こんにちは。「CallConnect」ライターチームです。
コールセンターを運営するにあたり、「稼働率」は非常に重要な指標です。
稼働率を見ることで、応対品質、顧客満足度の向上を図ることができ、勤務時間や人件費の調整など、コスト削減の目安にもなります。その他、オペレーターの応対品質など、現在の業務効率を具体的に確認できるため、上手く使いこなして、勤務体制や教育内容の見直しなどに役立てましょう。
コールセンターにおける稼働率とは
稼働率とは、オペレーターの勤務時間に対して、顧客対応に費やした時間の割合を指します。具体的には、オペレーターの勤務時間から、昼休み、研修や勉強会、ミーティングなどの時間を除き、実際に顧客対応業務にあたった時間の割合を算出します。
顧客対応時間に含まれるもの
- 顧客との通話対応
- 顧客とのメール(チャット)対応
- 通話保留時間
- 後処理時間(データ入力など)
- 待機時間
顧客対応時間に含まれないもの
- トイレなどによる離席
- 昼休み
- 研修/勉強会
- ミーティング
稼働率の計算式
稼働率は
「(通話時間+保留時間+後処理時間+待機時間)÷給与支払い時間」
で算出します。
算出する前に、「給与支払い時間」をどう設定するかをあらかじめ決めて置く必要があります。「給与支払い時間」の設定は、主に以下の2パターンがあります。
▼パターン1
給与支払い時間を、「総ログイン時間-離席時間」に設定
給与発生時間を「総ログイン時間から昼休憩などの離席時間を除く」と設定する方法です。基本的には、この計算方法を用いられることが多いです。
離席時間が増えるほどに稼働率は増加してしまうため、トイレ休憩で抜けている際や、ミーティングなどによる離席時間の管理が重要になってきます。
▼パターン2
給与支払い時間を、「総ログイン時間」に設定
給与発生時間を「総ログイン時間」とし、離席時間も含めて設定する方法です。
経営者目線のKPIにはこちらを重視する傾向があり、昼食時間はログアウトするなど、適切なログイン管理が必要です。
稼働率は高い(低い)とどうなるか
稼働率が高い状態
稼働率が高い場合、業務量に対し、オペレーターの人数が足りていないため、オペレーターの負荷が高い状態です。
稼働率が高い状態が続くと、時間的な余裕が少なく、疲労が蓄積されたり、良い対応するための準備や確認のための時間を確保できず、顧客対応品質の低下を招きます。
また、稼働率が高いコールセンターでは、オペレーターのストレスも蓄積されるうえに、クレーム対応で精神的にまいってしまい、離職率も高くなる傾向があります。
離職率が高まると、オペレーターの育成が間に合わず、顧客満足度をあげることが難しくなるため、早急な対策が必要です。離職率を下げるための施策については、こちらの記事を参考にしてください。
※注意
ベテランのオペレーターが多数対応していたり、テクニカルな業務ではなく、対応の難易度の低い場合は、稼働率が高い傾向があります。
稼働率の高さだけでなく、業務内容に見合った稼働率かどうかを判断する必要があります。
稼働率が低い状態
稼働率が低い場合、オペレーターが多すぎる、正しく勤怠管理ができていない状態です。(オペレーターの怠慢、ステータスの登録を間違えているなど)人員配置の見直し、シフトの見直し、稼働率の正常化を図る必要があります。
また、正しいステータス登録の徹底や、現場でのルールを共有するなど、ヒューマンエラーをなくし、より正確な稼働率を出せるように心がけましょう。
※注意
24時間対応のコールセンターでは、入電の少ない深夜帯や、週末、祝日などの休日は、稼働率が低い傾向があります。新人のオペレーターが多く、フィードバックに時間が取られたり、効率的な業務が難しい人員が多い場合も、稼働率は下がる傾向にあります。
単純な稼働率の低さだけではなく、コールセンターの状況を見て、稼働率が高いかどうか判断しましょう。
稼働率の目安
一般的には稼働率を80%~85%で維持するのが最適だと言われています。
常に85%を超えていると以下のことが考えられ、注意が必要です。
- オペレーターが足りない
- 対応が多く、ストレスがたまりやすい
- 対応件数が想定よりも多い状態
常に90%を超えていると以下のことが考えられ、早急な対策が必要です。
- オペレーターの数が絶対的に足りない
- 肉体的、精神的な負担が大きい
- 対応の合間に息を付く間もない
- 対応件数が想定よりもかなり多い状態
特に常に90%を超える稼働率状態であれば、オペレーターは精神的にも肉体的にも疲弊している可能性が非常に高く、燃え尽き症候群を引き起こしてしまい、早期の離職に繋がると言われています。
稼働率を適正に保つために必要なこと
時間帯別で、分析をする
コールセンターの稼働率を適正に保つためには、生産時間と非生産時間のバランスを取ることが重要です。
需要の高い時間帯や曜日、時期などを分析し、オペレーターの人数調整を行いましょう。この際、午前、午後で業務量が異なる場合も分析しましょう。
待機時間に教育をする
コールセンターは、時間帯によって忙しい時間と落ち着いている時間の差があるため、待機時間が長い場合、教育の時間に充てましょう。
待機時間に教育をすることは、時間効率がよく、オペレーターの質の向上やモチベーション向上につながります。
ステータス管理を徹底する
「通話中」「研修中」などのステータス管理を徹底して行いましょう。人為的ミスで、ステータスが正しく反映されていないと、正確な稼働率を算出できないからです。オペレーターの負担を減らすためにも、システムを使用する場合は、ステータス管理規則の周知を徹底しましょう。
リモートワーク
昨今はコロナ禍によるリモートワークが増加しており、コールセンター業務を在宅で行う例も増えてきました。しかし、リモートワークにより、およそ50%の人が、「生産性が下がった」と回答しています。
理由として、同じフロアでオペレーターの様子を確認できず、監視役もいないため、自宅で集中力が大きく低下してしまうようです。この場合も、ケースに合わせて適正な稼働率を常に考えて運営しましょう。
出典:恒常的なテレワーク(在宅勤務)状況に関するアンケートを実施より詳細な在宅でのコールセンター業務については、こちらの記事も合わせてご覧ください。
参考:在宅コールセンターの問題点とマネジメントのポイントを解説
まとめ
コールセンターの稼働率について解説しました。
コールセンターの稼働率は、運営者にとって最も重要な指標といっても過言ではありません。適正な稼働率を維持し、より良い品質の応対ができるよう、心がけていきましょう。
「CallConnect」は、テレワークに対応したコールセンターシステムです。
顧客情報やこれまでの対応履歴を確認でき、スムーズな電話対応を実現します。
応答率や平均通話時間といった指標を、期間やメンバーを指定して、数値やグラフで表示し、リアルタイムでオペレーターの状況を把握できます。また、通話の録音や分析、Slackなどのチャットツールに通話内容を通知することもできます。
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