
着信からオペレーターが応対するまでの平均時間を示す指標。
ASA(秒)= 応答までにかかった時間の合計 ÷ 入電数 で算出される。

生産性を測るKPI

生産性を測る代表的なKPIは以下のとおりです。

CPH(1時間当たりの対応件数)
1時間に何件の着信に対応できたかを示す指標。
CPH(件)= 1日の応答数 ÷ 1日のログイン時間 で算出される。

稼働率
給与が発生している時間内で、顧客対応に充てた時間の割合を示す指標。
稼働率(%)= 顧客の応対時間(通話・保留・後処理・待機時間など) ÷ 勤務時間 × 100 で算出される。

AHT(平均処理時間)
通話1件あたりに費やした時間の平均を示す指標。
AHT(秒/分)= (通話時間の合計+後処理時間の合計) ÷ 応対数 で算出される。

ATT(平均通話時間)
通話時間の平均を示す指標。
ATT(秒/分)= 通話時間の合計 ÷ 応対数 で算出される。

ACW(平均後処理時間)
後処理時間の平均を示す指標。
ACW(秒/分)= 後処理時間の合計 ÷ 応対数 で算出される。

CPC(1コールあたりのコスト)
1通話にかかるコストを示す指標。
CPC(円)= コールセンターの全体コスト ÷ 応対数 で算出される。

顧客満足度を測るKPI

顧客満足度を測る代表的なKPIは以下のとおりです。

CS(顧客満足)
顧客が商品やサービスにどれだけ満足しているかを示す指標。
算出方法に決まりはなく、各社ごとにアンケートを実施して収集したデータを元に数値化する。

NPS(顧客推奨度/正味推奨者比率)
顧客が企業や商品、サービスを親しい人物に薦める可能性を示す指標。
他社に薦めたい程度を0~10点の11段階で回答してもらい、以下の計算式で算出する。
NPS(%)= 推奨者(9点・10点)の割合 - 批判者(0点~6点)の割合

CES(顧客努力)
顧客が課題解決の際に感じた労力やストレス、総じて不満足度を示す指標。
サービス利用に要した負担の程度を1~7の7段階で回答してもらい、以下の計算式で算出する。
CES(%)= 好意的意見(6点・7点)の割合 - 批判的意見(1点~3点)の割合

目標設定の5つのポイント

目標を設定する際に押さえておくべき5つのポイントをまとめて「SMARTの法則」と言います。内容は以下のとおりです。

Specific:具体的である
Measurable:数値で計測が可能
Achievable:達成可能である
Relevant:経営目標に関連性がある
Time-bound:期限が決まっている

いずれかが欠けていると目標が漠然とし、掲げるだけの「無用の長物」になってしまいます。明確な目標設定で実績を上げるためにも、必ず「SMARTの法則」をクリアしているか確認しましょう。

まとめ

自社の目標設定について、具体的なイメージがわいたでしょうか?
この記事をもとに適切な目標を掲げ、あなたのコールセンターが一層飛躍することを願っています。

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