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2021.04.14
コールセンターのトークスクリプト作成のポイント 受注率向上編

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こんにちは。「CallConnect」ライターチームです。

コールセンタースタッフの研修を強化したり、トークスクリプトを改善したりするものの、いっこうに受注率が改善されずに悩んでいませんか?

ひょっとすると、受注につながりにくいトークスクリプトになっていることが原因かもしれません。残念ながら、正しく物事を伝えるだけでは人はなかなか行動しません。押さえるべきは「人間心理」です。

そこで、人間心理を踏まえた「受注率を向上させるトークスクリプト作成の3つのポイント」をご紹介します。

デメリットは隠すな!先に伝えるメリット

商品説明の際に、デメリットを伝えていますか。見送りになるのを回避したい心境から、トークスクリプトから除外している会社もあるかもしれません。しかし、デメリットこそ伝えることが肝心なのです。

良いことだけを言う片面提示のリスク

一般的に、トークスクリプトの構成が「利点」「強み」などのメリットを伝える構成になっていることが多いかもしれません。心理学では、良いことだけを伝える手法を「片面提示」といいます。

片面提示は、不利益事項となる「欠点」「弱み」などを伝えません。「他社よりも価格が安い」「1つで複数の役割を担っている」などの良い側面だけを伝えることで、顧客にわかりやすくアピールできます。

結果、価値を感じたお客様から個別相談や申し込みが得られます。これだけを聞くと、片面提示が良いように感じるでしょう。

しかし、お客様によっては「良い話には裏があるのでは?」と不審がられたり、のちに不利益事項を知ったお客様から信頼を損ねることもあるのです。

あえて伝えることで“誠実さ”の評価アップ

一方で、デメリットも同時に伝える方法を「両面提示」といいます。

たとえば「商品そのものは安価だけども3か月契約が必要」「多機能な製品だが、運用開始までに時間がかかる」などです。

あえて不利益な点を伝えることで、お客様は会社に対して誠実さを感じ、プラスの評価を抱きやすくなります。結果、「信頼できる会社に申し込みたい」と、申し込みや契約などに繋がります。

もちろん、不利益事項を盛り込むことで、デメリットを知ったお客様から契約見送り・辞退などがあるかもしれません。
しかし、良い面・悪い面の両面を伝えることで、お客様の納得感を高め、お客様と良い関係を築けるのであれば、メリットの方が明らかに大きいと言えるでしょう。

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小さなYesで「合意形成」の布石を

両面提示だけできても、他の工夫が不十分だと、そこまでの受注率向上は見込めません。説明時の注意点も押さえましょう。

良かれと思っての長々説明は心が離れる

商品説明において、すべてを伝えようとの思いから、長々としたトークスクリプトになっていませんか?

一般的な対面営業なら、そこまで問題ないかもしれません。しかし、電話口では長く感じることも多々あります。なぜなら、情報源が耳のみだからです。

対面時には視覚聴覚をはじめ、五感を使って会話をします。しかし、電話口では聴覚以外の刺激がないために、長時間話を聴くと疲れを感じやすいです。トークが長くなりすぎないよう注意しましょう。

一方通行の会話はNG

コールセンタースタッフだけが話すトークスクリプトにしないように、構成を注意してください。たとえば、商品の特徴やメリットなど伝えるべきことが多くなり、3分以上説明が続くこともあるでしょう。

会話は一方通行だと、飽きが生じやすくなります。なるべく顧客と会話のキャッチボールができるように心がけましょう。

一方的に話しているだけでは、時間が経つにつれて顧客の気持ちが離れてしまう恐れもあります。

小さなYesの心理的な効果

では、具体的にどのような会話を盛り込むのが良いかというと、小さな「Yes」を多く盛り込むほうが良いです。

心理学ではイエス・セット法と言われ、小さなYesを積み重ねることで、本当に得たい結果(受注)にも「はい」と言ってもらいやすくなる効果があるとされています。

簡単なものだと、「○○様でお間違えないでしょうか?」「○○様も○○をお使いでしょうか?」「ここまでご理解いただいていますか?」といった文章が代表的です。

小さな「はい」を繰り返すことで、一貫したい人間心理が働きやすくなり、最終的な問いかけにも「はい」と答えやすくなります。

理解への質問より「興味」への質問を

受注につなげるためには「ここまでご理解いただいていますか?」を多用するよりも、別の質問で「はい」を積み重ねることをおすすめします。
なぜなら、上記の質問を挟んだとしても、なんとなく「はい」と返答されるお客様もいらっしゃるからです。
受注率を向上させたい場合には、ぜひともトークスクリプト自体に顧客との合意形成につながる質問を盛り込むようにしてください。ここで得たいのは、合意形成につながる布石としての「はい」です。

「導入1週間で××というお声もいただいています。○○様も使ってみたいと感じますか?」「〇日までお試しサンプルを無料配布していますが、○○様もご興味ありますか?」

上記のような質問を入れることをおすすめします。ぜひとも次につながる質問で、より効果的な「はい」を得られるように工夫しましょう。

「いかがでしょうか?」を盛り込まない

お客様との意思疎通のために使いがちな「いかがでしょうか?」という言葉。しかし、多用するのは避けたいところです。なぜなら、いきなりのオープン・クエスチョンはハイリスクだからです。

・判断基準がない中での質問は「いらない」の原因に
なぜ「いかがでしょうか?」を避けるべきかというと、お客様に十分な判断基準ができる前に質問をすると、お客様がもともと持っていた価値基準に従って判断することになるからです。

お客様のこれまでのライフスタイルに合わせて「安い/高い」「便利/不便」といった判断が行われます。やや値の張る商品の場合には「検討します」という回答が多くなるかもしれません。

クローズド・クエスチョンがベター

今後の意思決定をしていただく会話の終盤では、「いかがでしょうか?」ではなく、より具体的に質問をするようにしましょう。「いかがでしょうか?」は、オープン・クエスチョンであり、開かれた質問です。開かれた質問は、5W1Hを使った質問が中心で、回答の自由度が高い特徴があります。結果、「検討します」「じっくり考えてみます」という回答になることも多いでしょう。

できるだけクローズド・クエスチョンを使いましょう。クローズド・クエスチョンは閉ざされた質問のことで、「はい」「いいえ」の二択で回答してもらう質問です。

「○○様もご興味ありましたら、まずは1週間のトライアルプランをお使いになりますか?」など、具体的かつ「はい/いいえ」で答えられる質問をしましょう。

4. まとめ

本記事では「両面提示による誠実さで好感度アップ」「小さなYesで合意形成への布石」「クロージングはクローズド・クエスチョン」の3点を中心にお伝えしました。

ちょっとした工夫で、受注率の向上に繋がるトークスクリプトを作成することができます。人間心理を理解することは、お客様とより良いコミュニケーションを実現する上で非常に重要です。

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