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2023.05.19
カスタマーサポートでSMSを活用するメリットとは?注意点や活用例も解説

以前から存在するツールながら、近年になっても市場規模を伸ばしているSMS。

IT調査会社のITRは、国内のSMS送信サービス市場規模は業種・業界を問わず増加を続けると予測しています。

<SMS(Short Message Service)とは>
携帯電話・スマートフォンの電話番号宛てにメッセージを送信できるサービス。
「ショートメール」と呼ばれることが多い。

本記事では、カスタマーサポートへのSMS導入を検討している方のために、SMSのメリットや注意点、カスタマーサポートでの活用例についてご紹介します。

どんなカスタマーサポートがSMS導入に向いているかも解説するので、ぜひ最後までチェックしてください。

カスタマーサポートでSMSを活用する3つのメリット

カスタマーサポートでSMSを活用するメリットは、主に以下の3点です。

カスタマーサポートでSMSを活用する3つのメリット
◎到達率・開封率・返信率が高い
◎顧客が操作に慣れている
◎APIでCRMツールと連携できる

到達率・開封率・返信率が高い

SMSを利用する大きなメリットは、以下のとおり、通常のメールと比較して「到達率」や「開封率」、「返信率」が高いことです。

参考:35 Must-Know Text Messaging Statistics| SimpleTexting

米SimpleTextingの調査によると、メールに1時間以内に返信する消費者は37.2%。25%は返信するのに数時間かかっています。対してSMSは、消費者の59.1%が1~2分以内に返信するという返信率の高さでした。

SMSの到達率・開封率・返信率が高いのには、以下のような理由があります。

<SMSの到達率・開封率・返信率が高い理由>
・電話番号は変更する機会が少なく、メッセージが届きやすい
・11桁の電話番号で送信できるため、送信間違いが少ない
・受信時にはプッシュ通知で冒頭の数行が表示されるため、注目度が高い

こうした理由から、SMSは電話が繋がらない顧客に対するアプローチ方法として、メール以上に効果的と言えます。

ただし、稀に携帯端末にてSMSの受信拒否をしている顧客がいることは理解しておきましょう。

顧客が操作に慣れている

SMSは、顧客にとって使い慣れたツールだというのもメリットです。

携帯電話やスマートフォンに標準搭載されているので利用経験のある人が多く、使用への心理的ハードルが低いので、高い利用率が期待できます。

専用アプリをインストールする手間が不要というのも、手軽に使用できる理由のひとつでしょう。

APIでCRMツールと連携できる

SMSは基本的に携帯電話やスマートフォン同士で利用するサービスですが、ビジネスで活用するには一斉配信や自動配信ができる「SMS配信サービス」の導入が必要です。

SMS配信サービスの中には、APIを介してCRMと連携できるものもあります。

<API(Application Programming Interface)とは>
ソフトウェアやプログラム、Webサービスの間を繋ぐ装置のこと

普段から利用しているCRMツールとSMS配信サービスが連携すれば、CRM上の顧客情報を元にSMSの送信が可能です。そのため、データ移行の手間がかかりません。

また、顧客情報が一元管理されるので、メッセージの送信漏れや重複して送信するリスクも低下します。

カスタマーサポートでSMSを活用する際の4つの注意点

カスタマーサポートでSMSを活用する際には、以下の4点に注意しましょう。

カスタマーサポートでSMSを活用する際の4つの注意点
◎文字数に制限がある
◎件名は入れられない
◎画像やファイルを添付できない
◎配信コストがかかる

文字数に制限がある

SMSは、以下のとおり送信できる文字数に制限があります。

<SMSの文字数制限>
  • フィーチャーフォン(ガラケー)が全角70文字(半角英数字160文字)
  • スマートフォンが全角670文字(半角英数字1,530文字)

顧客に確実に読んでもらうためには、メッセージを全角70文字以内に収める必要があります。

件名は入れられない

SMSには、件名を入れられない点に注意が必要です。

そのため、一目で用件が分かるようにメッセージの内容を工夫しましょう。

画像やファイルを添付できない

SMSでは、画像やファイルを添付して送信することができません。

テキスト以外のデータを届けるには、ダウンロード用のURLを送って顧客にクリックしてもらうなどの対策が必要です。

配信コストがかかる

SMS配信サービスを使用する場合、料金の相場は1通あたり7〜10円程度です。

そのため、配信数が増えるとメール配信システム(月額5,000円~1万円程度)以上のコストが発生する点に注意が必要です。

コストを抑えるには全顧客を送信対象にするのではなく、「電話が繋がらない」「支払いの督促が必要」といった何らかのセグメント分けをすると良いでしょう。

カスタマーサポートにおけるSMS活用例

カスタマーサポートにおけるSMSの活用例は、以下のとおりです。

カスタマーサポートにおけるSMSの活用例
◎コード配信による本人認証
◎FAQや登録フォーム、チャットなどWebサイトへの誘導
◎アンケートの配信
◎支払い遅れなどの督促
◎予約や更新手続きのリマインド

コード配信による本人認証

SMSは電話番号に対してメッセージを送信するため、顧客が所持する携帯端末のみにメッセージを届けられます。このことを活用して一時的な認証コードやパスワードなどを配信する「SMS認証」は、不正アクセスやなりすましを防ぐ認証システムとして広く利用されています。

WebサイトへのログインIDやパスワードを忘れた際に、SMSでの認証を経験したことがある方も多いのではないでしょうか?

