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2022.11.18
コールセンターのビジュアルIVR。概要や導入の向き・不向きについて解説

こんにちは。「CallConnect」ライターチームです。

企業と顧客の接点としてスマートフォンの存在感が増す中、コールセンターで使用される音声案内をスマホ画面で見える化する「ビジュアルIVR」が注目を集めています。

しかし、「ビジュアルIVRっていまいちピンとこない」「自社に導入すべきか分からない」とお悩みの管理者の方も多いのではないでしょうか?

この記事では、ビジュアルIVRの概要や導入に向いているコールセンターの条件などについて解説します。顧客とオペレーター双方の負担を軽減するためにも、ぜひ最後までチェックしてください。

コールセンターのビジュアルIVRとは

ビジュアルIVRとは、スマートフォン利用者を対象に、IVR(自動音声応答システム)の音声案内を可視化してWebサイトやアプリ上にメニューを表示させるシステムのことです。

従来のIVRでは「製品のお問い合わせは1を、修理のご相談は2を押してください」といった音声案内に従ってプッシュボタンを操作していましたが、ビジュアルIVRではWebページやアプリの画面上のメニューから知りたい項目を選択します。

音声案内を聞き逃す心配がなく、顧客のペースで操作できるため、利便性が高く、導入を検討するコールセンターが増えています。

ビジュアルIVRの2つのアクセス方法

ビジュアルIVRにアクセスする方法は、以下の2通りです。

ビジュアルIVRの2つのアクセス方法
・SMSで送られてきたURLからアクセス
・専用のアプリからアクセス

具体的な利用の流れは、下図を参考にしてください。

主流になっているのは、コールセンターに電話をかけてきた顧客に対し、音声ガイダンスでビジュアルIVRの利用を案内する方法です。ビジュアルIVRを選択した顧客にはSMS(ショートメッセージ)が送信され、メッセージに記載されたURLからアクセスできます。この場合、既存のWebコンテンツを活用できるので、開発工数やコストを抑えることが可能です。

一方、スマートフォンに専用アプリをインストールすることを前提としたビジュアルIVRもあります。特定の電話番号への発信操作をトリガーにアプリが起動したり、アプリを直接タップすることでメニューが表示されるため、顧客側の利便性が向上します。その分、各種OSに合わせた専用アプリの開発が必要ですが、キャンペーンや重要なお知らせをプッシュ通知で知らせるなど、柔軟に設計できる点がメリットです。

ビジュアルIVRのメリット

ビジュアルIVRを導入するメリットは、主に以下の2点です。

ビジュアルIVRのメリット
・問題解決までの時間が短縮され、顧客のストレスが軽減
・入電数の減少により、オペレーターの負担が軽減

以下で詳しく説明します。

問題解決までの時間が短縮され、顧客のストレスが軽減

ビジュアルIVRの最大のメリットは、問題解決までの時間が短縮され、顧客のストレスが軽減することです。解決のスピードが向上する理由は、以下のとおりです。

・メニューの全体像が視覚的に把握できるため、再生速度の遅い音声案内を最初から最後まで聞く必要がない
・音声案内を聞き漏らし、冒頭から再生し直す手間がなくなる
・音声のIVRより細分化された選択形式を設定できるため、問題の絞り込みにより適切な解決方法が提示できる
・24時間対応できるので、営業時間を待たずに自己解決できる

下図のとおり、コールセンターに電話した顧客の不満の多くは、音声案内を聞きながら待たされる時間の長さに起因しています。

出典:月刊コールセンタージャパン編集部/『コールセンター白書2021』/株式会社リックテレコム/東京/2020.10.26/P120

こうした不満を解消するために、FAQやチャットといった”待たずに自己解決できる手段”へ誘導するビジュアルIVRは有効です。

自己解決率の向上により、オペレーターの負担が軽減

ビジュアルIVRの導入によって顧客の自己解決率が上がれば、自ずと入電数が減少し、オペレーターの負担軽減も期待できます。オペレーターの負担が軽減するまでの流れは、以下の通りです。

①入電した顧客を、FAQやチャットボットといったサポートコンテンツへ誘導
②サポートコンテンツの浸透により顧客の自己解決率が向上し、有人対応が減る
③オペレーターのリソースをより複雑な問い合わせに集中できる

また、最終的に有人対応をする場合でも、オペレーターに繋がる前に必要情報を入力してもらったり、問い合わせ内容の絞り込みをしたりすることで、確認作業を削減できます。

ビジュアルIVRのデメリット

ビジュアルIVRのデメリットは、導入や運用にコストがかかる点です。金額には機能要件により幅がありますが、初期費用は数十万~数百万、月額費用は数万~数十万を要します。

そのため、コールセンターの規模や状況と照らし合わせ、導入の効果を慎重に見極めましょう。

ビジュアルIVR導入の向き・不向き

導入を検討する際には、以下を参考に自社コールセンターがビジュアルIVRに向いているか否かをチェックしてください。

ビジュアルIVRが向いている
コールセンター
ビジュアルIVRが向いていない
コールセンター

・FAQ、チャットボット、有人チャット、
 メールなど、複数のチャネルを運用
・定型文で回答できる単純な問い合わせが
 メイン
・スマートフォンからの問い合わせが多い

・電話以外のチャネルが揃っていない
・定型文で回答できない複雑な問い合わせが
   メイン
・スマートフォンからの問い合わせが少ない

ビジュアルIVRの効果を最大限に発揮するには、FAQやチャットボットといった顧客を自己解決に導くチャネルが必要です。もちろん、入電を適切なオペレーターへ振り分ける使い方もできますが、入電数を減らさなければ顧客の待ち時間を大幅に減らすことは困難です。

そのため、電話以外のチャネルを揃えた後にビジュアルIVRを導入することをお勧めします。一部のビジュアルIVRにはFAQやチャットの機能が付いていますが、あくまでオプションの位置付けのため、どこまで柔軟に設計できるかは注意して確認しましょう。

また、いくら複数のチャネルが揃っていても、利便性が低ければ顧客は離脱してしまいます。確認ステップがあまりに多い、ビジュアルIVRで完結できる割合が少ないといった状況だと、導入のメリットは感じづらいでしょう。

まずは日々のお問い合わせ内容を分析し、件数が多いものをビジュアルIVR経由でスムーズに解決できるかをチェックしましょう。

関連記事:コールセンターにIVRは必要?導入のメリットやポイントをご紹介

まとめ

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社が行った調査によると、コールセンターに電話をかけて”SMS経由のWebコンテンツの利用”を提案された場合、希望する人の割合は40.9%でした。その理由は、「早く解決したいから」「Webで解決できたら便利だから」というものが多数であり、電話をかけてきた顧客の中にもWebコンテンツによる素早い解決を希望している層が一定数いると明らかになっています。

ビジュアルIVRを活用すれば、こうした”とりあえず電話をかけた顧客”を適切なサポートツールへ誘導し、顧客とオペレーター双方の負担を軽減できるのです。

本記事が、ビジュアルIVRによるスマートなコールセンター運営について考えるきっかけとなることを祈っています。

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