導入するには、自社システムとAPI連携できるSMS認証サービスが必要です。SMS配信サービスを選ぶ際には、SMS認証の機能があるかをチェックするようにしましょう。

FAQや登録フォーム、チャットなどWebサイトへの誘導

SMSでURLを送信し、Webサイトに誘導することで、有人対応の時間を短縮できます。

例えば、下図の通りIVRと連携してSMSを送信すれば、電話をかけてきた顧客の一部をFAQページでの自己解決や問い合わせフォーム・チャットからの連絡に導くことができ、電話回線の混雑が軽減するでしょう。

また、口頭では伝えづらいURLや製品の操作説明にもSMSは有効です。

SMSからWebサイトに誘導することで、URLの言い間違い・聞き間違いがなくなると同時に、画像や説明文が掲載されたFAQページにより速やかな問題解決が期待できます。

アンケートの配信

顧客へのアンケート調査にも、SMSが役立ちます。

例えば、電話終了後すぐにオペレーターの応対に関するアンケートを配信すればメッセージに気付きやすく、高い回答率が期待できます。

また、応対終了からアンケート配信までのタイムラグが少ないため、顧客の記憶が新しく、率直な意見が聞けるのも有益です。

支払い遅れなどの督促

支払い遅れのように緊急度の高い催促にも、SMSが活用されています。

先述の通りSMSは到達率や開封率が高いため、メール以上に顧客に確認してもらいやすいツールです。

配信する際には顧客から詐欺メッセージと疑われないよう、前もってSMSで督促することを周知したり、送信元を明確にしたりと十分に配慮しましょう。

予約や更新手続きのリマインド

予約や更新手続きのリマインドをSMSで行うことも有効です。

来店日や契約終了日を忘れてしまう人は少なくありません。

顧客の目につきやすいSMSを使ってリマインドメッセージを配信すれば、当日キャンセルや更新漏れを防ぐ効果を発揮します。

SMSの活用に向いているカスタマーサポート

SMSの活用に向いているカスタマーサポートの特徴は、以下の5点です。

SMSの活用に向いているカスタマーサポートの特徴
◎携帯・スマホユーザーが多い
◎待ち呼が多い
◎口頭で伝えにくい情報が多い
◎メールや郵便を使ってみたが顧客の反応が悪い
◎SMS認証を導入してセキュリティ対策を強化したい

携帯・スマホユーザーが多い

携帯・スマホを使って電話してくる顧客が多いカスタマーサポートは、SMSの導入に向いています。一方、ファミリー層やシニアの顧客が多く、固定電話からの入電がメインの場合は、SMSが配信できないため導入に適していません。

事前に過去の記録を洗い出し、どんな電話番号からの入電が多いかを確認しておきましょう。

待ち呼が多い

待ち呼が頻繁に発生し、オペレーターと繋がらないまま電話を切ってしまう顧客が多い場合には、SMSの導入を検討すべきです。

IVRとSMSを連携し、コールバックの予約URLを送信したり、問い合わせフォームやチャットのURLを送信したりすることで、混雑の解消が期待できます。

口頭で伝えにくい情報が多い

製品の操作方法や利用規約のように口頭では伝えづらい情報が多い場合、SMSの活用をおすすめします。

SMSで情報を送信すれば電話口での説明が短縮されるだけでなく、「言った」「言わない」のトラブルも防ぐことができます。

円滑な顧客対応により、電話の混雑解消にも繋がるでしょう。

メールや郵送を使ってみたが顧客の反応が悪い

顧客に対してメールや郵送で働きかけているものの、期待した反応を得られていない場合、到達率・開封率が高いSMSの活用を検討する価値があるでしょう。

例えば、某大手生命保険会社では、応対品質を調査するアンケートを郵送からSMSに切り替えた結果、年間で500件程度だった回答数が1日100件以上まで増加しています。

また、API連携でアンケート結果と入電データの紐づけができるため、オペレーターの応対内容と顧客の満足度を突き合わせ分析することも可能です。顧客満足に関する具体的な情報が得られるようになり、応対品質やサービスの改善に役立ちます。

SMS認証を導入してセキュリティ対策を強化したい

不正アクセスやなりすましに対策したい場合、SMS認証がおすすめです。

SMS認証では、PCからログインする際にも、登録した電話番号の携帯電話・スマホが必要です。少しの手間は発生しますが、その分セキュリティが強化されます。

また、生体認証やトークンといった認証手段よりも、導入コストやメンテナンスなどの負担が抑えられるのもSMS認証の強みです。

まとめ

自社のSMS導入について、方向性が見えてきたでしょうか?
ビジネスでSMSを使うには一斉配信、自動配信、API連携などができる配信サービスが必要です。
導入後どのように活用するかを明確にした上で、配信サービスを比較検討するようにしましょう。

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